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DCISから術後浸潤がん(HER2)へ、病理の見方と術後治療選択について

[管理番号:7810]
性別:女性
年齢:47歳
病名:浸潤性乳管がん(硬がん・HER2タイプ)
症状:

東北の病院で8月に手術したばかりです。

実母を乳がんで亡くしており、2年ごと受けてきた検診でひっかかり、CNBの
結果、術前はコメド壊死伴うDCISの診断でした。

術前:触診で硬結あり、US:左CDに1.7cmの腫瘤、MMG、FAD・Calc,
CTでは左Cに1.5cm、N1否定できず、MRIでは、乳頭方向に49㎜の広がりとありました。
ER- PR- HER2(3+)
全摘か温存か迷い、温存とSNを選択しました。

術後病理結果はアップステージし下記でした。
病理の見方がよくわからないし、しかも悪性が高いと言われショックで、子供も小学生なので、生命予後が心配でなりません。

コメド壊死伴う乳管内がんが主体だが小型で不規則な索状胞巣を形成しながら浸潤性に増殖する像が観察される。
腺腔形成ほとんど見られず繊維性の間質の増生を伴う。
浸潤性乳管がん、硬性型と診断。
背景の乳腺組織には一部上皮の
増殖性変化あり。

最大浸潤径3×3㎜、非浸潤がんを合わせた腫瘍径20㎜程度、NG3(核異形
度3、核分裂2)HG3(核異形度3、核分裂2、線管形成3)Ly0、V0,EI-、波及度gとの事。
断端は切片17(おそらく最後の切片)に乳管病変があり、
外側方向について断端陽性の可能性は否定できない。
(執刀医は取り切れていると思うとは言っていましたが)リンパ節転移なし(0/1)

術後は、放射線30回とその後、抗がん剤とハーセプチン治療を提案いただいています。

1、断端陰性とは言えない中、背景の乳腺組織が一部上皮に増殖性変化あり、
MRIでの広がりとの所見があることから、再度手術し全摘をすることはありえないのでしょうか。
リンパ節は1つしかとらなかったのですが、他は大丈夫か心配です。

2、浸潤径は3㎜、腫瘍径2cm、広がりは49㎜どれががんのおおきさなのでしょうか。

3、抗がん剤とハーセプチンは一度やったら再発した時に効かなくなることはありますか?今この治療をすべきなのか迷います。

再発転移しやすく、予後が悪いとの情報が多く不安ですが、生命予後を優先した選択をできればと思っています。

できれば田澤先生の診察予約をしたいと考えています。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「1、断端陰性とは言えない中、背景の乳腺組織が一部上皮に増殖性変化あり、MRIでの広がりとの所見があることから、再度手術し全摘をすることはありえないのでしょうか。」
⇒温存乳房内再発のリスク因子として、その選択肢はあります。

「リンパ節は1つしかとらなかったのですが、他は大丈夫か心配です。」
⇒そんなことを心配するようでは…

 センチネルリンパ節生検は成り立ちません。(そこを疑う(心配する)根拠がありません)

「2、浸潤径は3㎜、腫瘍径2cm、広がりは49㎜どれががんのおおきさなのでしょうか。」
⇒3mmです。
 だから(抗HER2療法を含めた)抗がん剤の適応はありません。

「3、抗がん剤とハーセプチンは一度やったら再発した時に効かなくなることはありますか?今この治療をすべきなのか迷います。」
⇒浸潤径3mmなのだから…

 当然、無治療(温存だから放射線は必要ですが)です。
 抗がん剤の適応はありません。(当院なら「患者さんが希望しても」行いません)

「再発転移しやすく、予後が悪いとの情報が多く不安」
⇒全くナンセンス!

 3mmの浸潤癌なのだから、遠隔転移再発を心配する必要はありません。

 ただ乳腺内だけをいえば、コメド壊死を伴う非浸潤癌は「温存乳房内再発高リスク」となり、「(非浸潤癌によ)乳房内再発⇒非浸潤癌から浸潤癌⇒」というリスクだけが心配です。
 質問者のケースでは局所療法が重要となりそうです。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

術後の治療、定期検診は?など
性別:女性
年齢:48歳
病名:乳がん
症状:
投稿日:2020年4月10日

管理番号7810 2回目の質問です。

2019年8月に温存手術→30回の放射線ののち、抗がん剤治療をするか迷いました。

癌の悪性度3、HER2強陽性の HER2タイプであり、プレディクトという計算によると治療しないと10年生存率80%、治療すると89%という数字の説明から、浸潤3ミリでも再発が怖く治療に取り組むことにしました。

→治療はEC4クール、ドセタキセル ハーセプチン パージェタ4クールです。
4月で抗がん剤はおわり、あと14回ハーセプチンとパージェタの点滴です。

1、病変が残っていて再発しないか不安
何度も気になっているのは、病理では乳管内病変が断端にあり、断端陰性とはいいきれないことです。
主治医はぎりぎりとれてるとは話しますが、やはりコメド壊死を伴うものは局所再発から浸潤にとならないか心配です。
心配なことを話すと「放射線や抗がん剤もやるからね」と説明をされ、なぜか再手術はすすめません。

診療情報はすべてではないかもしれませんが、主治医からコピーしていただいていて、切り出し図のようなもの?はあります。

これらを先生に見てもらい、再手術したほうがよいかご意見いただくことはできないものでしょうか。
せっかく早期pT1a に検診で見つけてもらったのに、再発、遠隔転移は避けたいです。

2.遺伝
実母が乳がんで、祖母は膵臓がんです。
母は、検診を受けず5年経過し気づいたときは5-6センチ、ステージ3になっていて、リンパ節が取り切れず、1年半で再発し20数年前に他界しました。
当時主治医からハーセプチンが使えればと言われていたので、私と同じタイプかなと思ったりしました。

私はHER2タイプなため、遺伝ではないかもしれませんが、不安だったので既に遺伝カウンセリングを受けました。
B RCA検査をやってみようかとの流れになっています。
その結果次第で再発可能性、再手術の必要性には影響がありますか?

3.術後の定期フォロー子どもが成人するまでは、元気でいたいと思うと、術後の再発や対側の不安はつきものです。
私がお世話になっている病院は、
抗がん剤治療中の1年強は自覚症状があれば診察するが、症状がなければしないとのことでした。
こんなものなのでしょうか。

先生もよくご存知の病院です。
東北では最も患者や手術が多い病院だからなのでしょうか。

4.ECは大きな副作用はなく終了、ドセタキセル、ハーセプチンパージェタがあと1回、筋肉痛や関節痛でロキソプロフェンを服用しながら生活しています。
コロナのこともあり、感染が不安で治療を続ける迷いもあります。

ハーセプチンパージェタだけになれば免疫は落ちないですみますか?
お忙しい中すみません。
よろしくお願い申し上げます。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

浸潤径3mmなのに抗がん剤行ったのですか??
あまりにもナンセンスなので、私からそれ以上コメントすることは差し控えた方がいいようです。(失礼なコメントをしてしまうリスクのために)