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病理医の診断の相違による治療方針

[管理番号:7342]
性別:女性
年齢:38歳
病名:微小浸潤癌
症状:術後の為、たまに多少の痛みと手術跡の固さ

はじめまして。

乳がん疑いがある頃からいつも拝見させて頂き、勉強になり励みになっています。

ありがとうございます。

これまでの流れですが、元々、4年程前の授乳中に右胸乳輪の少し下あたりにしこりを見つけ、そこの部分だけしこりがなくならなかったので、授乳終了後に乳腺専門の及川病院を受診しました。

その際、エコーなどでも問題がないとのことで、定期検診でいいという判断でした。

それから2年後ぐらいに、圧迫すると一つの乳腺からのみ分泌液(薄い黄色のもの)があった為、受診したところ、細胞診と分泌液をプレパラートにとってからの検査をしましたが、どちらも良性で、分泌液は乳汁との事でした。

自然に分泌液が出てくるようならすぐにまた受診してくださいと言われたのですが、自然に出てくる事はなく、ただ圧迫すると分泌が続いていたので7ヶ月後に再度診て頂きました。

この状況からしこりの針生検とMRIを撮り、腫瘍系は約1.1cm、術前診断では非浸潤癌で極限したものとの事。

その後3月末に温存手術をした結果、
1mm以下の浸潤があり微小浸潤との診断がつきました。

グレード 2
ホルモン受容 いずれも90%
HER2 陰性
ki67 27% でした。

術前診断では極限した非浸潤がん、2人の先生がエコーで見てもかなり極限しており形的にも非浸潤に見えるし、リンパの異常も見られないとの事で、センチネルリンパ節生検はしておりません。

結局は浸潤していたものの、浸潤系が1mm以下なので、追加でセンチネルリンパ節生検をしなくてもいいと言われました。

主治医の先生の説明が毎回ざっくり過ぎて、私自身がちゃんと理解出来ていない事もあったので、セカンドオピニオンをしてみようと調べていたら乳腺を専門にしている病理医の先生のセカンドオピニオンというものがあり、そちらに話を伺いに行きました。

そうすると、見解が術後診断してくださった病理医の方とはいくつも違い、戸惑っています。

セカンドオピニオンでは
浸潤系 5.8mm(粘液産生を含む乳頭癌)
ホルモン受容 80%
HER2 陰性
ki67 10~15%

浸潤系に関してはとても微妙で、意見が別れる所だろうとおっしゃっていましたが、
しこりに沿って見られる白いものが粘液産生して浸潤しているのではないかとの見解から、そこの部分と元々浸潤していると判断された1~2mmの部分を繋げると5.8mmになるとのことでした。

間が途切れているので、完全な5.8mmではないけど…とも言っていて、
その時はあまりの見解の違いに質問出来ずにいましたが、
今考えるとその意味がちょっとわかりません。

(確かに画像を見ると、腫瘍に沿って見られる粘液産生しているのではないかと言われた部分と、明らかに浸潤していると思われる部分は途切れています。)

セカンドオピニオンの病理医によると、前医は粘液性の部分は乳管内に発生していると判断されたのだろうとのことで、
元々浸潤と判断されている1~2mm程度の部分のみ浸潤癌と判断する先生の方がもしかしたら多いかもしれないが、乳腺の病理を専門にしている自分がみると、粘液性の部分が浸潤している可能性があるとの事でした。

理由は浸潤していなければ通常見られる点々?みたいなものが見られない為ともおっしゃっていました。

もしも浸潤部分が5.8mmあったとしたら、
ホルモン治療はするべきか(元々の術後診断は1mmなのでホルモン治療はしなくてもいいとのことでした)、リンパ節は大丈夫かという事が気になっています。

この結果を主治医の先生に話すと、
リンパはエコーなどで見る限りまず大丈夫だろうし(術前に念の為をと細胞診をしたところも良性だった為)、改めてセンチネルリンパ節生検をせず、エコーを定期的にして疑われるようならその際に手術をしてもいいのではないかとの事でした。

ホルモン治療に関しては5.8mmなら通常やるけど、画像で診てあきらかな浸潤には見えないし(粘液部分)、病理医の先生が言うように繋げて測定しなくてもいいのでは??とおっしゃっていて、病理医によって見解は分かれるだろうが、自分は1mmの浸潤と考えてよいのではないかとの事でした。

