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治療のスケジュールについて

[管理番号:6198]
性別:女性
年齢:32歳
 
初めまして。
田澤先生のQ&Aを目にしてから毎日のように拝読しております。
 
私は、2/(下旬)に針生検を行い、3/7に乳がんであると診断されました。
大きな病院へ紹介状を書いていただき、3/(中旬)に触診、血液検査、尿検査、X線を撮りました。
 
3/(中旬)にCT、3/(下旬)MRI、3/(下旬)(〇)に全ての結果が出ます。
今わかっている事は、乳がんサイズは1.2cm、ホルモン陽性、HER2陽性 →ハーセプチンの適応あり
ただ、HER2の陽性・陰性は再度調べますとのことでした。
先生の見立てでは、①手術(温存) → 放射線治療 →抗がん剤+ハーセプチン →ホルモン療法か、
 
②術前化学療法 → 手術(温存) → 放射線治療 + ハーセプチン + ホルモン治療 でした。
私は①を希望しています。
悪いものは早く取り除きたいのです。
手術 → 放射線治療はあまり空白期間をあけずに行いたいのですが、
抗がん剤は8月頃から開始したいと考えています。
どうしても7月にやりたいことがあること、仕事の引継ぎもあり、抗がん剤治療に備えてそのように考えています。
 
手術は4月を予定しており、その間に放射線を入れても抗がん剤が始まるまで、術後から4か月が経過してしまいます。
無謀でしょうか?
 
癌の情報が少なく申し訳ないのですが、ご意見をいただければと思います。
また詳しい結果が出ましたら追記したいと思います。
 
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
 
「術後から4か月が経過してしまいます。無謀でしょうか?」
⇒あくまでも早期乳癌
 抗HER2療法は、あくまでも「再発予防」です。
 全く急ぐ必要ありません。
 問題ありません。
 
 

 

質問者様から 【質問2 治療スケジュールについて】

性別:女性
年齢:32歳
 
Invasive carcinoma
Nuclear grade 3(NA3,MC2)
ER:total score6=proportion score 4+intensity score 2 PgR:Total score 5=proportion score 3 +intensity score2
HER2 :3+
Ki-67 :40%
 
術前化学療法ではFEC療法を勧められました。
先生のニュアンスでは手術→放射線→抗がん剤より、術前化学療法→手術→放射線の方がいいように見受けられます。
 
私は手術を先行したいのですが、取ってしまうと抗がん剤が効くのかわからなくなる事もあるとの事で、家族は術前化学療法→手術がいいのではと言ってます。
手術先行より術前化学療法の方がメリットが大きいのでしょうか。
悪いものを早く取りたい気持ちもあり、迷ってます。
 
田澤先生の見解を教えていただけますでしょうか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
 
術前抗がん剤が好き(勧めたがる)医師の常套句は
1.術前に抗癌剤を行うと「効きが解る」
2.全身に散らばっているかもしれない癌細胞を先に叩く
上記1.2については全く無意味(そもそも、抗癌剤は再発予防で行うので「効きが解る解らない」のレベルの話ではない。リスクを下げるためにエビデンスのある治療を完遂するだけなのです)
 
あくまでも術前化学療法の唯一の適応は「小さくして温存」です。
質問者にとって(現状なら大きいため温存できないという状況であるが)「(抗癌剤で小さくして)何とか温存したい」という希望であれば、術前化学療法するのは一向に差し支えないですが、それ以外の(冒頭の1,2のような)理由で行うべきではありません。
 
「取ってしまうと抗がん剤が効くのかわからなくなる事もあるとの事で、家族は術前化学療法→手術がいいのでは」
⇒全く「誤った理由」です。
 抗癌剤の効果は(目に見える必要はなく)「(期待される)再発予防効果が重要」なのです。
 
「手術先行より術前化学療法の方がメリットが大きいのでしょうか。」
⇒「小さくして温存」以外のメリットはありません。
 
「田澤先生の見解を教えていただけますでしょうか?」
⇒私が「術前抗がん剤が嫌い」だと思われている節がありますが…
 そうではありません。
 あくまでも「正しい理由」で行われるべきだということです。
 シンプルに「小さくして温存」がご希望な場合にのみ術前抗がん剤の適応はあるのです。
 
