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今週のコラム 520回目 遠隔転移 case. 3 『ステージ4である以上、完治は見込めない』というそのコメント、本当か?

みなさん、こんにちは。昨日土曜日はいい天気、しかも快適な気温!

 

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勿論、屋上です!

市川シャポー 「たんや十兵衛」の「霜降り牛タン弁当」!

だまされたと思って、一度ご賞味あれ!

 

 

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素晴らしきかな、治一郎!

セブンのゴマ餅も絶品

 

 

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今週は、2足の戦士ともお別れでした。

踵が剥がれてます!

 

 

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新旧で比較すると一目瞭然!

旧(左)は踵が大変なことになってます。

 

 

 

 

 

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そんな、ニューフェイスはちょっと?派手。

ROAD RACINGという別名ついてます。

 

 

 

〇 本文

つい、昨日(土曜日)の Q&A

初発乳がん 胸骨転移 ステージ4 10/18 08:21

(以下、抜粋)

病名:右乳癌、多発腋窩リンパ節、右傍胸骨リンパ節、胸骨転移

※主治医曰く、胸骨転移箇所の腫瘍は小さいため、転移箇所の痛みではないと思われる。

本年9月29日に細胞診検査および病理組織検査の結果より右乳がん告知(初発)、その後FDG-PETの結果、右腋下リンパ節に多数の集積、右傍胸骨リンパ節および胸骨に小さな集積が確認され、乳がんステージ4の診察結果を貰っています。

<FDG-PET診断結果> 右乳癌、多発腋窩リンパ節、右傍胸骨リンパ節、胸骨転移

 

また、最終的な病理組織検査結果は下記となります。

ER(60%);J-score 3b. Allred score TS(7)=PS(4)+IS(3) PgR(30%);J-score 3a. Allred score TS(6)=PS(3)+Is(3)

HER2遺伝子増幅ありと判断します。

 

上記の結果を持ち、先日クリニックから紹介された総合病院の乳腺外科に診察に行きました。

総合病院の主治医の見解としては下記となります。

ステージ4である以上、完治は見込めない

・ 現時点で確認できる転移先は胸骨の小さな腫瘍のみである(=命に係わる臓器ではない)ため、今すぐ抗がん剤を使用する必要はないと考える

・ステージ4治療の世界的なガイドラインより、先ずはハーセプチン+ホルモン剤(リュープリン or アロマターゼ)併用での様子見をお勧めする。薬の効果が続く限り継続し、効果が見られなくなれば他の薬に変更し様子見を繰り返す。

・原発巣手術に関しては依頼されれば検討するが、手術自体の効果は感じられないため主治医としてはお勧めしない(主治医の判断で手術行うときは乳がんが皮膚を突き破るような症状が懸念される場合のみ)。

 

一方で落ち着いて考えると、主治医の方針は根治を目指す積極的な治療ではなく、ステージ4における一般的なQOLの維持および延命を目的とした治療方針(ガイドライン通り)であると理解しております。

 

 

ぴったりと本日の動画配信の趣旨に重なります。

key wordは「oligometastasis

 

→担当医は「ステージ4である以上、完治は見込めない」とコメントしているが、遠隔転移をOligometastasisに限定すると、以下の報告がある。

オリゴ転移でCRとなった場合、その約1/4の症例が再発せずに生存している MD Anderson Cancer Center phase2 Cancer, 2005: 104(6):1158-71

♯この報告はなんと2005であり、(その時点での)20年生存はなんと1985当時の薬物療法だった(今からなんと40年前!)わけです。

オリゴ転移の20年無再発生存が27.4% 東京慈恵医大での1980-2010までの30年の患者さんのデータ

 

それで回答は以下のようになりました。

①          ハーセプチン+ホルモン剤を推奨されておりますが、私の病状において効果が期待できるものでしょうか?

「ハーセプチンは抗がん剤と併用」という使用方法をよく目にするため、ホルモン剤との併用は治療目的ではなく、副作用を考慮したQOL維持に特化したものなのかと感じております。

→そもそも(trastuzumabを)抗がん剤抜きで行うこと自体ナンセンス!

 

 

? 私のような病状の場合、田澤先生であればどのような治療を計画されるでしょうか?

※まだ手術が検討できる段階なのでしょうか?

→術前抗がん剤の理由もないため(全摘一択及び、全身療法の緊急性もない)

手術→抗がん剤(ECx4→trastuzumab/pertuzumab/docetaxelx4)→radiation(PMRT+PS)→PET評価→phesgo(trastuzumab/pertuzumab) or trastuzumab deruxtecan

♯radiationと抗がん剤の順番は、画像所見次第で入れ替えもありです。

 

 

③ 来週より治療がスタートいたしますが、場合によっては現病院での治療途中であっても、

田澤先生にお世話になること(転院)は可能なのでしょうか?

→可能です。

間違いなくterning point となります。

 

 

④ もし転院するとなった場合、治療が遅れることで更なる転移に繋がる可能性はありますでしょうか?

→そもそも(抗がん剤抜きの)trasutuzumab(+ホルモン療法)自体が「十分な治療」ではありません。(その治療自体が「新たなる転移へのリスク因子」といえます)

 

ここからは本日の動画配信へ