[管理番号:2171]
性別:女性
年齢:43歳
11月に右部分切除をして放射線治療中の者です。
不安で色々検索をしていたところ、このページをみつけ精神的に乗り越えられたことも多かったです。
感謝しています。
やっと精神的にも落ち着いたと思っていたのですが、
逆側(左)乳首2センチ上に3ミリ程の血豆のようなものが出来ています。
触ると皮膚が盛り上がっていますが右乳癌時のようなシコリはありません。
手術前からあったと思いますが、11月のエコーでは陰性であり、その時は盛り上がりはなく、もっと小さかったと思います。
その時点では主治医とは話していません。
乳がんの可能性は高いでしょうか?
また乳腺外科ではなく皮膚科の受診が先でしょうか?
主治医へも質問をしたのですが、触診後、来月にもう一度…とのことでした。
来月の診察で本当に良いのか不安になり、
先生の経験からお話をお伺いしたく質問させていただきました。
宜しくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「逆側(左)乳首2センチ上に3ミリ程の血豆のようなものが出来ています。触ると皮膚が盛り上がっていますが右乳癌時のようなシコリはありません。」
⇒これは、ただの「皮膚のでもの」です。
おそらく、(時々見るのですが)「赤いポチンとした点状のもの」だと思います。
いずれ、心配ありません。
「乳がんの可能性は高いでしょうか?」
⇒違うと思います。(一目見ればはっきりしますが)
「また乳腺外科ではなく皮膚科の受診が先でしょうか?」
⇒本当は「主治医が一目見て、大丈夫」と言うべきですが…(そうでは無いようなので)
○「皮膚科を受診」して早いうちに、「心配から解放」されることを願いします。
質問者様から 【質問2】
田澤先生、回答ありがとうございました。
気持ちが前向きになり安心しました。
大変恐縮ですが、もう1つ別に質問させて下さい。
私は11月に右乳房を部分切除をして
病理検査は、3つの病巣があり下記の通りでした。
①26×16×21mm 充実腺管癌
grade2 ly(-)v(-)f
ER陽性(score3b) PgR陽性(score3b) HER2
(score2+)
ki-67 33.1%(hot spot)
②主腫瘤の尾側 7×4×2mm 乳頭腺管癌
grade1 ly(-)v(-)f
ER陽性(score3b) PgR陽性(score3b) HER2
(score0)
ki-67 20.1%(hot spot)
③頭側皮膚 異型細胞増殖
grade1 ly(-)v(-)f
ER陽性(score3b) PgR陽性(score3b) HER2
(score1+)
ki-67 24.5%(平均値)
この場合、先生であれば
今後の治療方針をどのように診断されますか?
現在は、下記治療方針になっています。
1月から放射線治療(50グレイを25分割、10グレイを5分割)
ホルモン治療(10年)
タモキシフェン20mg
リュープリン注射 月1回(様子をみて3ヶ月に1回になるとのこと)
実は副作用が出ています。
症状は、動悸、ホットフラッシュで注射後(2回終了)が強く出ます。
とくに動悸は、入浴後に鏡で鎖骨の下がドキドキしているのがわかります。
主治医は「そのうち落ち着いていきます」とのことでしたがそのようなものでしょうか。
また注射は、どのくらいの期間必要ですか?
子宮筋腫と卵巣のう腫で経過観察でもあり、
ホルモン治療については、とても気になるところです。
手術前の針生検では、非浸潤癌でしたが、
実際は違っていて私は早期ではなく再発の可能性が高いでしょうか?
「再発した時は全摘がいいですよ」との主治医からの説明があり、気になっています。
今後何か問題があったときには、先生のところで一度診察していただこうと考えております。
宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
pT2(26mm), pN0?(リンパ節の記載はありませんが、センチネルリンパ節生検は当然し
ていますよね?)
「この場合、先生であれば今後の治療方針をどのように診断されますか?」
⇒luminal Bだから「TC療法の提案」は行います。
ホルモン療法は「タモキシフェン単剤」です。
化学療法による「上乗せ効果」は7%程度となります。
『主治医は「そのうち落ち着いていきます」とのことでしたがそのようなものでしょうか。』
⇒その可能性は高いです。
「また注射は、どのくらいの期間必要ですか?」
⇒St.Gallen 2015では「5年投与」の意見が多いようですが、「まずは2年」と提案します。
「実際は違っていて私は早期ではなく再発の可能性が高いでしょうか?」
⇒そんなことはありません。
早期乳癌です。
『「再発した時は全摘がいいですよ」との主治医からの説明があり、気になっています。』
⇒この「再発」とは「乳房内再発」のことです。
○質問者だけでなく、全ての「温存後の乳房内再発」は当然「全摘」です。
再温存後には「再度、放射線照射ができない」からです。
質問者様から 【質問3】
先生、ご回答ありがとうございます。
リンパ節は、0/4であるため、化学療法は行わないとの説明でした。
実は、先生のページよりサブタイプがあることを知りました。
そして、luminal Bだと先生の回答で、自分がBであるとはっきりしました。
ステージについても自分から主治医への質問で「ステージⅡaです」とのことでしたがこれは間違いないでしょうか…
すでに術後であり、放射線治療中ですが、
一度先生に診察(セカンドオピニオンになるでしょうか)していただきたいのですが、可能でしょか?
可能な場合、今、手元には術後の病理検査(文字のみ1枚)と血液検査結果しかありませんがこの資料だけでも可能ですか?
できたら市川の方が出やすいのですが、もし混雑している状況であれば江戸川病院へ行きます。
先生に感謝しています。
このページは、私にとって精神面でも救われています。
病気のことではないコラム記事では、病気のことを忘れて気分が明るくなりました。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「リンパ節は、0/4であるため、化学療法は行わないとの説明」
⇒勿論(担当医は)「ルミナールタイプであることを認識」した上でだとは思いますが…
未だに治療方針の際「サブタイプ」よりも「リンパ節転移の有無を重視」する医師もいます。
『「ステージⅡaです」とのことでしたがこれは間違いないでしょうか』
⇒その通りです。
pT2(26mm), pN0, pStageⅡAです。
「一度先生に診察(セカンドオピニオンになるでしょうか)していただきたいのですが、可能でしょか?可能な場合、今、手元には術後の病理検査(文字のみ1枚)と血液検査結果しかありませんがこの資料だけでも可能ですか?」
⇒内容にもよります。
「今後の治療方針」についての意見であれば「セカンドオピニオン」となります。
「対側乳房を含めて、現時点で異常はないか?」というのであれば「診察」となります。
資料は「画像所見」と「病理結果」となります。