病理医の先生によってここまで診断が変わるとは思っていなかったので、
正直戸惑っています。

もしもホルモン治療をやるとしても、今後出産も考えていたので、どうしたらいいかと思っています。

現在一人子供がいますが、二人目を考えて年齢的にも少しでも早めがいいのではないかと思うのですが、先生に相談すると、通常ホルモン治療は放射線後にすぐ始めるので、出産後間をあけてホルモン治療を始めて大丈夫かなどの統計がまだなく何とも言えないと言われました。

通常は1年程再発がないか様子を見て、
それから妊娠出産を考えるか、
一旦2年間ホルモン治療をして、休薬後半年して考えるか…などともおっしゃっていました。

そもそも田澤先生なら、今の私の状態から考えてホルモン治療を勧められますでしょうか?
またリンパ節の件に関しても、センチネルリンパ節生検をせず定期的に主治医の先生がエコーを診るという考えに沿って大丈夫でしょうか?

まとまりのない文章になってしまい大変申し訳ありませんが、いつも田澤先生の解答に励まされてきたので、ぜひご意見をお聞かせ願えたらと思い、メールしました。

どうぞよろしくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「そもそも田澤先生なら、今の私の状態から考えてホルモン治療を勧められますでしょうか?」
⇒勧めません。(私なら勧めることはありません)

「またリンパ節の件に関しても、センチネルリンパ節生検をせず定期的に主治医の先生がエコーを診るという考えに沿って大丈夫でしょうか?」
⇒それでOKです。(私でもそうします)

 このQandAを見てもお判りのように…
 (自分でエコーしない乳腺外科医ばかりの中)このような主治医にあたって本当に良かったですね。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

ホルモン治療について
性別:女性
年齢:38歳
病名:乳がん
症状:

以前、病理医による診断の違いについて質問させて頂いたものです。

その節はすぐにご返答頂きありがとうございました。

センチネルの検査をしておらず不安に思っておりましたが、定期的なエコーの検査で大丈夫と言って頂きとても安心しました。

その後、25回の放射線治療が終わり、ホルモン治療をするかどうかの判断をしないといけなき状況です。

前回の質問では妊娠、出産を考えていた際のホルモン治療の有無についてお尋ねしたのですが、もし出産した場合、その後、私の場合ホルモン治療を始めた方がいいのか、また、妊娠、出産を考えないとしたらすぐにホルモン治療を始めた方がいいのか、先生の考えをお聞かせ願います。

かかりつけの病院での病理結果は微小浸潤との事で、ホルモン治療を選択しないでいいかと思っていましたが、セカンドオピニオンでの病理結果は浸潤系が粘液産生を含む5.8mm(明らかに浸潤しているのは2mm程度、そことは少し途切れて乳管に沿って粘液性のものがある部分を含めると5.8mmという見解だそうです。
これが乳管内なのか、そうでないのかは意見が分かれる所だとおっしゃっていました)と出た為、ホルモン治療をするべきなのかと悩むようになりました。

主治医からは昔は非浸潤やそれに近いものはホルモン治療は省略していたが、今アメリカのガイドラインでは、浸潤系が小さくても(非浸潤でも)、対側の乳がん抑制になり、再発予防の効果もあるのでホルモン治療を勧めるというようになっているので、どうするかという事でした。

看護士さんもどれぐらい効果があるのかを調べてくださり、対側の抑制や再発予防はホルモン治療をしたら発生率が半分に減ると書いてあったと教えて頂きました。

正直半分も減るのなら、やるべきなのかと悩んでいます。

私の場合もそれぐらいの効果があるのでしょうか?
そもそも病理の違いをどう受け取って今後の判断をすればいいのか、先生はどう思われますか?
私の場合、タモキシフェンを5年服用した際に上乗せがどれぐらいあるのか、妊娠を考えないとしたら今すぐホルモン治療をするべきか、田澤先生のお考えを聞かせて頂ければと思い、メッセージ致しました。

どうぞよろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「また、妊娠、出産を考えないとしたらすぐにホルモン治療を始めた方がいいのか、先生の考えをお聞かせ願います。」
「そもそも病理の違いをどう受け取って今後の判断をすればいいのか、先生はどう思われますか?」
「私の場合、タモキシフェンを5年服用した際に上乗せがどれぐらいあるのか、妊娠を考えないとしたら今すぐホルモン治療をするべきか」

→同じ質問でしょうか?
 (前回のコピペ)
 「そもそも田澤先生なら、今の私の状態から考えてホルモン治療を勧められますでしょうか?」
⇒勧めません。(私なら勧めることはありません)

「私の場合もそれぐらいの効果があるのでしょうか?」
→対側の予防目的で(ホルモン療法を)行うことは(私は)ありません。