[管理番号:1256]
性別:女性
年齢:61歳
質問者様の別の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |
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先生、先日はご回答いただきありがとうございました。
不安な気持ちを受け止めていただいた事で、前向きに考えて行こうという気持ちが湧
いてきました。
局所療法と全身療法の違いについて理解できました。
先生、私の場合、温存術後に小線源内部照射を8回行って、術後の放射線治療に代え
る方法でした。その後、断端陽性であるという診断結果がわかりました。
心配なら、再手術か放射線治療を…と主治医から言われましたが、術後に行った内部
照射は断端陽性には効果がないものなのでしょうか?
また、再手術を選択するには断端陽性という診断についつて、どのような情報が必要
でしょうか?
主治医からは、断端陽性だったという事しか話は聞いていません。
それから、HER2について教えて下さい。HER2=1という術後診断結果でしたが、fish
法での検査は必要ないものなのでしょうか。
いくつも質問して、お忙しいなか申し訳ありません。
よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
少々驚きました。
「小線源内部照射」を行っていたのですね。
臨床試験の筈なので、最初の治療の同意の際に「断端陽性の場合にはどのように対処
する」などが細かく規定されている筈ですが…
★APBI(accelerated partial breast irradiation)加速部分照射であり、エビデン
スが不十分であり(推奨度C2)国内では臨床試験でのみ行われている筈です。
回答
「心配なら、再手術か放射線治療を…と主治医から言われましたが」
⇒この内容からは「臨床試験として、断端陽性時の治療法の選択に制限が無い」とい
うことだと思います。
「術後に行った内部照射は断端陽性には効果がないものなのでしょうか?」
⇒APBIは、「局所照射」なので「それ自体が断端陽性に対する対処」とも言えます。
しかし、「エビデンスが不十分な治療」であり、当然ながら「長期的な成績は不
明」なのです。
どの程度「断端陽性に有効なのか?」は誰にも解らないことなのです。(それを調
べるのが臨床試験の目的とも言えます)
「再手術を選択するには断端陽性という診断についつて、どのような情報が必要で
しょうか?」
⇒断端陽性部分が「非浸潤癌なのか浸潤癌なのか」と言う点と、「どの程度の範囲な
のか(1mm以内なのか5mm以上なのかなど)」です
「それから、HER2について教えて下さい。HER2=1という術後診断結果でしたが、
fish法での検査は必要ないものなのでしょうか」
⇒前回のQの中に「HER2陽性」と記載してありましたが、「HER2 1+だった」ので
すね。
これは「HER2陰性」です。
決して「FISH」をやるべきではありません。「FISHで陽性となる確率は3%以下」で
す。全く「FISH法の適応外」です。(ちなみにIHCで2+の場合のみでFISH法の適応
があります。3+の場合には「陽性」として「逆に適応外」となります)
○HER2 1+であれば、明らかに「luminal type」となります。それであれば
「Oncotype DX」をしている意味が解ります。
質問者様から 【感想2】
先生、続けての質問にご回答いただけた事に感謝しています。
このプラザを拝見するようになり、30代、40代のまさに子育て中の方が多い事に驚き
ました。乳癌と診断された後の検査、手術、その後の治療と、いきなり乳癌患者とな
り心の余裕を持とうにも、相談できるところなどありませんでした。
主治医に的確に質問できない私自身の責任と、乳癌の知識の無さを反省しましたが、
私はこのプラザの中で沢山の基本的な知識と標準治療などについて知る事ができ、今
後落ち着いて乳癌と向き合っていけるように思います。
術後病理診断結果の断端陽性については、先生にお答えいただいた内容に基づいて再
手術か判断したいと思います。