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DCIS 反対側の胸の全摘について

[管理番号:5162]
性別:女性
年齢:46歳
田澤先生
はじめまして。
今月DCISと診断されました。
アメリカ在住のため不慣れな医学用語をどこまで理解できているのか不安な気持ちでしたが、こちらで勉強をさせて頂き、少しづつ頭の中を整理することができています。
御多忙にも拘わらず、このような場を設けてくださって本当にありがとうございます。
(経緯)
2016年1月 ステレオガイド下マンモトーム生検にて両胸にALHが見つかり、外科生研にて摘出しました。
術後の病理検査の結果、右胸はLCIS、左胸はALHでした。
また両胸毎に8~10個の3㎜から7㎜のHypoechoic lesion (嚢胞?)もあるため、半年毎の検診で経過観察をしてまいりました。
2017年7月、検診のMRI検査(エコーでは異常なし)の結果にグレー判定が出たのをうけて、右胸2か所に超音波ガイド下マンモトーム生研を行ったところ、一カ所にDCISが見つかりました。
(検査結果)
DCIS 右 9時方向 乳頭から1センチ
Low nuclear grade and calcifications
ER Positive 95% Average intensity of staining: Strong PR Positive 90% Average intensity of staining :Strong
医師からは、DCISが小さいため通常なら温存手術→放射線治療で良いと思うが、私の場合はLCIS、ALHの経緯があり、そこから短い期間でのDCIS診断、母親が40代で卵巣がんを患ったことからもハイリスクと考えられるため、予防のために両胸の全摘を勧められています。
また、温存にする場合は、今回生検はしなかったが右胸に怪しい嚢胞がさらに二か所ある。
念のためこれらもマンモトーム生研して問題がなければという条件つきです。
新しい癌が見つかれば今回のDCISとは距離があるため右胸の全摘は避けられないとのことです。
私としましては、DCISの右胸については、LCISのリスク要因があること、放射線治療を
行った後に再発し全摘になった場合は成形が難しいと聞いたため、全摘、同時再建でよいと考えています。
しかし、左胸の全摘に関してはアメリカという国の考え方の違いから過剰予防を勧められているのではないかと思い、決心がつかずにいます。
そこで先生のお考えをお伺いしたいのですが、
・LCISのちDCISが右胸に見つかった場合、反対側の胸(ALH、また、小さな嚢胞が10箇所あり異常は認められていないが経過観察中)を全摘するというのは過剰予防だと思われますか。
・左を残した場合、今後、どの程度の確率で癌が発生すると思われますでしょうか。
その場合は予防のためホルモン治療(タモキシフェン)を勧められていますが抑制効果はどの程度あるものでしょうか。
熟考する期間があまりなく、まわりにLCISの経験者もいないため
最終的に自分で決断することとはいえ、何がベストなのか迷っています。
先生のご見解をお聞かせいただけますと幸いです。
よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「・LCISのちDCISが右胸に見つかった場合、反対側の胸(ALH、また、小さな嚢胞が10箇所あり異常は認められていないが経過観察中)を全摘するというのは過剰予防だと思われますか。」
⇒過剰だと思います。
「・左を残した場合、今後、どの程度の確率で癌が発生すると思われますでしょうか。」
⇒それは解りません。
 私の感覚では20%程度かもしれません。
「その場合は予防のためホルモン治療(タモキシフェン)を勧められていますが抑制効果はどの程度あるものでしょうか。」
⇒一般的に「発生を半分にする」とされています。
 ただ、有害事象(子宮体癌の発生や更年期症状など)もあるのだから、安易に行うべきではありません。
★普通にシンプルに
右は全摘、左は経過観察でいいと思います。