[管理番号:6215]
性別:女性
年齢:42歳
こんにちわ。
乳がんと診断されてしまいました。
今後の治療について
田澤先生のご意見をきかせていただけたら幸いです。
浸潤5㎜×3㎜
ハーツ陰性
ホルモン陽性
ki45
微小転移(0、6㎜)
①抗ガン剤について。
主治医は浸潤径が小さいにもかかわらず、
微小転移があったのが気になるから、あとは私の価値観で決めてください。
と言われ、悩んでいます。
田澤先生の患者ならどうしますか?小さい浸潤にもかかわらず、微小転移があるのは遠隔転移しやすいのですか?
②今回は腋窩をいじってませんが、
のちに局所再発することもありますか?
③ホルモン陽性でしたが、弱いようです。
ホルモン剤の効果はあるのでしょうか?
④ki的にはルミナールBといわれてます。
抗ガン剤をした場合、しない場合の再発率を教えてください。
ルミナールBは予後が悪いのですか?
⑤この結果は早期発見でよかったねと喜んでいいのでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「主治医は浸潤径が小さいにもかかわらず、微小転移があったのが気になる」
⇒こんなコメントをする医師がいることを悲しく思います。
事実は…
時々あることです。
物事はシンプルに考えてください。
①浸潤径が小さい(あくまでも再発低リスク)
②リンパ節の微小転移は予後に影響しない
★血行性転移とリンパ行性転移に直接の関係がないことも良く理解してください。
「田澤先生の患者ならどうしますか?」
⇒勿論、抗癌剤はしません。
「小さい浸潤にもかかわらず、微小転移があるのは遠隔転移しやすいのですか?」
⇒全く無関係です。
上記コメント通りです。
「②今回は腋窩をいじってませんが、のちに局所再発することもありますか?」
⇒ありません。
微小転移では「郭清省略が適切」であることは検証済みなのです。
「③ホルモン陽性でしたが、弱いようです。ホルモン剤の効果はあるのでしょうか?」
⇒それは誰にも解らない事です。
浸潤径5mmだから(副作用によっては)「ホルモン療法継続に拘らなくても良い」と思います。
「④ki的にはルミナールBといわれてます。抗ガン剤をした場合、しない場合の再発率を教えてください。」
⇒実際にはOncotypeDXしないとルミナールAなのかBなのか不明です。
★ルミナールタイプだとAかBかで「上乗せ」は全く異なるのでルミナールタイプの方には、この質問には2年位は回答していません。
ただ、5mmなら(抗癌剤してもしなくても)95%以上の無再発生存だと思います。
「ルミナールBは予後が悪いのですか?」
⇒ONCOTYPEのグラフをみると解りますが…
ルミナールAとBの違いは「抗癌剤による上乗せ」だけであり、「ルミナールBで抗癌剤をするとルミナールAと、あまり変わらない」ことが(グラフをみれば)良く解ることでしょう。
『今週のコラム 70回目 高リスクは(化学療法による上乗せが大きいということだけでなく)『化学療法を行えば、中間リスクと予後は殆ど(3%程度しか)変わらない』その事を知ってもらいたいのです。』をご参考に。
「⑤この結果は早期発見でよかったねと喜んでいいのでしょうか?」
⇒その通りです。