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カテゴリー 4 石灰化

[管理番号:43]
性別:女性 
年齢:37歳
右側乳がんの手術を受け、これから治療(放射線治療・ホルモン療法)に入りますが、左にカテゴリー4の石灰化があります。
主治医から、マンモやエコーの画像や、手術前に行った造影MRIから石灰化については異常なしと説明を受けました。その際は納得していましたが、今さらながら癌ではないのかと不安になっております。
設備を見てみると、エコー下マンモトームはあるようです。
このような状況で、患者としてはどうすべきでしょうか。
(治療が始まるので経過観察をする、主治医に不安を伝え別途検査を行ってもらう、など)
右側乳ガンは早期に発見されましたが浸潤がんでした。左はこの段階で見つけていただきたいです。
 

A.回答

 こんにちは。田澤です。
 大変ご心配だと思います。
 このような不安を与えるのは、医療の本質ではありません。
 患者さんの不安を解消するのも、医療の重要な面です。
 それでは、回答します。

回答

 ステレオガイド下マンモトーム生検のある施設へ是非、紹介してもらってください。
 「カテゴリー4の石灰化」で組織検査をしないということは、私には全く理解できません。
 私の過去の石灰化に対するステレオガイド下マンモトーム生検の1084例のデータでは、実に46%が癌でした。 
※ ステレオガイド下マンモトーム生検についての私のデータは、「トップページ」の中の「乳癌の検査」の中の「マンモトーム生検」を参照してください。
 
 是非、ステレオガイド下マンモトーム生検をしてもらってください。(その病院に無いのであれば、ステレオガイド下マンモトームがある施設へ紹介してもらってください)
 不安をかかえたままでいてはいけません。
 主治医にその旨をお話すれば、解ってくれるはずです。
 エコー下マンモトーム生検は、その代りとは決してなりません。
 
 

参考にしてください

 「エコーや造影MRIで所見が無い」ことは「その石灰化が癌で無い」とは、全く異なります。そのような考えでは本当の早期発見はできません。
 私は(エコーやMRIで所見がない)石灰化をステレオガイド下マンモトーム生検で数多く診断してきました。 
 その数多くの経験から言わせてもらえれば、
 ◎エコーやMRIで所見が無い場合は、たとえ癌であっても「非浸潤癌」であることが圧倒的に多く、この時期こそ本物の「早期発見のチャンス」です。
 早期発見に勝る治療はありません。
 
※ステレオガイド下マンモトーム生検の無い施設では石灰化の診療をすべきではありません。
 
 

 

質問者様より 【質問2】

田澤先生
お忙しいところ回答いただきありがとうございます。
再度質問させてください。
 
●これからステレオガイド下マンモトーム生検を受けることで、右側乳がんの治療が遅れるのではないかとの不安がありますが、治療よりも、確定診断を受けることが自分自身の命を守ることだと考えてよろしいでしょうか。
 
 

田澤先生より 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 ご本人の「右側の治療が遅れるのではないか?という不安」は大変よくわかります。
 今回は「治療が遅れない」ためにはどうすればよいか?というタイミングについても解説しました。
 それでは回答します。
 

回答

 左の石灰化のステレオガイド下マンモトーム(以下、ST-MMTと略します)を先に受けるべきです。
 (右側の)放射線照射が終了してからとなると、2カ月近く先となるし、そこからST-MMTを受けて(もし、癌だと判明しても)手術までに3カ月以上にはなるからです。
 
 また右側の放射線治療を先行してしまうと、めったにはありませんが有害事象である「放射線肺臓炎」となる可能性もあります。
※放射線肺臓炎は、極めて低頻度(1%以下)であり、しかも「照射後半年後位に発症」が多いのですが、万が一放射線肺臓炎となってしまうと、(左側の)手術が大幅に延期されてしまいます。
 頻度は低いながらも、放射線照射を先行させることによる(その後の治療に影響を及ぼす)リスクは頭に入れておかなくてはなりません。
 
 と、いうことで(右側の)放射線照射を先行させることには賛成できません。
 但し、「タイムスケジュール」を考えなくてはなりません。
 もし(左側が)癌だった場合に、全て(現時点から、ST-MMT受ける⇒結果判明⇒手術まで)が1カ月以内に収まるようにすべきです。
 
※温存術後の放射線照射は手術後遅くとも「5か月以内に開始すべき」と言われています。
 私は照射開始は「術後1カ月」としていますが、放射線科の事情(放射線治療装置の予約状況)により実際には「術後1カ月半~2カ月で開始」となっています。
 また、患者さんから「旅行に行ってから開始したい」とか「娘さんの結婚式が終わってから開始がいい」などの相談を受けた際には「術後3カ月以内の開始」ができれば全く問題ないと思っています。
 多くの乳腺外科医が術後照射のタイミングについてはそのような感覚を持っています。
 
●現時点であなたの「術後経過日数」が不明ですが、先のメールの「これから放射線治療や内分泌療法を開始予定」という記載から術後1カ月以内と推測しています。(それ程大きな誤差は無いでしょう)
 そうすると、(左が癌だと過程して)左の手術が今から1カ月以内に終了すれば、(手術が終了すれば右の照射は翌日からでも開始できるので)照射開始は術後2カ月程度となり、それであれば全く問題はありません。
 

参考にしてください

 内分泌療法は、ST-MMTとは関係無く開始できます。
 なので(ST-MMTをして診断をつけることで右側の治療に影響を及ぼすものは)術後照射のタイミングだけです。
◎大事なのは、右側の手術から(右の)術後照射の開始までが3カ月以内(可能なら2カ月以内がベスト)となるような配慮です。
 

心配な点

 ただ心配なのは、(あなたが治療をしている現病院にST-MMTが無い事を考えると) 
 ①ST-MMTがあるA病院へ紹介・予約する
⇒②A病院を受診、ST-MMTの日程を予約する
⇒③A病院でST-MMTを受ける⇒(1週間~10日後)病理結果判明
⇒④(もし癌であった場合に)現病院(?)で手術日程の相談
⇒⑤左の手術
 
 勿論主治医の配慮次第ですが(特に2つの病院がかかわってくると)上記①~⑤がスムーズに行かず、下手をすると2カ月位かかる可能性はあります。
 それが心配です。
 

現実問題として

 あなたが、東京に住んでいらしたら、ST-MMTは当院で受けるのが確実です。
 当院では毎週木曜日午後にST-MMTを行っていて、検査枠は十分に取ってあるので(希望があれば)来週でも可能です。
 因みにST-MMTは検査30分前に受診し、検査そのものも30分以内で終わり(車であれ、電車であれ普通に帰れる)ので多少遠方に住んでいても当院でのST-MMTを検討してもらえればと思います。
 
◎主治医と話し合ってみて
 あくまでも、「造影MRIに写っていないから、ST-MMTは不要」とか「もし癌であっても早期だから、少し様子をみても(放っておいても)大丈夫」という態度で、意見がどうしても合わない時には転医を考えてもいいでしょう。
 ご自分が納得しないまま治療を進めていくのは、今後のことを考えると決して良くはありません。



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