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治療方針について

[管理番号:8370]
性別:女性
年齢:80歳
病名:浸潤性小葉がん
症状:
投稿日:2020年3月12日

80歳の母親の今後の治療方針について、田澤先生のご意見を伺いたいです。

手術を2月(下旬)日にして、3月(中旬)日に病理の結果が出ました。

その結果、
腫瘍が4.2cm、癌の広がりが8cm、腋窩リンパ節転移が6個、
脈管湿潤の有無が広範囲にある、組織学的グレードが3、
Her2は陰性、ホルモンErが30%、PgRが0%、ki-67が50%でした。
ルミナールB、ステージⅢAです。

治療については、主治医からは、6カ月の抗がん剤による治療、
その後、放射線による治療が1カ月、ホルモン治療が5から10年とのことでした。

知識がないので、抗がん剤の必要性やその種類について教えてください。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

◎この件に関しては「あるあるQ]の『高齢者に術後抗がん剤すべきか?については「8370 治療方針について」をご参照ください。』を是非、ご参照ください。

「主治医からは、6カ月の抗がん剤による治療、
その後、放射線による治療が1カ月、ホルモン治療が5から10年とのこと」

⇒これは、年齢を度外視すれば(70歳以下なら)標準的な治療と言えます。

ただし、術後補助療法は「効果と有害事象のバランス」で成り立っています。

★術後補助療法としての化学療法のエビデンスは基本的に70歳以下で成り立っています。(臨床試験の対象年齢)
 無論、70歳以上で(術後補助療法=再発予防としての)抗がん剤をやってはいけないわけではありません。

★★それでは乳癌診療ガイドラインではどうか?
 臨床試験が「65歳以上を高齢者」として、標準治療を推奨する(推奨程度は弱~強まで合意を得ず)となっています。

以上より、「80歳で標準治療をすべきか?」という明確な解釈はなく、医師による裁量で行われているのが現状です。
同じ80歳でも「健康で元気な80歳」「いろいろな持病を抱えた80歳」一律にはできないからです。

★★★参考のために
 私であれば80歳では(術後補助療法=再発予防としての)抗がん剤は行いません。(再発した場合は別ですが)
 もしもやるとしたら、それは「ご本人、ご家族が強く希望した場合」限定となります。(因みに、私の長い歴史の中で75歳以上で術後補助療法として抗がん剤をしたことは一度もありません)

 特に質問者(の母)は全摘してホルモン感受性陽性なので、(放射線もせずに)ホルモン療法単独とします。

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