 

 

質問者様から 【質問3 治療のスケジュールについて】

性別:女性
年齢:32歳
 
田澤先生こんにちは。
 
先日手術についてお伺いしたのですが、結果地元で受ける事となり、
お手を煩わせてしまい申し訳ございませんでした。
この場をお借りしてお詫び申し上げます。
 
術後の抗がん剤治療で田澤先生の見解を教えてください。
私のタイプは質問2で記載した通りです。
 
主治医よりホルモン受容体は中等度陽性でホルモン治療の適応あり、
HER2は3+、Ki67:40%なので、術後の抗がん剤はフルコースでとのこと。
FEC治療(5FU+エピルビシン+エンドキサン)3週間x4サイクル

ドセタキセル+ハーセプチン 3週間x4サイクル
術後にもっと詳しい結果が出るとは思いますが、私のタイプはルミナールBですか??
この段階で抗がん剤治療は上記コースが一番よいでしょうか?
少しでも副作用が軽く、同じように効果のある抗がん剤治療はありますか?
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
 
「術後にもっと詳しい結果が出るとは思いますが、私のタイプはルミナールBですか??」
⇒その通り。
 ルミナールB(HER2陽性)といいます。
 ♯因みにルミナールBにはルミナールB(HER2陰性)もあります。
 
「この段階で抗がん剤治療は上記コースが一番よいでしょうか?少しでも副作用が軽く、同じように効果のある抗がん剤治療はありますか?」
⇒病理結果次第ですが…
 非アンスラサイクリンレジメンがあります。
 TC+HER
 weeklyPTX+HER
 
 

 

質問者様から 【質問4 治療のスケジュール】

性別:女性
年齢:32歳
 
術後の抗がん剤治療で田澤先生の見解を以前教えていただきました。
術後病理の結果、浸潤癌の大きさは1.5cmで、充実線管癌でした。
ただ、切除断端陽性のため、今月末再手術を予定してます。
 
リンパ節に微小転移がありましたが、追加郭清なし、ステージ2a。
この結果でも田澤先生が提案していただいた抗がん剤は可能でしょうか?
私はお酒に弱く、一杯で顔や、首回りが真っ赤になります。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
 
「この結果でも田澤先生が提案していただいた抗がん剤は可能でしょうか? 私はお酒に弱く、一杯で顔や、首回りが真っ赤になります。」
⇒アルコールが使えないので
 TC+HERがいいでしょう。
 
 

 

質問者様から 【質問5 治療のスケジュールについて】

性別:女性
年齢:32歳
 
田澤先生
いつもお世話になっております。
 
抗がん剤TC療法について教えて下さい。
①TC+HERの場合、3週間に1回投与x4回で3~4か月で抗がん剤治療が終わるのでしょうか?
 
②TC+HERはFEC→ドセタキセル+HERのレジメンと効果は変わらないのでしょうか?AC療法との比較についてはネットから確認できたのですが、その他の療法で比較は見つかりませんでした。
 
③rTC療法について、ドセタキセルとシクロホスファミドの投与順序を逆にすることで、疲労や浮腫、末梢神経障害などの非血液毒性が軽減することができる、と乳癌学会2011で見ました。
実際の現場でrTC療法は行われているのでしょうか?また、投与順をシクロホスファミド→ドセタキセルの投与で、薬の効果は変わらないのでしょうか?
 
