[管理番号:6735]
性別:女性
年齢:42歳
病名:乳がん
症状:
田澤先生、診断が出る前から参考にさせていただいております。
ありがとうございます。
タイトルどおりの質問なのですが、
画像上、腋窩リンパ節に転移が多数(4個以上)認められる場合、同時再建は避けた方がよいのでしょうか。
田澤先生の他の方への回答では、エキスパンダーからシリコンバッグに入れ替え後に放射線治療をすれば問題ないとのことですが、リンパ節転移の状況から、半年もの間、放射線治療が延期になることによって再発リスクがどの程度上がるのかが気になります。
また、再発リスクが上がることを考慮して、先に放射線治療をしてからの二次再建を選択しますと、インプラントでの再建は合併症のリスクが上がることから、自家再建のみが勧められるのですよね?(ガイドライン2018版参照しました)しかし、自家再建は手術痕が増えるので躊躇する部分があります。
再建について田澤先生はあまり推奨されない方向とは思いますが、(多くの合併症を起こした患者さんを見てこられてのことでしょうか?)同時再建については少なくとも手術前に決定しなくてはならず、迷っています。
手術日が迫ってきても、まだ主治医からは再建についての説明はなく、こちらから相談するつもりでいるのですが、その前に田澤先生のご意見をお聞かせいただけますと幸いです。
よろしくお願い致します。
ー余談です 再建に関する某意識調査の結果では、男性側の意見として(本音では?)80%が再建に賛成とのこと。
意外にも女性の方が少なく、再建を希望するのは60%だそうです。
(それでも実際に再建するのは、都心部ですら10%程度で、低いのですね。
日本人は貧乳が多いからでしょうか。
保険で再建できるということの認知度も低そうです。)
男性が内心こんなにも『おっぱい星人』でなければ、自分個人だけのQOLの問題であれば、リスクを負ってまで再建しなくてもいいかなとも思えるのですが。
もちろん最終的には自分自身の希望による決定なのだとは思いますが。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「画像上、腋窩リンパ節に転移が多数(4個以上)認められる場合、同時再建は避けた方がよいのでしょうか。」
→通常は避けるべきです。
矛盾するようですが…
確かに、「インプラントに入れ替えてから放射線をかければよい」のですが、やはり(我々乳腺外科医は)「同時再建は、あくまでも早期乳癌の治療オプション」という捉え方をしています。
「術前画像上、リンパ節転移が明らかではなかった→術中センチネルリンパ節生検で陽性→追加郭清」程度の状況なら(そのまま)「同時再建で問題ない」とは思いますが、「最初から画像で明らか」であれば、やはり『まずは治療優先』そう(私は)思います。(実際にそうしています)