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海外でdcisと診断されました。

[管理番号:4762]
性別:女性
年齢:41歳
田澤先生
はじめまして。
非浸潤がんがわかってからこちらで勉強させて頂いております。
オーストラリア在住です。
自分で調べた日本の乳がん治療と、こちらのやり方に違いがあるような気がして心配になり質問させて頂きます。
日本で受けた人間ドックのマンモグラフィーにひっかかり、オーストラリアで精密検査を受けたところ超音波で8ミリの腫瘍が見つかりました。
その場でcore biopsyを行い、
Intermediate grade のdcis と診断されました。
場所はleft breast at
3oclok 5cm from the nipple です。
日本での手術治療も考えましたが、初期のものであり日帰り手術でできる、その後追加切除などが必要になればそれから日本に帰っても…手術してみないとわからないけど、私の場合はおそらくdcisで最初の切除で終わるだろう、追加手術の可能性は少ないのではないかと説明を受けて、先日こちらで日帰り手術を行いました。
手術当日は、超音波で腫瘍を確認しながら局部麻酔をし、フックワイヤーを入れ、マンモグラフィーを撮り、午後から全身麻酔で腫瘍を切除しました。
手術時間は1時間半はかかっていないと思われます。
手術から3日後には病理検査の結果が出て、ドクターからdcisで術前と変わりなく、悪いところも取り切れた、追加手術の必要なしと言われてホッとしました。
今後は、専門家達が集まって私の治療方針を決めるとのことでした。
放射線治療の他、ホルモン療法もあるかもしれないと言われております。
今、不安に思っていることですが、
部分切除の手術を行う前に、MRIを撮らずに超音波とマンモグラフィーだけだったことです。
自分が調べた限りだと、日本ではMRIを撮って病変の広がりを確認するようですが、ドクターには私には必要性を感じない、あなたの気がすむならMRIを撮ると言われ、そこまで言うなら…と思い、MRIをしませんでした。
専門家が見れば、MRIをしないでも病変は確認できるものでしょうか。
結果として、clear of margins となっていれば、悪いところは全て取り切れたと信じてもよろしいでしょうか。
margins superior 10mm ,inferior 9mm,anterior 4mm,posterior 4mm
,medial 14mm, lateral 8mm
となっていました。
There is no invasive malignancy との記載もあります。
とにかく全てがスピーディでバイオプシーの病理結果は翌日に、手術は日帰りで、結果は3日後にわかる、、、とどんどん進んでいきました。
通訳の方を交えて説明を受けておりますが、言葉の壁だったり、自分で調べたことと違いがあったり、術後の乳房もほとんど変化がなく、3センチ位の傷跡があるだけなので、これで大丈夫なのか、悪いところは取りきれたのかと不安が出ています。
また、センチネルリンパ節生検も必要なし、と言われてやっていません。
術後に、再度リンパ節のことを確認しても、心配いらないと言われました。
欧米と日本では、日本の方が断端陰性の基準が厳しい、手術も精度が高いなどのネット情報もあって、不安から抜け出せないでおります。
本来なら、術後の結果もdcisで乳房も傷がついたくらいの変化なのでありがたいと思わないといけないのかもしれません。
もし、私の受けた手術にまだ取りきれていない可能性があるのなら、日本に帰国して先生に診て頂きたい気持ちがあります。
どうぞよろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
私の正直な感想は、「simple is best」とてもいい診療だと思います。
非浸潤癌なのに「PETまで撮影」する日本の某病院の医師につきつけたい気持ちでいっぱいです。
♯医師自身が考えもせずに、ルーティン化した検査を無駄に行う。(進行乳癌と非浸潤癌を全く同じ検査をする事自体、ナンセンスです)
○本来、非浸潤癌の小病変であれば、それでいのです。
 日本は国民皆保険をいいことに「あまりにも無駄な検査が横行」している。そして、それは(無駄な)「検査を受けさせられる患者さん自身」だけでなく、「国家財政をも逼迫させる」guiltyなことなのです。 
「部分切除の手術を行う前に、MRIを撮らずに超音波とマンモグラフィーだけだったことです。」
⇒それで十分です。
 ただ、(あまりにもMRIをルーティン化した)日本では、(まるで)「MRI無しで温存したら、悪い」ような風潮があるだけの話です。
 ♯本来は超音波やマンモグラフィーで拡がりが把握できれば、それで十分なのです。(ルーティン化する必要はありません)
 
「ドクターには私には必要性を感じない、あなたの気がすむならMRIを撮ると言われ」
⇒まさに、これこそ正しい医療です。
 日本のどこかの大病院の医師に、「聞かせてあげたい」ありがたいお話です。
「専門家が見れば、MRIをしないでも病変は確認できるものでしょうか。」
⇒その通りです。
 そして、それこそがprofessionalなのです。
「結果として、clear of margins となっていれば、悪いところは全て取り切れたと信じてもよろしいでしょうか。」
⇒そういうことです。
「とにかく全てがスピーディでバイオプシーの病理結果は翌日に、手術は日帰りで、結果は3日後にわかる、、、とどんどん進んでいきました。」
⇒simple is best とてもいいことです。
「また、センチネルリンパ節生検も必要なし、と言われてやっていません。」
⇒もともと「日本のガイドライン」でも「術前診断が非浸潤癌で病変が限局している」場合には「センチネルリンパ節生検は勧めない」となっています。
 そして、結果的に「全てが非浸潤癌」だったのだから、「センチネルリンパ節生検しなくて、良かったですね」ということです。
「欧米と日本では、日本の方が断端陰性の基準が厳しい、手術も精度が高いなどのネット情報もあって、不安から抜け出せないでおります。」
⇒お解りですか?
 質問者にとって、「今回のオーストラリアでの治療」は大変幸運だったのです。
 
★もしも質問者が、ここ日本に来て「どこかの大病院や大学病院」にかかっていたら…
  術前検査(CT、PET、MRI)で疲れ切り、そして無駄な被爆させられ、其の上更に、全く無駄に「下手くそなセンチネルリンパ節生検でリンパ管を傷つけられ」そんな中で、質問者自身が「自分が(まるで)進行癌であるかのような勘違い」をさせられたことでしょう。