[管理番号:8428]
性別:女性
年齢:42歳
病名:
症状:
投稿日:2020年4月1日
先生、初めまして。
宜しくお願いします。
検診や人間ドッグの乳がん検査は誤診が多いと聞きました。
その理由の一つに超音波は腹部でも使われるものをそのまま乳腺のチェックにも同時に使われているからだと聞きました。
本当ですか?超音波の機械そのものが精度が落ちると。
ということは検診やドッグで超音波検査を受けてもあまり正確性がないということでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「検診や人間ドッグの乳がん検査は誤診が多い」
⇒細かいようですが…
検診ドックでは「誤診」とはいいません。
「偽陽性(「どうでもいいものを異常としてチェックしてしまう」」と「偽陰性(癌を見逃す)」と分けなくてはいけません。
★質問者のいう「誤診」とは(上記)「偽陰性」のことを言っているのかもしれません。
Modalityによって異なります。
1.マンモグラフィー
偽陽性多い(局所的非対称性陰影の95%以上は実際は異常なし)
偽陰性も多い(小さな病変は捉えられない、特に若年者)
2.エコー
偽陽性多い(小さな病変を捉えすぎてしまうため)
偽陰性は少ない(小さな病変も捉えられる)
「超音波は腹部でも使われるものをそのまま乳腺のチェックにも同時に使われているからだと聞きました。本当ですか?」
⇒それは無いでしょう。(あるとしたら、ごく一部)
「超音波の機械そのものが精度が落ちると。」
⇒違います。
技師がエコーをして、(後で)その写真を医師が判定するシステムそのものが「精度が落ちる」原因となっています。
「ドッグで超音波検査を受けてもあまり正確性がないということでしょうか?」
⇒これも違います。
医師による超音波に比べれば精度は(当然)落ちますが 注 1 ) マンモグラフィーだけの検診よりは100倍位「偽陰性は減る(見逃しがない)」のです。
注 1 )これは、医師が偉いとか、技師が頼りにならないという意味では全くありません。(誤解なきように)
エコーは操作している者と判定している者が同一でないと、どうしても不完全となるからです。
エコーで捉えるのは「任意の画面」なので、操作している人の「主観」が大いに入ってしまい「客観性が失われる」のです。
つまり、捜査している者(技師)が気にならなければ(癌があったとしても)「スルーされてしまう」し、(逆に)操作している人が気にした所見は(癌でなくても)「それらしく撮影されてしまう」のです。
質問者様から 【質問2 】
検診人間ドッグのエコー
性別:女性
年齢:42歳
病名:左嚢胞
症状:
投稿日:2020年4月8日
田澤先生、ご回答ありがとうございます。
エコー、マンモの違い、技師/医者によるエコーの違いについてご説明ありがとうございました。
詳しくお伝えするのを忘れました。
実は5年位今の人間ドッグセンターで一年に受診しておりますが、そこではいつも腹部のエコーを終えた後、同じ技師の方が乳房のエコーを同じ機械で続行しております。
5年間しこりはないですが、左嚢胞という判定を5年受けているのですが、これも誤判定になる可能性もありますでしょうか?
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「左嚢胞という判定を5年受けているのですが、これも誤判定になる可能性もありますでしょうか?」
⇒嚢胞自体に間違いはないでしょう。
(それよりも)技師がスルーしてしまったものの中に「本当に異常が無かったのか?」そちらの問題が(どうしても)残ってしまうのです。
検査する者と(それを)判断する者が異なるシステムの弊害と言えます。(ただドック検診の場で全員に医師自身がエコーすることが現実的ではないです)
★ただ、上記自体を疑ってしまうと「検診自体が成り立たない」ことになるので「ほどほど」にしましょう。
★★ 同じ機械ということですが、機械は同じでも「プローブ」を切り替えればば全く問題ありません。(おそらく、そうしている筈です)
体表のプローブ(乳腺や甲状腺など用)と腹部プローブ(肝臓や胆嚢などをみるもの)は切り替えられるのです。