[管理番号:1497]
性別:女性
年齢:33歳
お忙しいところ、大変失礼致します。
不安でご照会させていただきました。
1年ほど前から右胸に1センチほどのしこりがあり、1年前にマンモ、エコー、触診を行いました。
その結果、医師からは「心配するものではないため、特に精密検査もいらない」とのことでした。
そして、今年9月初めにまた定期健診をしたのですが、その際にまだしこりがあり、ずっと気になるので精密検査を申出し、細胞診をしていただきました。
その結果、“クラス3.異細胞あり・悪性の疑い”と書かれた結果がでました。
その際、医師は「通常クラス3がでた場合、もう少し太い針を刺して精緻な検査を行う」とおっしゃり、「ただ、少し期間をあけないとその検査ができないので、1か月ほどたったらまた来てください」とおっしゃいました。
そして先日1か月ほどたったので再度受診しましたが、エコーの結果「エコーで見る限りやはり悪いものではない、このまま経過観察しましょう」とのこと。
もともと、当初もエコーでは悪いところはないと言われていたが、念のための細胞診でクラス3という結果がでたのに、これ以上の検査は本当にしなくて良いのでしょうか?
「希望であれば次の精密検査(針生検)をします」とのことでしたが。
針生検をすることのリスクがないのであれば、針生検を行い白黒はっきりさせようかと思っております。
アドバイスいただければ幸いです。よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
私には、その担当医の診療は理解できません。
回答
「通常クラス3がでた場合、もう少し太い針を刺して精緻な検査を行う」
⇒これは「正しい」考え方です。
当然「組織検査」をするべきです。
「ただ、少し期間をあけないとその検査ができないので、1か月ほどたったらまた来てください」
⇒これは「明らかな誤り」です。
そもそも「その場で同時にできる」程度のものです。
「そして先日1か月ほどたったので再度受診しましたが、エコーの結果「エコーで見る限りやはり悪いものではない、このまま経過観察しましょう」
⇒はっ?
「通常クラス3がでた場合、もう少し太い針を刺して精緻な検査を行う」という前回のコメントは撤収ですか?
余程「針生検に敷居が高い」ようです。 私の感覚では「細胞診と大差ない」のですが…
「針生検をすることのリスクがないのであれば」
⇒リスクなどありません。
私にとっては「バネ式針生検」は「細胞診と全く同感覚」です。
♯マンモトーム生検は「もっと太い」し、「組織を大きく吸引」するので、「一晩、テープで圧迫」するし、料金も高めなので「症例を選ぶ必要」がありますが、(それでも、外来診療のまま引き続きやってしまいますが…)
「バネ式針生検は細胞診と殆ど同じ」感覚です。
組織診(バネ式針生検とマンモトーム生検の違い)についてはトップページの「乳癌検査」の中の「精密検査」の中の「組織診」や、「腫瘤非形成性病変」を参照してください。
○是非、組織診するべきです。
ただし、担当医の「針生検に対する敷居の高さ」が心配です。
♯「検査をすることに敷居が高い」とどうしても「その検査手技の習得が不十分と
なりがち(経験値が積めない)」なのです。
質問者様から 【質問2】
お忙しい中、ご回答いただき本当にありがとうございます。
先生にはっきりおっしゃっていただき、病院を変えて診ていただくことを決心しました。
実は、針生検を行いその結果がでるまでは今の病院を引き続き受診しようかと思っていました。ただし、担当医の説明があまりにも不十分だと感じるので、良性であればその後半年後くらいに別の病院で定期健診、悪性であればすぐに別の病院を受診しようと考えていました。
しかし、田澤先生のご意見をいただき、針生検ひとつでさえやり方によっては正しい結果がでないこともあるのだと思い、それであれば針生検から信頼できる医師にお願いしたいと思いました。
次の病院も田澤先生ほど信頼できる先生に出会えるかは分かりません。
ただ私は大阪在住なので東京に行くことは難しく、できれば大阪で信頼できる先生に診ていただきたいと思っています。
そこで、もし可能であれば大阪で信頼できる病院、もしくは先生をお教えいただけないでしょうか。
お忙しい中度々申し訳ありません。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
前向きに診療をされる決心には「賛成」です。
「もし可能であれば大阪で信頼できる病院、もしくは先生をお教えいただけないでしょうか」
⇒良く聞かれますが、「全く不明」です。
すみません。
大事なことは「医師自身が超音波をしている」
更に「針生検をすることに敷居が高く無い=積極的に針生検を行っている」
そのような医師に巡り合えることを願います。
質問者様から 【質問3】
先日細胞針をしてクラス3という結果がでたため、一か月後針生検を行う予定がエコーをした後に医師から「やはり悪いものではなさそう、経過観察したら?」と言われ針生検の要否について質問させていただきました。
田澤先生のアドバイスを受け、やはり針生検を行いました。(今まで診ていただいていた病院と同じ病院です)
当初2週間ほどで結果がでると言われていたところ、2週間たち「まだ結果がでてない(より詳しい検査にまわしているので)」と言われ、3週間ほどたったころに結果がでたとのことで病院に行ってきました。
病理検査の結果は細胞診の結果と同じような結果で診断確定まではいかずでした。
病理検査の結果が書かれたものが机の上に置いてあり、結果が欲しいと申出しましたが、不安を煽るだけなので渡していないとのこと。
ですので、なんとなくしか覚えていないのですが、“ほとんどが乳腺(?)だが、微量のatypical(この後に続く英語は覚
えていません)あり”
その下には“○日でatypical消失、検体微量につき不明”
というようなことが書かれていました。
そして、医師から摘出生検をすすめられました。ただし、自分が執刀するのは数か月先でないと予約がとれないとのこと。
他の病院での手術を検討中ですが、針生検でも診断確定されないということはよくあるのでしょうか。
今すすめられたように摘出生検するのが一番良いのか、そして摘出する場合は1時間ほどの局所麻酔での手術と言われましたが、通常そのような形になりますか。
アドバイスいただければ幸いです。
お忙しい中大変恐縮ですがよろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「“ほとんどが乳腺(?)だが、微量のatypical(この後に続く英語は覚えていません)あり”その下には“○日でatypical消失、検体微量につき不明”」
⇒この記載からは「サンプリングエラー」と考えた方がいいです。
「他の病院での手術を検討中ですが、針生検でも診断確定されないということはよくあるのでしょうか」
⇒良くはありませんが、「境界病変など、針生検でも診断がつかない」ことは「たまに」あります。
但し、今回はただの「サンプリングエラー」だと思います。
勿論「外科的生検」でも構いませんが(局所麻酔で1時間はかかりません。30分程度が普通です) 正しい診療のできる医師ならば「マンモトームで確定診」できると思います。