[管理番号:3766]
性別:女性
年齢:35歳
はじめて質問致します。
現在妊娠11週、健診のエコー検査で指摘あり、先日細胞診を行い本日結果をききました。
細胞所見:N/C比増大、クロマチン増量を伴う異型乳管上皮細胞を集塊状~孤立性に認めます。
二相性を認める集塊では重積が強く、二相性不明瞭な集塊では配列不整や結合性の低下を認めます。
DCIS~invasive ductal
carcinomaを疑う細胞像ですが、背景に粘液様物質も認mucinous carcinoma
の混在も否定できませんでした。
これを読むと素人目には癌なんじゃ、、と思ったんですが、クラス3bから組織診で良性になることはあるのでしょうか?
なにより、気になるのが妊娠継続しながら治療できるのでしょうか?
組織診は3日後ですが、担当医には結果を待ってからすべて考えましょうと言われました。
それはわかってるつもりなのですが、
赤ちゃんを産みたくて落ち込んでいます。
なにせ初期なので中絶を勧められないか心配です。
癌じゃないかも知れないですが、望みが薄いような気がしています。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
クラス3自体は、あくまでも「良性所見」ですが、今回の「細胞所見」は非常に気になる内容と言えます。
「クラス3bから組織診で良性になることはあるのでしょうか?」
⇒勿論、あります。
ただし、今回の「細胞診の内容」は「クラスⅣ相当」である印象です。
きちんと決着を付ける必要があります。
「なにより、気になるのが妊娠継続しながら治療できるのでしょうか?」「初期なので中絶を勧められないか心配]
⇒十分早期であれば、「赤ちゃんが十分育ってから」手術という考え方も可能かもしれません。
質問者様から 【質問2】
以前管理番号3766で質問したものです。
あのあと、やはり乳ガンと診断されました。
現在妊娠15週ですので、妊娠16週をむかえるのを待ち、手術を行う予定です。
妊娠中のため、CT検査を行うことができません
(出産後改めて行う予定)
これまで、腫瘍マーカー、臓器(肝臓や肺)のMRI検査と、泡のような造影剤を使ったエコー検査(普通のエコーよりは、
詳しくみられると説明を受けました)を行いました。
しこりは脇に近いので、手術のときにリンパさわってみるよ、現時点ではエコーでは転移してないようにみえるけど、との先生のお話でした。
出産後に放射線治療、ホルモン治療予定です。
妊娠を継続することで後治療が遅れ、多少なりともリスクがあることも説明を受けました。
治療方法は、充分に説明をうけ、納得しています。
しこりは15ミリ、組織診断よりタイプはルミナルA、核グレード1、ki値7.3パーセントです。
先生に伺いたいのは、これまでのご経験から予想される、リンパ節や他転移の可能性です。
もちろん、正式にわからないのは承知の上なのですが、現時点では転移なしで、完治する可能性が高い見通しだと希望をもてる状況であると思っています。
見通しがあるからこそ、この治療方法を提案してもらったのですが、
経験豊富な田澤先生のご意見も伺いたいです。
これまでのQ&Aを熟読しましたが、みなさんCT検査後の手術でしたので、
自分も同じように考えてよいのか迷いました。
質問の内容をお答えいただくのに必要な情報を省略していたら申し訳ございません。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
私は産婦人科医ではないので、この点はコメントできませんが「器官形成期を過ぎて16w」を迎えれば全身麻酔の手術が胎児に影響は与えないとのことですね。
それであれば良かったです。
♯我々乳腺外科医は「胎児」についての知識に乏しいため、「妊娠期における全身麻酔の薬剤による胎児への影響」に及び腰となってしまいます。
それでは本題です。
「妊娠中のため、CT検査を行うことができません(出産後改めて行う予定)」
⇒そもそもCTなど「全く不要」です。
35歳の女性に「平気でCTを撮影」しようとする医師の「センス」を疑います。
♯ちなみに私は、(年齢にかかわらず)「術前も術後も」CTを撮影する事は一切ありません。(腫瘍が皮膚から顔を出すなどの極端な所見が無い限り不要です)
「これまで、腫瘍マーカー」
⇒腫瘍マーカーは(そもそも)無意味です。
術後に「再発の目安」として利用するだけです。
