[管理番号:13060]
性別:女性
年齢:20歳
病名:一次検査 乳管過形成もしくは異型乳管過形成 二次検査 乳管過形成
症状:左胸に、押すと痛みのあるごつごつした形の硬く動きにくいしこり。
投稿日:2025年09月09日
エコー、マンモ、針生検によって良性でしたがしこり全切除をすすめられました。
切除には抵抗はないですが、
念のためをすべて病理検査するというのが理由のようですが、この方針で良いのでしょうか。
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二週間ほど前に20歳の娘の左胸乳首の数センチ外側に固くごつごつしたしこりに気づきました。PMSによりピルを服用していたので乳腺の張りはありましたが、明らかにコロンとしているので乳腺外科を受診しエコーとマンモ。エコーではぼこぼこしたものが映っていたため当日中に針生検。マンモには明らかなものは映っておらず。
針生検の内容と結果は下記です。
①検査の内容
左胸のしこりに対して「針生検(細い針で細胞や組織をとる検査)」を行いました。
まずは通常のHE染色(標準的な染色法)で顕微鏡検査をしたところ、
「乳管過形成(良性の細胞増殖)」
「異型乳管過形成(良性ではあるが、一部に悪性に似た細胞がある可能性)」どちらかの可能性がある、という結果でした。
②追加検査
HE染色だけでははっきりしなかったため、免疫染色(CK56やP63など3種類)を追加。
その結果、「乳管過形成(良性)」という最終診断になりました。
③なぜ「切除」を勧められるのか
今回の診断は「良性」と出ていますが、針生検で取れるのは一部だけです。
サンプルの一部だけでは「本当に全体が良性か」を断定しづらいケースがあります。
そのため「しこり全体を切除して、改めて病理検査すること」が推奨されました。
切除後に「やはり良性」と確認できれば安心できますし、万一異常細胞が含まれていても早期に対応できます。
結論:現時点で「乳管過形成=良性」と診断されています。
ただし一部に「異型」の可能性もあったため、しこり全体を切除して再確認するのが安全。
総合病院の乳腺外科センターを紹介します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
ちょうど似た内容が「Q&A 経過観察で大丈夫でしょうか」にありますが…
ただし一部に「異型」の可能性もあったため、しこり全体を切除して再確認するのが安全
→針生検(core needle biopsy)では確かに「針生検で取れるのは一部だけ」となります。それを防ぐ(つまり、病変全体から広範囲にすべての部位からのサンプリングをして偽陰性を防ぐ)手段として吸引式針生検(MMTE)があります。
これを用いれば(正しく使いこなす術者でなくては無意味ですが)摘出生検せずに、100%確定診断となります。
ご参考に。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/9/26
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