Site Overlay

病理結果について

[管理番号:2106]
性別:女性
年齢:40歳
こんにちは
12月11日に田澤先生に手術をしていただいた者です
28日に術後の病理結果を聞かせていただきました
全摘手術、リンパ節郭清をして、ルミナルAという結果でした
ルミナルAですが、リンパ節転移があったため、ホルモン療法だけでは不安なので、
抗癌剤については、CYP2D6遺伝子検査をしてから考えたいと伝えて、診察を終えました
家に帰ってから病理結果の用紙を見ていたら
リンパ節転移を認め、節外浸潤も伴います
と書いてありました
節外浸潤については聞いていなかったので、こちらでお尋ねさせていただきます
節外浸潤とはリンパ節から脂肪に浸潤しているということでしょうか?
1cm未満の癌でしたが、リンパ節転移があったので、やっかいなタイプなのかなと不
安になっていますが、節外浸潤もしていたとなると、余計に不安になってきました
前にこちらで節外浸潤について質問されていた方とのQ&Aを拝見させていただいたら節外浸潤しているなら、放射線照射をした方がいいとお答えしていましたが
私の場合も放射線照射はした方がいいのでしょうか?
それと、節外浸潤しているならルミナルAでも、抗癌剤をする方がいいのだろうか
抗癌剤については、CYP2D6遺伝子検査の結果によって考えて、放射線照射だけをする
のがいいのか
それとも、放射線照射はしなくて大丈夫なのか
どのように考えたらいいのか
先生の意見をお聞かせくださいよろしくお願いします
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「節外浸潤とはリンパ節から脂肪に浸潤しているということでしょうか?」
⇒「リンパ節の外(間質)への浸潤」ということです。
 話が「抗がん剤をすべきか?」という方に引っ張られていたので「節外浸潤」については言及せずに病理説明が終了してしまいました。大変失礼しました。
 ○「節外浸潤」とはいっても「腋窩リンパ節に1個だけ」であり、他には「転移もなく」きちんと郭清されているので局所は大丈夫だと思っています。
 
「節外浸潤しているなら、放射線照射をした方がいいとお答えしていましたが私の場合も放射線照射はした方がいいのでしょうか?」
⇒一般的には「放射線照射を考慮する因子」と言えますが、「評価は一定」ではありません。
 質問者の場合は、(前述したように)「きちんとした郭清をしている」ことと「他のリンパ節が問題ないこと」により、「局所の問題はない」と思います。
 
 
 

 

質問者様から 【質問2】

早速のお返事ありがとうございます
診察では混みあっていてもしっかりと話を聞いていただいているので、感謝しています
放射線について、先生の意見が聞けたので、もう少し考えて決めたいと思います
抗癌剤についてですが、どうするべきかとても迷っているので、遺伝子検査の結果を
待ってから決めようと思いますが
オンコDXという検査は、私のようにリンパ節転移があって閉経前だと適応外なのでしょうか?
私のような場合、他に何かできる検査はありませんか?
できる検査なら、結果についての信憑性が薄くてもしてみたいと思っています
何か先生がご存知の検査があれば教えていただきたいと思います
よろしくお願いします
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
実際のところ、私の診療は「経験と(有る程度の信頼のおける)統計」から成り立っています。
「浸潤径が小さい割にリンパ節転移があった」という事を「目に見えぬ不安要素」として捉えていらっしゃるかもしれませんが、その必要はありません。
やはり「腫瘍径が小さい事は最大の武器」なのです。
「オンコDXという検査は、私のようにリンパ節転移があって閉経前だと適応外なのでしょうか?」
⇒その通りです。
 ただし、以前「担当者とお話した際に」(完全ではないが)対応できるようになったと聞いています。
 
「私のような場合、他に何かできる検査はありませんか?できる検査なら、結果についての信憑性が薄くてもしてみたいと思っています」
⇒ありません。
 できる事に限りがあります。
 その中でベストを尽くす事です。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

こんにちは
田澤先生から回答をいただいて、自分なりにいろいろと調べて考えてみました
田澤先生からの「腫瘍径が小さい事は最大の武器」との言葉はとても心強くなりました
心強くはなりましたが、やはり、術前には考えられなかったリンパ節転移、リンパ節外浸潤はとても不安になります
節外浸潤をしていたので、放射線治療費はしたいと思うので、今週に診察予約をさせていただきました
診察までの間に聞いておきたいと思うことがあるので、質問させていただきます
副作用が辛いのに、あまり効かないかもと言われているTC療法には抵抗がありますが、ホルモン治療と放射線治療だけでは少し不安が残るので
UFT療法も追加するというのはどうなのかと思いました
UFTの副作用は点滴の抗癌剤程ではないようなので、UFTを追加してみるという方法は
どう思われるか、田澤先生の意見をお聞きしたいと思います
よろしくお願いします
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「節外浸潤をしていたので、放射線治療費はしたいと思うので、今週に診察予約をさせていただきました」
⇒放射線科へ紹介します。
 ただ「実際に照射するかどうか」は「放射線科医に有害事象を聞いた」上、相談の上決めてください。
 「節外浸潤」のエビデンスはありません。
 
「副作用が辛いのに、あまり効かないかもと言われているTC療法」
⇒これは「ネットか何かの情報」でしょうか?
 全く「根拠が無い」ものと思います。
 質問者が「TC療法を選択しない」ことに反対しているわけではなく、エビデンスのある「TC療法を(おかしな情報を基にして)やらない」替りに「エビデンスの低い(故に、標準治療でさえない)UFT治療を考えている」ことに「危うさ」を感じています。
 ♯UFTはかつて、(前時代の抗がん剤である)CMFに対する「非劣勢(劣っていない)」を証明できずに「標準治療となることができなかった」経緯があります。
  それに対して「TC」は、(標準療法であるACに対して)「有意差をもって(術後補助療法として)優れている」ことが証明されているのです。
 
「ホルモン治療と放射線治療だけでは少し不安が残るのでUFT療法も追加するというのはどうなのかと思いました」「UFTの副作用は点滴の抗癌剤程ではないようなので、UFTを追加してみるという方法はどう思われるか」
⇒前述した通りです。
 本当に「抗がん剤による上乗せ効果を狙う」のであれば「TCを行うべき」でしょう。
 ただ、「点滴抗がん剤の副作用を避けたいとか、(副作用や通院の面から)点滴抗がん剤よりも内服抗がん剤の方が受け容れ易い」のであれば、(何もしないよりは)いいかもしれません(エビデンスがありません)
○私が(エビデンスの無い)UFTを勧めることはありません。
 ただ、ご本人が「上記理由」で(いくらかでも+αを期待して)「UFTを行いたい」との希望であれば(標準治療ではないが、薬剤とし適応が無いわけではないので)処方します。(私は転移再発乳癌にしか適応がないTS-1やゼローダは決して処方しません)