[管理番号:7056]
性別:女性
年齢:33歳
病名:乳がん
症状:術後の諸々について
田澤先生
こんにちは。
いつも拝見させて頂いております。
お忙しい中、無料でQ&Aを継続頂きありがとうございます。
質問をお願いします。
10月に全摘手術を終えました。
腫瘍以外にも小さな癌細胞が拡がっていたため
現在は放射線照射を受けているところです。
手術前には全身検査をしていないのですが、
放射線治療前に、計画のための単純CTを初めて撮りました。
①単純CTでも遠隔転移があった場合は分かるものでしょうか?
放射線の主治医に聞きづらく、何事もなく放射線がスタートしたということは転移の所見は無いと考えていいのでしょうか?
他に、リンパ郭清をしているからだと思いますが
日常生活の中で腕から手首の筋がピキーンと突っ張って痛い瞬間があります。
②これは時間が経過すれば治りますか?
たくさん動かした方がいいのか安静にすべきか教えて頂きたいです。
③妊孕性温存のため、タモキシフェン服用中に卵巣凍結をするという案についてどう思われますか?そのような患者さんはいらっしゃいますか?
以上です。
今年もお忙しい一年だったかと思いますので
お正月はゆっくりお休みになってリフレッシュされてください。
宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「手術前には全身検査をしていない」
→それでいいのです。
乳癌の初期治療の段階で「全身検索」など、極めて無駄な被爆となるだけです。
(医療経済的にも、本来規制されるべきでしょう)
「①単純CTでも遠隔転移があった場合は分かるものでしょうか?」
→わかりますが…
ただ「撮影範囲」しか解りませんよ?(あたり前ですが、胸部だけのCTだと思います。肺転移がないことくらいは解るでしょうが)
「転移の所見は無いと考えていいのでしょうか?」
→もちろん。(肺転移はないと考えても大丈夫です。 当たり前ですが)
ただし、「肝や全身の骨」は撮影範囲には入っていないでしょう。
「他に、リンパ郭清をしているからだと思いますが 日常生活の中で腕から手首の筋がピキーンと突っ張って痛い瞬間」
→血管炎です。
血管が「腋窩」を通った部位で炎症を起こし、末梢(そこから手の方へ)が硬くなるので、「突っ張ると痛い」のです。
「②これは時間が経過すれば治りますか?」
→その通り。
「たくさん動かした方がいいのか安静にすべきか教えて頂きたいです。」
→どちらでも構いません(時間で治ります)
「③妊孕性温存のため、タモキシフェン服用中に卵巣凍結をするという案についてどう思われますか?」
→全く、同意しません。
「そのような患者さんはいらっしゃいますか?」
→いません。
妊孕性を本気で気にするなら、妊娠出産してからホルモン療法を始めましょう。