[管理番号:8798]
性別:女性
年齢:52歳
病名:左浸潤性乳管がん
症状:
投稿日:2020年8月6日
2020/4/(上旬) 細胞診にて左乳がんと診断され、5/(中旬) 乳房切除術+センチネルリンパ節生検を行いました。
病理結果は浸潤性乳管癌、トリプルネガティブ、浸潤径6mm、リンパ節転移なし、
脈管侵襲なし、悪性度3、ki67 60%、遠隔転移なしです。
術前に針生検は行っておらず術前化学療法はしておりません。
現在、化学療法中です。
ddEC4ク-ル+ddPTX4ク-ルの予定でEC4ク-ルが終わりました。
母も両側乳癌であり、先月、主治医にお願いしBRCA遺伝子検査を受け、BRCA1の結果でした。
BRCA1陽性変異の場合、化学療法は効きにくいのでしょうか?
BRCA陽性の場合プラチナ製剤追加すると効果があるとの情報もみられます。
今後、このままの治療で良いのか心配です。
宜しくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
要点は2つ
1.術後補助療法の薬剤の適応は「厳格に」決まっている。
プラチナ製剤の適応は「全く」無し。
唯一の適応薬剤は「anthracycline(質問者の場合にはECが相当)」及び「taxane(質問者の場合にはPTXが相当)」
2.(再発していないのに)BRACAnalysisをする適応は「対側乳房の予防的切除を希望する場合」です。
決して「自分は、遺伝子変異があるのか?」知りたいためではありません。
「BRCA1陽性変異の場合、化学療法は効きにくいのでしょうか?」
⇒そんなエビデンスはありません。
「BRCA陽性の場合プラチナ製剤追加すると効果があるとの情報もみられます。」
⇒適応外! 絶対に行ってはいけません。
「今後、このままの治療で良いのか心配」
⇒薬剤には「適応が厳密に決まっている」のです。
今の治療で正解です。
★それよりも本来「変異があったら、予防切除を希望する」として適応承認されているBRACAnalysisが陽性だったのだから、『右の予防切除を検討すべき状況』となります。(主治医と話し合ってください)
質問者様から 【結果2 】
BRCA1陽性 トリプルネガティブ乳がんの化学療法について
性別:女性
年齢:52歳
病名:浸潤性乳管癌
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
先生にご相談させていただき、安心して今後の治療を受けることができます。
BRCA変異陽性であり、対側乳房や卵巣卵管の予防切除も考えています。化学療法が落ち着いたら主治医と相談したいと思っています。
残りの治療、頑張ります。
また、疑問や不安なことがあればご相談させて下さい。
今回、先生に相談して本当に良かったです。ありがとうございました。
<Q&A結果>
質問者様から 【質問3 】
化学療法の副作用
性別:女性
年齢:52歳
病名:トリプルネガティブ乳がん
症状:薬疹
投稿日:2020年8月22日
おはようございます。
今朝は少し涼しく感じエアコンなしで過ごしております。
ご相談ですがトリプルネガティブ乳がんで現在、化学療法中です。
ddEC4ク-ルが終わりました。
ddPTX初回終了後の4、5日目よりほぼ全身に発疹がでました。
皮膚科の先生に診ていただき、PTXの薬疹の可能性が高いとのことで抗ヒスタミン剤の内服と軟膏を塗っています。
かゆみはほとんどありません。
3日たちましたが
良くもならず悪くもならず同じ状態です。
薬疹が出た場合は今後、PTXは使わないほうがいいのでしょうか?
それともステロイドなどを併用しながら使うことも可能なのでしょうか?
薬疹も恐いです。
今後の治療は主治医の先生や皮膚科の先生と相談して決めないといけないと思いますが、田澤先生ならどのようにされますか?
教えて下さい。
宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは田澤です。
「薬疹が出た場合は今後、PTXは使わないほうがいいのでしょうか?
それともステロイドなどを併用しながら使うことも可能なのでしょうか?」
⇒その(薬疹の)程度次第です。