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病理の結果をみて

[管理番号:3258]
性別:女性
年齢:42歳
6月上旬に左乳房全摘しました。
病理結果から田澤先生であれば、どんな治療を薦めますでしょうか。
病理診断
Invasive ductal carcinoma of the left br breast,mastectomy
-Lt.C,1.9×1.6cm(浸潤径),papillotubular
carcinoma,NG2,g,ly-,v-,ER+,PgR+,HER2-,sn(0/1),margin
(-)
です。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1c(19mm), pN0, luminal, NG2
完璧な早期癌です。
Luminal typeだから当然「ホルモン療法(「42歳」と「早期」であることよりタモキシフェン単独となります)」を行います。
あとは、「化学療法を上乗せするか?」ですが…
「Ki67」は測定していないのですか? 通常、それで「luminalA かBが判断」します。(Aならホルモン療法単独、Bならばホルモン療法+化学療法となります)
○Ki67がなければ「luminal typeの治療方針」は決められません。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生
こんにちは。
先日は早速のご回答ありがとうございました。
前回の質問で「Ki67値」の記載が漏れておりました。
病院よりいただいた病理結果報告書には
MIB1陽性細胞は30-40%と記載がありました。
(これがKi67値と同義なのでしょうか)
上記を踏まえて、改めてご質問させていただきます。
1.田澤先生でしたら、どのような治療方針となりますでしょうか?
2.ホルモン療法単独と、ホルモン療法+抗がん剤(もしやるならTC療法と主治医より言われております)
を実施した場合の再発率には違いはあるのでしょうか。
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「病院よりいただいた病理結果報告書にはMIB1陽性細胞は30-40%と記載がありました。(これがKi67値と同義なのでしょうか)」
⇒その通りです。
 この値だと「ルミナールB」となります。
 
「1. 田澤先生でしたら、どのような治療方針となりますでしょうか?」
⇒タモキシフェンは必須
 ルミナールBなので化学療法も勧めます(ルミナールタイプの化学療法であればTCです)
 
「2. ホルモン療法単独と、ホルモン療法+抗がん剤(もしやるならTC療法と主治医より言われております)を実施した場合の再発率には違いはあるのでしょうか。」
⇒5%程度です。
○もしも化学療法に本当に意味が有るのか迷うのであれば「OncotypeDXすべき」となります。
 
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生のアドバイスにより、抗がん剤治療を回避したかったので、オンコタイプDXを受けました。
遅くなりましたが、オンコタイプDXの結果が出ましたのでお知らせいたします。
結果はSCORE 2でした。
Ki67値が比較的に高かったので心配していましたが、低スコアーの結果で安心いたしました。
今はタモキシフェンのみ服用しております。
主治医からは12月にリュープリンの皮下注射を受けるように説明がありました。
販売の仕事をしているため、副作用で急に仕事を休んだりできないので、
出来るだけ副作用の少ない治療を希望しております。
田澤先生はリュープリンの併用はおこないますか?
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
(Oncotype DXの)RSが2でしたか。
とても良かったですね。 
再発率はかなり低い筈ですし、「不要な化学療法を避ける」ことができました。
「田澤先生はリュープリンの併用はおこないますか?」
⇒初回のQでの回答通り、行いません。
(以下、前回の抜粋)
pT1c(19mm), pN0, luminal, NG2
完璧な早期癌です。
Luminal typeだから当然「ホルモン療法(「42歳」と「早期」であることよりタモキシフェン単独となります)」を行います。
♯リュープリン(LH-RHagonist)の併用は「早期とは言えない場合(ASCO2016ガイドラインより)」と「35歳未満(SOFT試験より)」で行います。