「しこりは脇に近いので、手術のときにリンパさわってみるよ」
⇒センチネルリンパ節生検は当然すべきです。
「妊娠を継続することで後治療が遅れ、多少なりともリスクがある」
⇒大した期間ではありません。
大丈夫です。
「しこりは15ミリ、組織診断よりタイプはルミナルA、核グレード1、ki値7.3パーセントです。」
⇒明らかに「大人しいタイプ」そして「早期」
○一歩タイミングを誤ると(妊娠、出産、授乳と受診が遠のきがちであり)発見が遅れるところでした。
その意味では「妊娠ちゅうとはいえ」早期発見できて大変幸運でした。
「予想される、リンパ節や他転移の可能性です。」
⇒リンパ節転移の可能性は(エコー上異常無であれば)5%以下と思います。
遠隔転移は「ありえません。0%」です。
○遠隔転移など考える必要は全くありません。
質問者様から 【質問3】
回答ありがとうございました。
納得し、安心しました。
来週早々に手術を控え、主治医には術前しか会えないと思われますのであと1つだけ質問させてください。
妊娠中は、センチネルリンパ節生検ができないらしいのです。
使用する薬剤が胎児に影響を与える可能性があるとのこと。
なので、エコー所見と、手術時にリンパを見に行く、と説明を受けました。
この方法だと、リンパ節転移はエコー所見以外には全く調べられていないことになるのでしょうか?また、その場合出産後に改めてセンチネルを行い、その後に放射線治療を行うことは可能なのでしょうか。
先生なら出産後どんな検査をされますか。
出産は予定日に普通分娩予定です。
先生のおかげで色々な迷いがクリアになりつつありますが、ここだけは心配の種です。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「妊娠中は、センチネルリンパ節生検ができないらしいのです。使用する薬剤が胎児に影響を与える可能性があるとのこと。」
⇒これはRIを用いた場合ですよね?
色素法(色素は少量でも大丈夫)なら問題ないと思いますが…(婦人科の先生に確認を)
「その場合出産後に改めてセンチネルを行い、その後に放射線治療を行うことは可能なのでしょうか。」
⇒つまり、手術時には(腋窩には手をつけず)「乳腺のみの手術」を行い、(出産後)後日「センチネルリンパ節生検のみ行う」ということですね?
可能ですが、ただ問題は(腫瘍の位置にもよりますが)「リンパ管のルートが(乳腺の手術の際に)切断されてしまう=センチネルリンパ節が同定できない」可能性もあります。
「先生なら出産後どんな検査をされますか。」
⇒何もしません。
前回も回答したように…
早期乳癌で「遠隔転移など考える」事自体、経験不足も甚だしい!(医師に対してのコメントです)
CTも骨シンチも不要です。
若年者は特に(そのような医師からの)「無意味どころか有害な」医療被曝から身を守りましょう。
質問者様から 【質問4】
管理番号3766の者です。
以前、手術前に質問させていただいた際はありがとうございました。
手術前にセンチネルをお願いしてみましたが、赤ちゃんへの影響を考え行わないとの主治医の判断で、エコー所見のみで、
手術を行いました。
病理の結果の中で、一部皮膚が焼けてしまっている部分にもガン細胞があり、
病理学上は断端陽性と言われました。
主治医の上司の判断では、とりきれていると判断して、このまま出産後(現在妊娠25w)に放射線治療でもよい、
と意見を言われたそうです。
主治医からは、一抹の不安も残さないために追加切除を勧められています。
出産後、追加切除をうけようと思っています。
今回の質問なのですが、
追加切除後、薬剤の影響を考え、二日ほど搾乳器を使って母乳をしぼり、
薬剤の影響がある母乳を捨てようと考えていますが、搾乳器は、消毒した後また通常の母乳保存のために使用してもよいのでしょうか、、、?(先生に質問することでなければ申し訳ありません)、また、放射線治療開始後は断乳するのですが、照射後、すぐに乳幼児と接して問題ないでしょうか?
自分で調べた限りでは、
外部照射であれば、影響はないと思っていたのですが、不安になってきました。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「搾乳器は、消毒した後また通常の母乳保存のために使用してもよいのでしょうか、、、?」
⇒全く問題ありません。
「照射後、すぐに乳幼児と接して問題ないでしょうか?」
⇒全く問題ありません。