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病理結果

[管理番号:455]
性別:女性
年齢:50歳
先日、皮下乳腺全摘で手術いたしました。
術前に、皮下乳腺全摘におけるリスクも説明があり、毎日悩みに悩んで追加切除もありだと覚悟を決めて手術いたしました。
病理検査の結果、
非浸潤がん、ホルモンのER8,PgR7,HER2 2+、Ki672% でした。
気になっているのが、断片についてです。
乳頭直下に、異型の弱いFEAの断片陽性かありでした。
主治医の先生は、追加切除はなしで術後のホルモン療法でいいでしょうとおしゃっていただいたのですが不安な気持ちが残ります。
また、術前はセカンドオピニオンで針生検の結果を2カ所で見ていただいたのですが。
術後の病理結果はセカンドオピニオンは必要ないのでしょうか?
また、性格上の問題なのですが、医師の前で話をすると緊張して思うように聞けなかったり、頭の中が真っ白になって、何を聞きたいのかわからなくなってしまいます。
メモに書いては行くのですが。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「皮下乳腺全摘」ですね。
 これは「術後放射線照射をしない」事を前提としているので、病理結果には慎重にならなくてはなりません。

回答

「乳頭直下に、異型の弱いFEAの断片陽性」
⇒要注意です。
 「乳房温存術後のflat epithelial atypia」であれば「術後照射で補う」という考え方は了解できますが…
 
「術後の病理結果はセカンドオピニオンは必要ないのでしょうか?」
⇒flat epithelial atypiaは「かなり微妙な病変」なので、セカンドオピニオンがいいと思います。
 セカンドオピニオンでは「非浸潤癌といえる病変なのか?」が焦点となります。
 本当にFEAどまりであれば、「厳重経過観察」も選択できるとは思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先生、お返事くださりありがとうございました。
動揺しておりますが、質問させてください。
皮下乳腺全摘の場合、放射線はかけられないのでしょうか?
また、セカンドオピニオンは主治医の先生に申し出ても大丈夫でしょうか?
嫌な顔されてしまうのではと心配になります。
また、ホルモン治療は予後の効果は期待できますか?
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 前回「皮下乳腺全摘を行い、断端にflat epithelial lesionを認めた」と相談いただいた方ですね。
 
「皮下乳腺全摘の場合、放射線はかけられないのでしょうか?」
⇒かけられます。
 放射線は胸壁(皮膚や大胸筋)にかけられます。
 但し、質問者は「皮下乳腺全摘後に再建はしない」のでしょうか?
 再建する場合には「放射線をかける事で皮膚がダメージ」を受けるため「再建には慎重に」ならなければなりません。
 
「セカンドオピニオンは主治医の先生に申し出ても大丈夫でしょうか?嫌な顔されてしまうのではと心配になります。」
⇒医師も人間なので、場合によってはそんな事もあるかもしれませんが、納得のいく治療の方が大事です。
 
「また、ホルモン治療は予後の効果は期待できますか?」
⇒(luminal Aタイプなので)治療効果は期待できます。
 ただし、「質問者は非浸潤癌で乳腺をほぼ全摘している」ので「生命予後は限りなく100%に近い」と思われます。
 そういう意味では「むしろ、対側乳癌の予防」効果の方が期待できます。