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今後の治療と妊娠

[管理番号:8062]
性別:女性
年齢:34歳
病名:若年性乳がん
症状:

初めまして。
ヨーロッパ在住で妊娠後期に乳がんが見つかり臨月の時に温存手術を受けました。

その後無事出産し、現在放射線治療、タモキシフェンを投与しています。

治療方針、検査内容が日本と異なるようで不安になり相談させて頂きました。

まず、乳がん発覚時は、妊娠中だったので、エコーと針生検、手術時にセンチネルリンパ節生検でリンパ節転移なしがわかりました。

術後2週間後に出産し、内臓の超音波検査と胸と脇のレントゲン、骨シンチで転移なしが確認されステージ1と診断されました。

pT1c, pN0 (sn)(0/2)(I-), L0,V0,G2,R0,M0
ER2, PR8, Her2neu negativ
腫瘍18mm
浸潤性乳管癌
リンパ節転移なし
リンパ管血管転移なし
遠隔転移なし
グレード2
ki67 20%
オンコタイプDX結果 スコア19
9年間再発リスク 6%
抗がん剤上乗せ効果 <1%

①日本ではマンモグラフィー、MRI、CT検査、PET検査をするようですが、追加で検査する必要はないのでしょうか。

②ホルモン療法として最低5年のタモキシフェン投与、出来れば10年と言われましたが、リュープリン投与の事は言われていません。
セカンドオピニオンでも言われませんでした。

妊娠中だったので生理がまだ再開していないから必要ないのでしょうか。
生理が再開したら投与すべきなのでしょうか。

③第2子を希望する場合、タモキシフェン投与2年もしくは3年か5年後、休薬して妊活しても良いと言われています。

第2子は諦めて10年タモキシフェンを飲むべきなのか悩んでいます。

今生まれたばかりの子のために長生きしなければという気持ちと兄弟を作ってあげたいという欲が出てしまっています。

私の病理結果から、再発リスクと年齢と妊娠する可能性を考え、先生でしたらどのように診断されますか。

御回答どうぞ宜しくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「①日本ではマンモグラフィー、MRI、CT検査、PET検査をするようですが」
→ある種の病院ではしているようですが…

 私は一切しません。(特に30歳代でそれらを行うことは)妊娠希望があるかどうかは別にしても、間違いだと思います。

「追加で検査する必要はないのでしょうか。」
→不要(上記)

「②ホルモン療法として最低5年のタモキシフェン投与、出来れば10年と言われましたが、リュープリン投与の事は言われていません。
セカンドオピニオンでも言われませんでした。
妊娠中だったので生理がまだ再開していないから必要ないのでしょうか。
生理が再開したら投与すべきなのでしょうか。」

→その通り。
 年齢的には行うべきです。

「③第2子を希望する場合、タモキシフェン投与2年もしくは3年か5年後、休薬して妊活しても良いと言われています。

第2子は諦めて10年タモキシフェンを飲むべきなのか悩んでいます。

今生まれたばかりの子のために長生きしなければという気持ちと兄弟を作ってあげたいという欲が出てしまっています。

私の病理結果から、再発リスクと年齢と妊娠する可能性を考え、先生でしたらどのように診断されますか。」
→妊娠出産希望ならば…

 先にホルモン療法を無理して行うことなく 妊娠出産授乳→ホルモン療法 とします。(妊娠出産はリスクを上げません)

「あるあるQ]14『術後の妊娠出産と治療についてお悩みの方は、管理番号5903『術後の治療と妊娠、出産について』をまずはご一読ください。』をご参照ください。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

今後の治療と妊娠
性別:女性
年齢:34歳
病名:
症状:

ご多忙の中、御回答をありがとうございます。

海外での治療で心細い中、先生からコメントを頂けて本当に嬉しく思います。

リュープリンは投与すべきとの事、次回の検診で伝えてみます。

リュープリン投与は生理が再開したらすぐにした方が良いのでしょうか。
もしくは生理開始前から始めた方が効果があるのでしょうか。

また第二子希望でリュープリン、タモキシフェン投与後の休薬で妊活をする場合、妊娠力は低下してしまうのでしょうか。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「リュープリン投与は生理が再開したらすぐにした方が良いのでしょうか。」
「もしくは生理開始前から始めた方が効果があるのでしょうか。」

→再開してからでいいでしょう。(急ぐ必要はありません)

「また第二子希望でリュープリン、タモキシフェン投与後の休薬で妊活をする場合、妊娠力は低下してしまうのでしょうか。」
→その可能性はあります。

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

今後の治療と妊娠
性別:女性
年齢:35歳
病名:
症状:

先日はご多忙の中、御回答ありがとうございます。

いくつか気になる点があり再度ご相談させて頂きました。

術後の病理検査の結果、部分切除の断片陰性で再手術の必要なしと口頭で説明を受け、放射線治療まで終えたのですが、届いた診断書には、断片に<1mmのDCISと記載されています。
これは再手術しなくても良いのでしょうか。

また前回回答頂いたリュープリンの投与ですが、生理が開始してからで遅くないとの事、万が一タモキシフェンの副作用で生理が再開しない場合は投与しなくても良いのでしょうか。

現在産後4カ月が経ちますがまだ生理は来ていません。

また、第二子を希望する場合、何年くらい休薬しても良いものなのでしょうか。
やはり2年までと期間を決めた方が良いでしょうか。

私の場合、ステージ1とは言え腫瘍径が18mmと大きめ、オンコタイプ結果も19と中間リスク、またグレード2なのでリスクは高いでしょうか。

先生の御見解をお伺い出来れば幸いです。
どうぞ宜しくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「術後の病理検査の結果、部分切除の断片陰性で再手術の必要なしと口頭で説明を受け、放射線治療まで終えたのですが、届いた診断書には、断片に<1mmのDCISと記載されています。
これは再手術しなくても良いのでしょうか。」

→主治医の判断(再手術の必要なし)は覆す根拠はありません。(どうしても不安なら、再度主治医と話し合うべきでは?)

「また前回回答頂いたリュープリンの投与ですが、生理が開始してからで遅くないとの事、万が一タモキシフェンの副作用で生理が再開しない場合は投与しなくても良いのでしょうか。
現在産後4カ月が経ちますがまだ生理は来ていません。」

→(前回、回答したように)
 急ぐ必要はありません。

「また、第二子を希望する場合、何年くらい休薬しても良いものなのでしょうか。
やはり2年までと期間を決めた方が良いでしょうか。」

→そんな決まりはありません。
 
 (最初から何年ではなく)「1年ごとに」考えるべきことでしょう。

「私の場合、ステージ1とは言え腫瘍径が18mmと大きめ、オンコタイプ結果も19と中間リスク、またグレード2なのでリスクは高いでしょうか。」
→?
 OncotypeDXの結果に『9年間再発リスク 6%』 とありますよ。 (十分低いと思います。)