④抗がん剤による卵巣機能を低下させない為の対策薬はありますか?
ステージⅡaのトリプルポジティブですが、子どもを考えており、放射線→抗がん剤→ホルモン療法(2年)→妊娠・出産→ホルモン療法で考えています。
 
お忙しい中恐れ入ります。
田澤先生の見解を教えて下さいませ。
よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
「①TC+HERの場合、3週間に1回投与x4回で3~4か月で抗がん剤治療が終わるのでしょうか?」
⇒その通り、最初の3カ月で(所謂)抗癌剤との併用が終了し、その後の9カ月間はHER単独となります。
 
「②TC+HERはFEC→ドセタキセル+HERのレジメンと効果は変わらないのでしょうか?」
⇒直接比較試験はありません。
 
「実際の現場でrTC療法は行われているのでしょうか?」
⇒当院では普通に行っています。
 
「薬の効果は変わらないのでしょうか?」
⇒そう思います。
 
「④抗がん剤による卵巣機能を低下させない為の対策薬はありますか?」
⇒受精卵凍結をしましょう。
 それ以外はあてになりません。

 
 


 

質問者様から 【結果6 治療のスケジュールについて】

性別:女性
年齢:32歳
病名:充実線管癌
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]

田澤先生お久しぶりです。
毎回丁寧にご回答くださりありがとうございます。
経過のご報告です。
手術(2回)→放射線治療30回(60Gry)→抗がん剤が9月から始まりました。
先生の提案してくださったTC療法+HERを希望したのですが、私の担当医はトリプルポジティブ患者で、浸潤も1.5cmなので、AC(4回)+ドセタキセル+HER(4回)→HER(残8回)で進めた方がいいとなり、現在に至ります。
とりあえず半年間がんばります!
また疑問が生じた際には質問させてください。

<Q&A結果>

 
 

 

質問者様から 【質問7 治療スケジュールについて】

性別:女性
年齢:33歳
病名:
症状:

いつもお世話になっています。

またご質問させて下さい。

今月主人の転勤で、関東に引越す予定です。
まだ居住地が確定していないのですが、もし江戸川病院に近いところに引越しできれば、お世話になりたいと思っています。

現在、9月からAC療法×4回、ドセタキセル+ハーセプチン+パージェタ×2回終わった所です。
主治医は通院が大変だから、あと2回の抗がん剤が終わったら、転院先で残りの治療をやりましょうと提案いただきました。

主治医としては、残りパージェタ+ハーセプチンを14回、併せてホルモン療法を行い、経過観察の予定でした。

この様な患者でも、紹介状を持参すれば貴院で受け入れていただく事は可能でしょうか?その際、診察予約はお電話でお問い合わせすればよろしいでしょうか?

お忙しい中恐れ入ります。
ご教授下さいませ。

 

田澤先生から 【回答7】

こんにちは。田澤です。

当院ではリンパ節転移陰性では術後補助療法としてはpertuzumabは入れていません。
(つまりtrastuzumab単剤となります)
ただ「もし江戸川病院に近いところに引越しできれば、お世話になりたい」とあるので、まだ確定していませんね?

もしも「当院に近い場所に引っ越し」して、「trasutuzumab単剤でもいい」となった場合には一度外来を受診してもらうことになります。(「手術」でも「生検」でもないので秘書メールでの予約はできません)

 
 

 

質問者様から 【質問8 治療のスケジュールについて】

性別:女性
年齢:33歳
病名:
症状:

お世話になっております。

ご回答いただきありがとうございます。

リンパ節転移陰性では術後補助療法としてはpertuzumabは入れていません、との事ですが、私は術後の結果で微小転移がありました。
0.2mm、0.5mmです。

トリプルポジティブの術後補助療法で、ドセタキセル、ハーセプチンにパージェタ追加は、私の状態には過剰投与なのでしょうか??

 

田澤先生から 【回答8】

こんにちは。田澤です

誤解があるようなら訂正しなくてはいけません。

少なくとも日本ではpertuzumabの補助療法に制限(リンパ節転移陽性とかホルモン感受性陰性など)はありません。
この治療は、まだ始まったばかりなので施設によって適応は異なる状況と言えます。
(保険上の縛りは無いのです)

「トリプルポジティブの術後補助療法で、ドセタキセル、ハーセプチンにパージェタ追加は、私の状態には過剰投与なのでしょうか??」
→当院では、「trasutuzumab単剤」とするということであり、「他の病院が適応内で行っている治療を過剰だ」と批判するつもりはありません。