[管理番号:961]
性別:女性
年齢:58歳
こんにちは 人間ドックの隔年のマンモグラフィー検査で、初めて右Lに良悪性の鑑別を要する腫瘤があるため、地元で手術実績のある乳腺外科で受診しました。確かに丸く小さな白いものが1つ見えているのですが、エコーでは写らないので、一年後に検査してくださいとエコーの担当者に言われました。そこへ偶然主任の先生が通りがかったため、先生ちょっと見てくださいとマンモグラフィーの写真を見ていただいたら、大丈夫だとおもうがたまに悪さをする場合があるから、念のため3か月ごとに追いかけて経過観察したほうが良いでしょうということになりました。
次回はエコー検査のみ行うようです。細胞診をするにも、エコーに写らないので見ながらやるため、出来ないと言われました。
このまま、経過観察で良いのでしょうか。大変不安です。たまたま主任の先生が現れなかったら、見落としになったのでしょうか。また検査技師が診断をすることはできないでしょうから、エコー専門の先生だったのでしょうか。
改めて検査を受けたほうがいいか深刻に悩んでいます。
どうぞよろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まず大前提として「知っていてもらいたい」ことは「マンモグラフィーでの所見はあてにならない」という事実です。
事実として「検診でマンモグラフィーで異常陰影で紹介される患者さん」の9割以上が「最終的に異常無」なのです。
○マンモグラフィーは「スクリーニング検査」です。
「乳腺の重なり」でも「マンモグラフィーではしこりの様に写ります」
ただ、「本当にシコリがある場合も1割位の確率であるのだから」検診の場でチェックされるのです。
そして最終的に「超音波検査」をして①「本当にしこりはあるのか?」②しこりがあった場合は「それは良性なのか、悪性なのか?」という段階へ移ります。
質問者はまず「マンモグラフィーで しこり?」という所見であり、上記①の段階で「しこりは結局無かった」のです。
通常は「超音波でしこりは無かったので異常なしですよ」で終了なのですが、
それでも気になる場合には③「経過観察」としたり④存在診断目的での「MRI検査」をすることになります。
回答
「このまま、経過観察で良いのでしょうか」
⇒経過観察で良いと思います。
上記で説明したように「超音波で見えない」場合は「殆ど」が「結局何も異常が無い」のです。
もしも、どうしても気になる場合には④「MRIを撮影する」という方法があります。
♯担当医は、そこまで「気になる所見ではない」との判断でしょう。
「たまたま主任の先生が現れなかったら、見落としになったのでしょうか」
⇒「見落とし」ではありません。
所見の「程度の判断」の違いです。
実際に「超音波で見えない」場合には「結局、異常無」の場合が殆どなのです。
その所見の程度(怪しさ)に応じて「1年後、健診でOK」とするか「経過観察3カ月後超音波」とするか「存在診断目的でMRIを行う」かは、「医師の所見の取り方によって(性格も関係します)」事なります。
「検査技師が診断をすることはできないでしょうから、エコー専門の先生だったのでしょうか。」
⇒エコー専門医などは居ません。
担当医です。
その医師が「自分でエコーをして」判断したのでしょう。
「たまたま表れた主任の医師」は「担当医の判断」に横やりを入れただけにすぎません。
「改めて検査を受けたほうがいいか深刻に悩んでいます」
⇒超音波技術には差があるので、本当に心配ならば、「別の病院」で超音波検査してもらうことも勧められます。
マンモグラフィーとは異なり「超音波検査は技量による差がある」ので「その担当医が信頼できるかどうか」で決めてもいいとは思います。
♯トップページの「FAQ」の中の「マンモとエコーの違い」を参照してください。
質問者様から 【質問2 信頼できる診断】
田澤先生 お返事をいただきありがとうございます。
多くの患者さんがそう思うように,先生から直接質問に回答いただけて本当に嬉しいです。
ご回答いただいたように経過観察でいいと聞いて不安と疑問感が薄らぎました。ただ,私が検査技師だと思っていたかたが,担当医だったのなら名前も解らずじまいでした。あまり慣れていないような感じでしたので,主任の先生に確認したのかもしれません。
信頼できる先生に検査をしていただこうと決意し,本日さっそく田澤先生の予約をさせていただきました。家から2時間はかかるので市川に○に伺います。
人間ドックの受診時のCDを持って参ります。再検査の病院のものでなくてもよろしいでしょうか。
どうぞその時は,よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
市川を予約頂いたのですね。
ありがとうございます。
前回の回答にも記載したように「超音波検査は経験が必要」なので、「見落とされた可能性も危惧する」場合には、再度確認する方が安心です。
回答
「人間ドックの受診時のCDを持って参ります。再検査の病院のものでなくてもよろしいでしょうか」
⇒大丈夫です。
どちらもマンモグラフィーですね。
もともと「マンモでしか所見がない」訳なので、「再検査の病院のものは不要」です。