[管理番号:1117]
性別:女性
年齢:44歳
先日、乳ガンの検査(触診、エコー)を受けたところ、乳管内病変の疑いとの事で、再
検査になってしまいました。
3年前から、乳ガン検診を受けており、毎年、再検査になりますが、今回、初めてこ
のような再検査の理由になり、不安になり、質問させて頂きました。
乳管内病変とは、どのような状態で、癌の可能性は高いのでしょうか?
ちなみに、昨年までは、触診とマンモをやっていましたが、あまりに痛いので、今年
はマンモはやっていません。
しこりなどの自覚症状は、全然ありません。
マンモの検査時には、毎回必ず、左のみ黄色い汁が出ます。
再検査は、来週です。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
検診で「乳管内病変の疑い」ですか。
検診レベルで「ここまで詳細に所見を絞る」のも珍しいと思います。
○私の推測ですが、2つの所見からだと思います。
①超音波所見で「乳頭から連続した乳管内に腫瘍が、はっきりと描出」できる
②左乳頭から「単孔性分泌(黄色)」を認める
以上の2つの所見があれば、「乳管内病変の疑い」という「紹介病名」となっても
妥当だと思います。
回答
「乳管内病変とは、どのような状態で、癌の可能性は高いのでしょうか?」
⇒乳管内病変とは乳管という管の壁を構成する細胞(乳管細胞)が「腫瘍化」して増
殖し『管の(外ではなく)中に突出した状態』です。
・良性であれば、「乳頭腫」(乳管内乳頭腫)
・悪性であれば、「非浸潤癌など」
○癌の可能性は「エコー像(腫瘍の所見)」や「乳頭からの分泌物の性状」などを
見ないと判断できません。
ただし、「しこりを触知しない」「分泌液が黄色(非血性)」という点からは「良
性の可能性」を連想します。
「マンモの検査時には、毎回必ず、左のみ黄色い汁が出ます」
⇒これが単孔性であれば、是非とも「乳管造影」してください。
そうすると、同一乳管内の「超音波で描出できない」ような小病変の存在を確認で
きます。