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乳房・脇・肋骨の痛み

[管理番号:1243]
性別:女性
年齢:36歳
8月初旬より右胸に痛みがあり、自分で触ってみたところしこりがあったため、
生理の終了を待ち、8月末に乳腺外科で診察してもらいました。
その際、触診とマンモグラフィーとエコーを行っていただき、
エコーで6ミリのしこりがあることが分かりました。(全部医師がやって下さいました)
診察してくださった先生のお話だと95%良性だと思うが、
一応針生検をしましょうとのことで、
その3日後には針生検を行い、結果「線維腺腫」とのことでほっとしていました。
(線維腺腫と分かったのは9月初めです。)
しかしその後も右胸がチクチクするような痛みがあったり、
右脇の下にうっすら肉がついたような違和感があったり、
右側肋骨のあたりが痛いような感じがします。
線維腺腫でもこういった痛みはあるものなのでしょうか?
また、触診・マンモグラフィー・エコー・針生検まで行ったのに、
見落としということはありますか?
診察して頂いた先生は専門医であり、信頼していますが、
最近の芸能人の方の病状を聞いて不安になったというのもあり、
お忙しいところ申し訳ありませんが、質問させていただきました。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「乳癌と痛み」について、誤解されているような気がします。
最近、「芸能人の件」の影響で「乳房痛を主訴」として受診される方が急増しています。
皆さん、「痛いから乳癌ではないか?」と心配されています。
受診される事は、全く構わないのですが、皆さん「癌で無くても痛むのですか?」と
いうような反応をされていることに驚かされています。
『癌でも痛むことがある』けど、「乳房痛の原因として乳癌を真っ先に考える乳腺外
科医は皆無」でしょう。
つまり、「乳癌は、通常痛みはありません」…もしも乳癌が「虫歯のように」痛みの
症状を出してくれれば「乳癌検診など不要」かもしれません。
癌が自ら「ここに、ありますよ」と教えてくれたら、どんなに都合がいいことか!
ただ、注意点としては「乳癌でも痛みを伴うことがある」という点です。
 「痛いから、乳癌ではない」わけではないのです。
○結論をいうと「乳房痛の原因の圧倒的1位は乳腺症(女性ホルモンによる刺激)」です。
 また、「痛みがあるしこり」であれば「乳腺症結節」もしくは「線維腺腫」を考えます。
 線維腺腫は「痛みの原因」となり易い腫瘍と言えます。

回答

「線維腺腫でもこういった痛みはあるものなのでしょうか?」
⇒線維腺腫で痛むことは「むしろ当然」です。
 冒頭のコメントでご理解いただけたでしょうか?
 むしろ「痛みのあるしこり」であれば「線維腺腫の方が圧倒的に多い」のです。
(乳癌で痛むことも、あることはありますが…それに比べれば頻度は圧倒的に少ない
です)
 「痛みがあるから、乳癌かもしれない」などと考える乳腺外科医はいません。
 
「触診・マンモグラフィー・エコー・針生検まで行ったのに、見落としということは
ありますか?」
⇒私に、その担当医の検査の「精度」を判断することはできませんが、「積極的に針
生検を行う」姿勢からは、信頼できると思います。
 
○「乳癌」を「痛み」と関連付けるのは、あまりお勧めしません。(痛むから、乳癌
では無いとはいいませんが…)
 乳癌は「しこり」と関連付けるようにしてください。