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CYP2D6テスト結果について

[管理番号:951]
性別:女性
年齢:52歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:984「アロマターゼ阻害薬の副作用」

 
 
初めまして。いつもこのQ&A拝見しております。
似たような質問を見つける事が出来なかったので、質問させて頂いてよろしいでしょうか?
7月に乳がんの手術を受け、病理結果とともにCYP2D6のテスト結果も返ってきました。そこで注意(1と10)が出たので、フェマーラを勧められています。
私もこの結果次第でフェマーラを選ぶ事は納得していたのですが、患者会の皆さんから、フェマーラの副作用を聞いて、迷っております。
もちろん、フェマーラの効果がタモキシフェンより優れているのなら、フェマーラで治療を受けるべきなのですが、私の場合、先生だとどちらを勧められるでしょうか?
T1b 最大腫瘍径7ミリ
ルミナルA
ホルモン受容体Er、Pgrともに90パーセント
Ki67 5パーセント以下
組織学的悪性度2
リンパ節陰性、脈管侵襲無し
HER2 陰性
先生のQ&Aで、T1bだとほとんど再発しない。先生のご経験では記憶に無いほど、と拝見しました。それで、タモキシフェンからフェマーラの上乗せ効果はどれ位なのでしょうか?また、CYP2D6が注意だったので、腫瘍径に関係無くフェマーラにするべきですか?
閉経して、3年程になります。お返事よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 pT1b, pN0, luminalA
 脈管侵襲も無く、再発超低リスクと言えます。
 CYP2D6のテストですか。 
 まず、このサイトを見ていただいている「他の方が解り易いように」(当然質問者自身は担当医から説明を受けているとは思いますが…)CYP2D6について簡単に説明すると
 「タモキシフェン」はそのままでは活性が低く、「CYP2D6」により活性の強い「エンドキシフェン」に代謝されます。
 つまり「タモキシフェンが有効に作用」するためには「CYP2D6」が重要なのです。
 通常の遺伝子型であるCYP2D6*1アレルを持つ人に比べ、CYP2D6*3,*4,*5,*6アレルを持つ場合には
 酵素活性が完全に欠損、CYP2D6*10を持つ場合には酵素活性が低下することが報告されています。
 遺伝子多型には人種差があり、CYP2D6*4の割合は白人で約20%と高いが、日本字では1%未満とほとんど見られません。
 一方、CYP2D6*10の割合は日本人で約40‐50%と高いが、白人では1~2%とほとんど見られません
○ただ、私には「CYP2D6検査をしている」理由が不明です。
 「閉経して3年」であれば、最初から「タモキシフェンよりもアロマターゼインヒビター」を選択すべきです。
 質問者が「超低リスク」だから「タモキシフェンでもいいのでは?」という理由で測定しているのでしょうか?
 (推測ですが)
 大学病院などで、「研究目的での測定」ではないでしょうか?
 全く無駄な検査です。
 ●「CYP2D6の結果にかかわらず」閉経後であれば、「アロマターゼインヒビターにすべき」なのです。
 それとも…
 質問者自身が、「事前にアロマターゼインヒビターの副作用を知って、タモキシフェンにしたい」という考えから「CYP2D6試験を要望」したのかもしれませんね。

回答

「注意(1と10)が出た」
⇒「1は通常型」ですから「活性が低下している10」が問題となっています。
 (1と10)とはWt/※10と表記され(Wt:wild type 通常型)※10/※10(ホモタイプ)とは異なります。
 つまり質問者は両方が変異(ホモタイプ)しているのでは無く片側の変異(ヘテロタイプ)なのです。
 少数例の検討では ※10/※10(ホモタイプ)ではタモキシフェンの効果が不良だったが、Wt/※10ではWt/Wt(変異がないタイプ)と同等だという報告もあります。
 また冒頭にのコメントしましたが、「10は日本人の半数近く」に存在しており、日本を含むアジア人での検討が多くされていますが、「一定の見解が得られていません」
 
 
 これらを受けて乳癌診療ガイドラインでは『CYP2D6をタモキシフェン治療効果予測検査として調べる事は勧められない』C2となってます。
 
「タモキシフェンを辞める」事が正しい事なのか? 大いに疑問のあるところです。
 
「私の場合、先生だとどちらを勧められるでしょうか?」
⇒アロマターゼインヒビター(アリミデックス、アロマシン、フェマーラ)を勧めます。
 私であれば、「フェマーラではなく、(より副作用的に使い易い)アリミデックス」にします。
 ●閉経後には「タモキシフェンよりもアロマターゼインヒビターの方が有効である」事は間違いない事実なのです。
 「超早期だから、タモキシフェンにする」という事には反対です。※アロマターゼインヒビターが副作用でどうしても駄目ならば検討します。
 
「タモキシフェンからフェマーラの上乗せ効果はどれ位なのでしょうか?」
⇒2.7%です。
 
「CYP2D6が注意だったので、腫瘍径に関係無くフェマーラにするべきですか?」
⇒前述したように、Wt/※10ではあまり関係無いとは思いますが…
 そもそも「閉経後」というだけで「タモキシフェン」は選びません。



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