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治験を勧められてます。

[管理番号:436]
性別:女性
年齢:50歳
始めまして。
乳がん浸潤性 Her2陽性 ホルモン陰性 しこり1センチ 触診等で、わからない。
主治医からneo peaks 治験を勧められました。 MRI 骨シンチ CT 転移なし。
次回、センチネルリンパ節手術予定 その後術前科学療法で、治験の予定に不安があります。
今の状況での治験参加はお勧めでしょうか?
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 JBCRG-20(Neo-Peaks)医師主導治験についてですね。
 おそらく、「分厚い、治験へのご協力」のような冊子を渡されただけで、(理解が得られるほどの、詳しい説明は無しに)「何が何だか解らない」状況なのだと思います。

回答

「Her2陽性 ホルモン陰性 しこり1センチ 触診等で、わからない」
⇒私がお勧めするのは(常識通りの)
 「乳房温存術+センチネルリンパ節生検」⇒(最大浸潤径が5mmより大きければ)術後「ハーセプチンを含んだ化学療法」です。(無論、温存乳房照射は必ず行います)
 「治験ではなく、(上記、一般的な) 手術⇒ハーセプチン+化学療法 をお勧めしている理由」は以下の通りです。

  1. 質問者がかなりの「早期」である点
     ⇒「非触知で画像上1cm」であれば、「浸潤径が5mm未満」という可能性も十分あります。
     浸潤径が5mm未満ならば、NCCNのガイドライン(アメリカの権威のあるガイドライン)では(ハーセプチンを含んだ)「化学療法の適応がありません」
     ★たとえ、「浸潤径が5mm以上だとしても」十分早期なので、Neo-Peaksで使用する薬剤(ドセタキセル, カルボプラチン, トラスツヅマブ, ペルツズマブ, エムタンシン)は「かなりの過剰投与」ではないかと思います。
     
  2. 術前化学療法の「絶対的適応」ではない点
     ⇒本来、『術前化学療法は生命予後を改善しない』とは説明されているでしょうか? 化学療法は「術後」でも「何ら支障は無い」のです。
     ○本来の「絶対的適応」は『化学療法で腫瘍を小さくして、温存する』ことです。
     質問者の場合には当てはまらない(当然、化学療法などしなくても、普通に温存できる)のです。

 

治験とは

 無論、治験に参加していただく方の協力があってこそ、「薬剤の効果が確認」され「新たなエビデンスが生まれ」、「ガイドラインが改訂⇒多くの患者さんの利益となる」ことは重々承知しています。
 ただ、「治験に参加する事が、患者さんの為になるのか?」という視点が今回は不足しているように思います。
◎「質問者のような早期乳癌患者さん」にとっては、「この臨床試験に使用する薬剤」は明らかに過剰投与(不必要)となると思います。
 
 それでは「どのような患者さん」が、この治験に参加することも許容されると考えられるか?というと
「腫瘍径が大きい」「リンパ節転移が複数明らか」などで「ハイリスク」の方であれば、「この試験で用いる強力な薬剤」も「患者さん本人のためになる可能性」が十分にあります。
 ★「(断定ではなく)本人のためになる可能性」といっているのは、『治験とは、そこが確定していないからこそ、その点を確認する』事が目的なのです。
 
◎「治験をする側」から見れば、(質問者のように)「早期であれば、いいデータがとれる」という見込みもあるでしょうが、「患者さん側に立った視点」に欠けていると、私は思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生様へ 
管理番号436です。ご丁寧に解りやすいご返信をありがとうございました。
この質問をさせていただいてから、2ケ月ほど経過しました。メッセージを毎日のように見ておりましたが、どうゆう訳か先生からの返信がないものと勝手に思っていました。治験関係の質問は失礼な事とご返信を諦めていましたら、偶然別のアクセスで田澤先生からのご返信を頂いていたことを確認いたしました。
実は、先月、センチネルリンパ節手術を受けました。結果は転移なしとのことでした。腕にポート埋め込み術も完了し抜糸を終えたところです。
治験は来月早々とのことで待機中です。
先生のご返信で、正直 動揺しています。何故なら自分の身体ですから。(涙)
先生の貴重なご意見に涙でした。
この先の事を
方向性を考えてみたいとおもいます。
先生、ありがとうございます。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 「腫瘍径1cm」という早期乳癌で行うべきではないと思います。
 担当医は「治験患者さんのエントリー欲しさ」で勧めているのでしょうが、きちんと「患者さん一人一人の状況を考慮」しているのでしょうか?
 この治験で明らかにすべきは、「ある程度のリスクがあるHER2陽性患者さんに、ドセタキセル, カルボプラチン, トラスツヅマブ, ペルツズマブ, エムタンシンなどの薬剤を用いる事の有用性」であるべきです。
 質問者のような「従来の補助療法で十分に再発リスクの低い患者さんは対象にすべきではない」と私は思います。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生様
その節はご丁寧な返信を頂きまして、ありがとうございました。
たくさんの乳がんの質問に対して、実名で返信されている事に、感銘を受けています。
私は、先生からの回答を胸に、思い切って主治医にぶつかりました。
先生のブログを読まれたと言っておりました。
そして、田澤先生の言ってる事は、その通りですと言ってました。
けれど、私には、治験をする
価値があるのだと。おっしゃいました。
1回目のスタートを切りました。
今、私は、田澤先生に心より感謝を申し上げます。
大きな支えになりました。
ありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
残暑厳しいので、ご自愛くださいますように。



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