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非浸潤癌、皮下乳腺全摘出後の断片陽性

[管理番号:4854]
性別:女性
年齢:42歳
非浸潤癌、皮下乳腺摘出後の断片陽性
初めまして。
昨年末に健康診断のマンモグラフィーで微小石灰化が見つかり、マンモトームで癌と分かり、部分切除を行いました。
(石灰化した部分は4ミリと言われていました)しかし、その後の病理結果で4??5センチの切除断片の3分の2位の部分が陽性であることがわかり、先日皮下乳腺摘出手術を受けました。
再建予定で、今はエキスパンダーを入れています。
先日その病理結果が出ましたが、皮膚側に三箇所の断片陽性が見つかり、病変も6センチ??4センチに渡って広がっていました。
医師から放射線+ホルモン治療を勧められました。
そこで数々の疑問があるので、ご意見をお聞かせいただきたく、よろしくお願いします。
1.放射線は再建後照射でいいと言われています。
シリコンへの入れ替えはおそらく年末になるかと思います。
こんなに間をあけて本当に問題ないのでしょうか?
2.再建後放射線照射をすることによるデメリットはありますでしょうか?
3.ホルモン治療はタモキシフェンを5年間服用と言われています。
副作用が強かったら途中でもやめていいと言われました。
ホルモン治療により再発の可能性はどれだけ下がるのでしょうか?健側の予防にしかならないのでしょうか?
私のように広がった非浸潤癌がある場合は健側もいずれ患う可能性が初期の小さな非浸潤癌の場合より高いのでしょうか?
4.インターネットで調べると、服用により太ったという記事をたくさん見ました。
病院でもらったパンフレットにはそのような記述はなく副作用は少ないと書かれていますが、食欲が増えたり、太ったりということは起こるのでしょうか?
起こるとしたらどのくらいの確率で起こるのか?それとも誰でも食欲が増すものなのでしょうか?再発の防止にどれだけ効果があるのかもふまえ、服用を考えたいと思います。
5.私のような皮下乳腺全摘出しても断片陽性がある場合は放射線+ホルモン治療は必須なのでしょうか?
それによって再発は本当に防げるのか?
同じようなパターンで再発する人はどのくらいいるのか?数値で知りたいです。
6.30歳を過ぎた頃から毎年触診とエコー、40歳からはマンモグラフィーも毎年受けていました。
今まで再検査となったり所見が書かれていたことも一度もなく毎年異常なしの結果でした。
それなのに全摘してもなお残っているほど癌が広がっていました。
非浸潤癌とはいえ放射線やホルモン治療もしなければならない、取りきれてない以上再発に気をつけて(怯えて)これから過ごしていかなければならない事が不満に思えてなりません。
進行度の遅い(10%)の癌であると言われました。
ということはかなり前から癌はあったということですよね?なぜ見つけられないのでしょうか?なんのために今まで欠かさず検診を受けていたのかと思ってしまいます。
今のエコーやマンモグラフィーでは石灰化してなければ非浸潤癌は見つからないのですか?もっと早く見つかっていればこんなに何度も入院手術、治療を受けなくても済んだのでは?と思います。
先生はどう思われますか?
もちろん浸潤していなかったのは不幸中の幸いとは思っています。
だけど、もっと前に見つけて欲しかった!という気持ちが拭えません。
7.昨夜気づいたのですが、再建側の皮膚に2.3ミリのシコリがあります。
数日前までなかったと思います。
触るとコリコリとした感触があります。
まさか取り残した癌ではありませんよね?
今までの経過が順調ではないため、次の診察まで時間があるため不安になりました。
長くなりましたが、よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
非浸潤癌で全摘なのだから「根治」です。勿論放射線もホルモン療法も不要です。
通常は悩むような場面ではありませんが…
非浸潤癌なのだから「全摘して皮膚側に断端陽性」というのは通常考えられないことです。
執刀医がきちんと「乳腺組織を認識しながら」切除すれば、(非浸潤癌は乳腺から外へはこぼれていない訳だから)断端陽性となることは「極めて不自然」です。
○どうしても(執刀医自身が)自信がないのであれば…
 放射線やホルモン療法などで逃げるよりは、
 再手術して「皮下の乳腺を完全に取り除く」ことでしょう。
 ♯そうすれば(効くか効かないかわからない)ホルモン療法や放射線ではなく、今度こそ「本物の根治」となるのです。
「シリコンへの入れ替えはおそらく年末になるかと思います。こんなに間をあけて本当に問題ないのでしょうか?」
⇒基本的には殆ど残っていない筈ですから…
 許容されるでしょう。
「2.再建後放射線照射をすることによるデメリットはありますでしょうか?」
⇒皮膚の伸びが悪くて「整容性が低下する」可能性があります。
「3.ホルモン治療はタモキシフェンを5年間服用と言われています。ホルモン治療により再発の可能性はどれだけ下がるのでしょうか?」
⇒そもそも「全摘後の局所再発」は本来無い筈のものです。(当然データなど存在しません)
「私のように広がった非浸潤癌がある場合は健側もいずれ患う可能性が初期の小さな非浸潤癌の場合より高いのでしょうか?」
⇒無関係です。
「食欲が増えたり、太ったりということは起こるのでしょうか?」
⇒食欲が増して体重増加する人もいらっしゃいますが、セルフコントロールすべきものです。
「起こるとしたらどのくらいの確率で起こるのか?それとも誰でも食欲が増すものなのでしょうか?再発の防止にどれだけ効果があるのかもふまえ、服用を考えたいと思います。」
⇒解りません。
 ただ、「そもそもホルモン療法の意味があるのか?」という状況で「副作用を心配」するのは、何かが間違っていると思います。
「5.私のような皮下乳腺全摘出しても断片陽性がある場合は放射線+ホルモン治療は必須なのでしょうか? 」
⇒通常は無い筈のものです。
 本来は(冒頭でコメントしたように)「乳腺組織が残存している」可能性があるのであれば、それを摘出すべきだし、(その心配が無いのなら)根治なのだから「無意味な治療はしない」べきでしょう。
「同じようなパターンで再発する人はどのくらいいるのか?数値で知りたいです。」
⇒そのようなデータは存在しないでしょう。
「かなり前から癌はあったということですよね?なぜ見つけられないのでしょうか?」
⇒検診の精度の問題もありますが…
 非浸潤癌は「石灰化」などの明白な手掛かりが無い限り、「腫瘤非形成性病変」などをきちんと精査していくしか見つけられないのです。(それを検診レベルで期待することは酷というものです)
「今のエコーやマンモグラフィーでは石灰化してなければ非浸潤癌は見つからないのですか?」
⇒エコーの精度次第ですが、検診では難しいと思います。
「7.昨夜気づいたのですが、再建側の皮膚に2.3ミリのシコリがあります。まさか取り残した癌ではありませんよね?」
⇒そんな「触知してわかるような大きさの」癌を取り残すことは流石にないでしょう。