[管理番号:39]
性別:女性
年齢:53歳
昨年の検診で石灰化があり、エコーによる再検査受診、異常無しで終了。
今年の検診でまた石灰化ありで再検査受診の勧告。
昨年、異常無しだから、今年も異常無しとは限りませんよね?
定期的に受診すべきですよね?
それとも、生検検査依頼したほうがいいのでしょうか?
A.回答
こんにちは。田澤です。
「石灰化」について悩まれている方は結構いらっしゃいます。
石灰化については、特に強いこだわりをもって診療しているので、少々長い文章になってしまいましたが、是非一通り読んでください。
その上で、もし解りにくい点があったら、再度Qで質問いただければ幸いです。
それでは以下に回答します。
回答
是非、ステレオガイド下マンモトーム生検を受けるべきです。
検診で石灰化を指摘された場合には、「良悪性の区別できない石灰化」ということであり、私自身のステレオガイド下マンモトーム生検のデータ(1084症例)では23%で乳癌の診断となってます。
※トップページの「乳癌の検査」の中の「マンモトーム生検」を参照してください。
昨年、エコーで再検査を受けて「異常なし」となっているようですが、「エコーで腫瘤が指摘できないから、異常なし」というのは正しい評価ではありません。
石灰化を超音波で評価してはいけないのです。それは何故か?
以下に、「癌が原因である石灰化」がどうなっていくかを、段階1(石灰化出現期)~段階3(腫瘤形成期)まで示します。
※トップページの「石灰化」の中の壊死型石灰化の項目に、これらを図で説明してあります。併せてご覧ください。
段階1 | 石灰化出現期:乳管内で癌細胞が増殖し、一部の癌細胞が壊死をし、そこにカルシウムが沈着し石灰化となる。
|
段階2 | 石灰化増加期:乳管内の癌細胞が更に増殖し、乳管内に広がる。
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段階3 | 腫瘤(しこり)形成期:癌細胞が、乳管から間質浸潤(乳管の周りの組織に入り込む事)を始め、腫瘤を形成する。
|
お解りでしょうか。
例え癌が原因である石灰化だとしても、段階1(石灰化出現期)では「超音波では正常」なのです。
段階2(石灰化増加期)でさえも、超音波で異常所見を捉える事は困難なのです。
もしも超音波だけで評価していると、せっかく段階1で見つかる(早期発見)チャンスを逃してしまい、いたずらに段階2(もしくは段階3)まで「進行させる」可能性があるのです。
参考にしてください。
昨年も「石灰化要精査」今年も「石灰化要精査」ということは、「精査が望ましい石灰化」です。
良性である確率が80%だとしても、20%は癌なのです。
石灰化で要精査となった場合には、必ず「ステレオガイド下マンモトームがある施設」を受診してください。
●ステレオガイド下マンモトーム生検の無い施設では、本来、生検すべきものも経過観察となってしまいます。
しこりになってから、精査したのでは「本当の意味の早期発見ではありません。」
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