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病理検査の結果

[管理番号:5897]
性別:女性
年齢:43歳
いつも、参考にさせて頂いています。
今回病理検査の結果が出たため、質問させてください。
今年11月に、カテゴリー4からの石灰化が広範囲に広がった乳癌との診断をされました。
自覚症状としては、三年前の検診で、石灰化で経過観察、4ヶ月程前から右の乳首からさらさらとした薄い黄色の浸出液があり、乳首が大きくなっているようでした。
12月に全摘、同時再建しています。
病理検査の結果は、乳首の下に浸潤した癌があり、それがほんの少し乳首から出ており皮膚浸潤していたためステージIIIbとの診断でショックをうけています。
先生の判断は、病巣は全摘で取り除いているのと、ホルモン治療が良く効くタイプで、HAR2陰性、リンパ節転移なし、グレード3、ki67 21.1で大人しいタイプの癌のため、抗がん剤は本人判断で良いとの事でした。
やっても予防的な物で微少転移してるかどうかはわからないから、本人が念のためというのならやってみてもいいけど、やらなくてもいいかな?ぐらいのものです。
と言われました。
ステージIIIbと言うのが気になります。
皮膚浸潤しているタイプの癌は大人しい癌なのでしょうか?
抗がん剤はしなくても良いでしょうか。
しこりか浸潤範囲は1.2cmぐらいだったと思います。
とりあえず1ヶ月ホルモン治療してから、抗がん剤をするか考える事になっています。
田沢先生はどう考えますか?
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「病理検査の結果は、乳首の下に浸潤した癌があり、それがほんの少し乳首から出ており皮膚浸潤していたためステージIIIbとの診断でショック」「ステージIIIbと言うのが気になります。」⇒「先生の判断は、病巣は全摘で取り除いているのと、ホルモン治療が良く効くタイプで、HAR2陰性、リンパ節転移なし、グレード3、ki67 21.1で大人しいタイプの癌」
⇒全く同じ考えです。
 「皮膚浸潤」は、あくまでも広範囲の時に問題となるものであり、「ほんの少し乳首から出ており皮膚浸潤」は、単純に「腫瘍の発生位置の違い」と解釈して問題ありません。
「抗がん剤は本人判断で良いとの事」
⇒これ(患者さんに丸投げすること)には「反対」です。
 物事はシンプルに考えましょう
 「効果が期待される治療を行うべき」というものです。
 質問者は「ルミナールA(Ki67=21.1%は、ルミナールの可能性が高い)だから、ホルモン療法だけでいい」そういうことです。
「やっても予防的な物で微少転移してるかどうかはわからないから、本人が念のためというのならやってみてもいいけど、やらなくてもいいかな?ぐらいのもの」
⇒これを言ってしまえば…
 それは「全てのステージ、全てのサブタイプの補助療法に当て嵌まる」ことであり、(「質問者が抗癌剤をすべきか?」という)回答の参考には全くなりません。
「皮膚浸潤しているタイプの癌は大人しい癌なのでしょうか?」
⇒「皮膚浸潤」と「大人しい」は無関係です。
「抗がん剤はしなくても良いでしょうか。」「田沢先生はどう考えますか?」
⇒田澤ですが(笑)
 その通り(抗癌剤は不要)です。
 その理由は…
 極めてシンプルに「ルミナールAには抗癌剤の上乗せ(効果)が無い」と言う理由なのです。