[管理番号:2586]
性別:女性
年齢:35歳
いつも拝見しております。
去年、初めてマンモを受け石灰化によるマンモトームを受けました。
画像では、カテゴリ3。
臨床所見は、右U領域の微小円形集族石灰化です。
結果は、小葉過形成や乳管拡張あり。
拡張乳管には円形上皮過形成変化
が見られ、核の軽度拡張はあるが、緊張性は乏しく、明らかな細胞異型はない。
筋上皮の混在あり。
小葉部分にもあるが、筋上皮は保たれている。
硝子様間質の増生が目立つ部位あり。
過形成の所見があるが、軽度核腫大は、小葉・乳管上皮伴に見られるが、LCISやDCISとする増殖像は指摘されない。
増殖能と上皮の性状を確認し追加報告致します。
そして追加結果は、上皮のKi67陽性率は1%と低い。
小葉の一部では、Ki67陽性率は高く、部分的に10%部位もある。
(細胞形態の違いは指摘されない)E-カドヘリンは、上皮にほぼ均一に陽性となる。
p63にて、一部筋上皮の減少した乳管はあるが、消失はない。
免疫染色上も過形成変化で矛盾ないと考えます。
との事でした。
医師の説明から「良性で診断は過形成」というのは分かるのですが、この検査結果の詳細が難しくよく分かりません。
良性である以上、深読みしなくてもいいとは思いますが、母親もいとこ3名も乳がんを患っており、妹も子宮頸がん、甲状腺癌の疑いと癌家系である為、心配がつきません。
素人の私にも分かる様、説明して頂けると幸いです。
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「医師の説明から「良性で診断は過形成」というのは分かるのですが、この検査結果の詳細が難しくよく分かりません。良性である以上、深読みしなくてもいいとは思いますが、素人の私にも分かる様、説明して頂けると幸いです。」
⇒「過形成」はあるが、「異型」はなく、「筋上皮細胞による2相性もある」ということです。
「小葉過形成や乳管拡張」
「拡張乳管には円形上皮過形成変化が見られ、核の軽度拡張はあるが、緊張性は乏しく、明らかな細胞異型はない。」
⇒異型のない「小葉過形成」と「乳管拡張」です。
「筋上皮の混在あり。小葉部分にもあるが、筋上皮は保たれている。」
⇒乳管上皮が筋上皮細胞を伴っていることが「良性所見」なのです。
「硝子様間質の増生が目立つ部位あり。」
⇒これは癌とは無関係です。
「過形成の所見があるが、軽度核腫大は、小葉・乳管上皮伴に見られるが、LCISや
DCISとする増殖像は指摘されない。」
⇒あくまでも(増殖している様子がなく)「過形成」の範疇だということです。
「増殖能と上皮の性状を確認し追加報告致します。」
⇒ここで「増殖能の指標」として「Ki67で評価」して「増殖能は低い」ことと、
「上皮の性状」として「E-カドヘリンやp63で評価」して「良性で矛盾しない」ことを最後に確認しているのです。
全く問題ありません。
ご安心を。