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術後病理結果と治療方針について

[管理番号:3323]
性別:女性
年齢:46歳
田澤先生、はじめまして。
1カ月半前に両胸温存手術をしました。
リンパ節転移はありません。
下記 術後病理結果です。
右:IDC,a3,g,pT1(4×2mm),pTNO,MO,pStage ⅠA,G2(2+2),1y
(-),ⅴ(-),ER-,PgR-,HER2(3+),ki-67:15%
異形上皮が小胞巣状、scirrhousに増殖浸潤している。
Invasive
dustal carcinoma,scirrhous carcinoma,Grade2(2+2)。
数か所で浸潤が認められ、最大の浸潤径は4×2mm。
乳頭側方向に広く乳管内進展が見られる。
明らかな脈管侵襲は認めない。
乳頭側断端が乳管
内病変で陽性。
左:2か所 IDC,a3,f,pT1(1.4cm、1.2),pTNO,MO,pStage
ⅠA,G2(2+2),1y(-),ⅴ(-),ER+(100%),PgR+(100%),HER2-,ki-
67:5% 断端(+)
異形上皮が小胞巣状、scirrhousに増殖浸潤している。
Invasive
dustal carcinoma,scirrhous carcinoma,Grade2(2+2)。
2箇所で浸潤が見られ、浸潤径は14×12×7mmと12×8×6mm。
外側方向に
乳管内進展が見られる。
神経周囲浸潤あり。
明らかな脈管侵襲は認めない。
外側断端が乳管内病変で陽性。
深部断端が乳管内病変で陽性。
左右とも乳管内成分で断端陽性(露出)となっていますが、主治医は、再手術ではなく照射(50Gy/25回、局所Boost15Gy/4回)を薦めています。
既に両乳房の変形がひどく、追加部分切除の選択はありません。
あえて放射線治療を受けず、両胸全摘のうえ一次ニ期再建するかと、大変迷っております。
また、可能であれば、乳頭乳輪温存での乳房切除術を希望しています。
主治医に確認したところ、病理的(?)には可能だが、一度温存術を受けた乳房への再手術時には技術的に大変難しく、自分にはできないと言われました。
(いずれにしろ、転院を検討しています)
なお、化学療法はしない予定です(自分としてもこれは一番したくないです)。
ルミナールAタイプに対しては、既にタモキシフェンは服用開始していますが、リュープロレリンの追加も検討しています。
問題はハーツータイプ側でしょうか。
今の私の状況で、放射線治療(追加照射有)を受けた場合の再発率はどの程度でしょうか。
また、全摘すると再発リスクは減らせるのでしょうか。
田澤先生には、お忙しい中大変恐縮ですが、どうかご回答くださいますようよろしくお願い申し上げます。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
質問者は勘違いされているようです。
所謂「再発率」というのは「遠隔転移再発」のことであり、質問者が気にされている
「乳房内再発」のことではありません(どうも、この辺の用語の混同が、一般の方に
は多いようです)
「乳房内再発」は 断端陰性では(放射線無で)「10年で10%」⇒(放射線照射で)
「10年で3%」と一般には言われています。
ただ、断端陽性となると「その症例、症例で全く条件が異なる」ので、予測すること
は不可能です。
「問題はハーツータイプ側でしょうか。」
⇒最大浸潤径が「5mm以下」だから適応が無いと思います。
「今の私の状況で、放射線治療(追加照射有)を受けた場合の再発率はどの程度で
しょうか。」

⇒これは「乳房内再発」のことでしょうか?
 
 条件が一様ではないので予測することは不可能です。
「また、全摘すると再発リスクは減らせるのでしょうか。」
⇒これも「局所再発」のことですか?
 (乳頭乳輪を含めた)「乳房切除なら0となります」
 (乳頭乳輪温存の)「乳房切除の場合には0とはなりません」 乳頭から十分離れていることが条件です。