[管理番号:6945]
性別:女性
年齢:44歳
病名:
症状:自覚症状なし
田澤先生
このような場を設け、また、大変な労力をかけられご継続いただき、感謝申し上げます。
2年前母が乳がんとなり大変混乱しましたが、コラム・QA等拝読し前向きになることができました。
乳がんプラザは、患者目線で病気への理解を深めることができる唯一無二の場だと思います。
私自身の話ですが、10月中旬会社の検診(毎年マンモとエコーを受けています)にて左胸構築の乱れ(マンモ・カテゴリー3 )、要精密検査となり、11月上旬総合病院乳腺外科を受診しました。
そこで技師の方のエコーを受けましたが所見なく、先生が検診のマンモも見て「ひきつれがあるが、そもそも再現性があるのか疑問。ただし変化はあるので3ヶ月後マンモをとりましょう。」となりました。
田澤先生がいつもおっしゃる超早期発見を見逃すことにならないかと心配になっています。
今の段階で生検までの必要はあるんでしょうか?
もう1点、前から疑問に思っていたのですが、非浸潤ガンでも広がりがあり全摘となる場合もあるようですが、広がりがない・シコリを作るタイプとはそもそも別物という理解になるのでしょうか?
広がりがある非浸潤ガンはシコリを作るようになっても広がりはあるままなのでしょうか?
過去同じような質問があったかもしれませんが、宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「構築の乱れ」は「局所的非対称性陰影」と同様に「偽陽性(本当は正常なのに、異常と指摘されること)が多い」所見ではあります。
ただ「要生検」なのだから(技師ではなく)医師が自分自身で納得いくまでエコーすべきでしょう。
そして、それでも気になるなら「MRI(これは質的診断ではなく、存在診断目的となります)」をするのがbestだと思います。
「今の段階で生検までの必要はあるんでしょうか?」
→生検は「ターゲット」が無い限りできません。
現時点では「ターゲットがない(そもそも病変が無いのでは?)」という状況です。
★生検はエコーで「ターゲット」が確認されて初めて行うことができるのです。
「ターゲットが(そもそも)あるのか?」それを詰めるのが「医師自身によるエコー」であり、「MRI」なのです。
「もう1点、前から疑問に思っていたのですが、非浸潤ガンでも広がりがあり全摘となる場合もあるようですが、広がりがない・シコリを作るタイプとはそもそも別物という理解になるのでしょうか?」
→どちらも癌です。
単に(浸潤しないまま)長期間乳管内を拡がった場合には前者となるし、比較的早めに浸潤すれば後者となります。
「広がりがある非浸潤ガンはシコリを作るようになっても広がりはあるままなのでしょうか?
→想像してください。
癌細胞が乳管内を拡がっていく姿を。
そして、(いずれは)その中で複数個所で浸潤しはじめ、(その複数個所で)「しこりを形成」するさまを。
★しこりを作った(浸潤した)からといって、それまでに拡がってきた「乳管内の癌細胞が消える」と思いますか?? つまり答えは「広がりがあるまま」です。