[管理番号:63]
性別:女性
年齢:50
お願いします。
先日、左胸のしめつけ感を感じ内科でCTを撮った所、左胸に1つ丸く光る物が写りました。
ベテランの先生曰く、「石灰化かなぁ?」とのお話でしたが、念のためマーカーの15-3と次回の超音波の予約を取りましたが、普通の内科医院だったので乳腺外科を受診しようと思っています。
10か月前のがん検診ではマンモや超音波に異常はありませんでした。
また、今迄も年に1度はしていますが随分前に乳腺症と言われた位でしたのですっかり安心していました。
通常のCTで写る位の物は良くないのでしょうか?
自分でしこりは感じません。
宜しくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「CTで偶然、映った白く丸い光るもの」ですね。
実は、結構よく遭遇します。
今回のように、内科でCTを撮影すると内科の先生は当然慣れていないので「いろいろな心配」をされますが、我々乳腺外科医はとても慣れているので、CTを見ればすぐに解ります。
それでは、まずは状況確認の上、回答します。
状況確認
CT検査には「単純CT(造影剤を使用したもの)」と「造影CT(造影剤を使用したもの)」があります。
ベテランの先生曰く、「石灰化かなぁ?」とあることから、単純CTで、「白く光っている」ものとして回答します。
※今回のケースとは異なると思いますが「造影CTで白っぽく染色されるもの」の場合を最後に付け足しておきます。
回答
「CTで白く光るもの」は「粗大な石灰化」であり、「古くなった線維腺腫(良性腫瘍)」や「のう胞(水の貯まった袋)」だと思います。
全く心配ありません。
癌に伴ってできる石灰化は非常に細かく(マンモグラフィーでは見えますが)CTでは写りません。
CTで白く光るもの=粗大な石灰化=癌ではない ということです。
造影CTで白っぽく造影されるもの
この場合は、腫瘍があてはまります。
腫瘍は一般に(例外もありますが)周囲の正常乳腺組織よりも血流が豊富なため、造影剤が貯まり「周囲より白っぽく」見えます。
◎ただ表現としては、「白く光る」と言うよりは、「周囲より白っぽく見える」となるので今回は当てはまらないようです。
「造影CTで白っぽく見える=造影効果がある」場合には腫瘍が疑われますが、CTではそれ以上の鑑別はできないため、超音波で確認の上、組織検査(針生検)を行います。