[管理番号:12676]
性別:女性
年齢:48
病名:
症状:
投稿日:2025年04月26日
左浸潤性小葉癌
左乳腺全摘術実施
左腋窩リンパ節郭清術実施
年齢48歳女性
閉経前
pT1(1.0mm)
pN1(1/12)
術前CT検査で遠隔転移なしM0
ly0
v0
断端(-)
核異型度1
Ki67 5%
pTNM 2A
TC療法のプラン表にあった投与する薬品名
レスタミン錠(内服)
デキサート
パロノセトロン
ドセタキセル
エンドキサン
ジーラスタ
ジプレキサ錠(内服)
ネキシウムカプセル(内服)
はじめまして。
乳癌に罹患し左胸全摘手術した娘が術後の抗がん剤(TC療法×4回)をするかホルモン療法(タモキシフェン+リュープリン)のみにするかどうか悩んでおり、来週結論を出さねばならず、ぜひ先生のご意見をお聞きしたいと思い質問させて頂きます。
先生のQ&Aの管理番号12318 のなかで、ホルモン剤のタモキシフェン単独の再発率からリュープリンを使うことで(抗がん剤をしなくても)再発率が下がるというお話を拝読しました。
娘の場合は、オンコタイプDXの結果(RS:7、5年遠隔再発率:3%、CT上乗せ効果:2.3%)から、ET単独3%の再発率が、リュープリン注射をすることで2.3%下がり、抗がん剤をしなくても0.7%まで下がるということなのでしょうか?
その場合、リュープリンをどのくらいの期間、どのくらいの頻度で行うことが前提となるのでしょうか?
かかっている病院の先生にリュープリンで同じように下がるのではないかと聞いてみたところ、そういう議論もあるがリュープリンでは抗がん剤を補完できるような強いエビデンスはないと言われてしまいました。
こちらが素人なのでなかなか納得できるところには至りませんが、先生のリュープリンでの再発率低下のパーセンテージは何か公の根拠があるのでしょうか?
また、娘はまだ幼い子供がいるため抗がん剤をした方が良いという気持ちになりつつあるようなのですが、副作用の中でも吐き気が続くことを恐れているようです。
TC療法を検索すると吐き気よりも関節痛や筋肉痛、しびれなどの方が出る割合が高いようなのですが、先生が患者さんを見てきた感じでは個人差はあると思いますが、この療法では吐き気は軽い方なのでしょうか?
また吐き気は出ても投与日から数日の短期間のみのことが多いのでしょうか?
それと、抗がん剤をする場合、娘は頭皮冷却を希望しています。効果は絶対ではないですが、それよりも末梢(手先、足先)の冷却や口腔内冷却の方が重要ではないかと私は思うのですが娘のかかっている病院では頭皮冷却のみで末梢や口腔内の冷却の話は出ませんでした。
この点も先生のご意見をお聞きしたいです。
質問が続きすみませんが、最後に、娘はリンパ節転移があったため郭清をしておりリンパ浮腫を発症する可能性があります。
抗がん剤の副作用に「浮腫」や「むくみ」とあるのですが、抗がん剤をしたことが引き金でリンパ浮腫を発症し生涯影響を受ける可能性もあるのでしょうか?
先生が不要な抗がん剤をしないために考える一番重要な(最もマイナス要素と考える)副作用とは何でしょうか?
先生のご助言を頂いて決断に向けたいと思います。よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
娘の場合は、オンコタイプDXの結果(RS:7、5年遠隔再発率:3%、CT上乗せ効果:2.3%)から、ET単独3%の再発率が、リュープリン注射をすることで2.3%下がり、抗がん剤をしなくても0.7%まで下がるということなのでしょうか?
⇒単純にtamoxifen+LH-RHagonistにより抗癌剤の上乗せ効果は無いということです。
その場合、リュープリンをどのくらいの期間、どのくらいの頻度で行うことが前提となるのでしょうか?
⇒LH-RHagonistは5年間であり、頻度は「1か月製剤、3か月製剤、6か月製剤」の3つから選べます。
かかっている病院の先生にリュープリンで同じように下がるのではないかと聞いてみたところ、そういう議論もあるがリュープリンでは抗がん剤を補完できるような強いエビデンスはないと言われてしまいました。
こちらが素人なのでなかなか納得できるところには至りませんが、先生のリュープリンでの再発率低下のパーセンテージは何か公の根拠があるのでしょうか?
⇒そもそもRS=7で抗癌剤の上乗せがあるかもしれないという発想自体ナンセンス
また、娘はまだ幼い子供がいるため抗がん剤をした方が良いという気持ちになりつつあるようなのですが、副作用の中でも吐き気が続くことを恐れているようです。TC療法を検索すると吐き気よりも関節痛や筋肉痛、しびれなどの方が出る割合が高いようなのですが、先生が患者さんを見てきた感じでは個人差はあると思いますが、この療法では吐き気は軽い方なのでしょうか?また吐き気は出ても投与日から数日の短期間のみのことが多いのでしょうか?
それと、抗がん剤をする場合、娘は頭皮冷却を希望しています。効果は絶対ではないですが、それよりも末梢(手先、足先)の冷却や口腔内冷却の方が重要ではないかと私は思うのですが娘のかかっている病院では頭皮冷却のみで末梢や口腔内の冷却の話は出ませんでした。この点も先生のご意見をお聞きしたいです。
⇒私は抗癌剤は決して勧めませんので、それをその担当医が勧めるのであれば、それらに伴う有害事象を含めて勧めているわけだから(もしも抗癌剤をするのであれば)その医師に(責任をもって)キチンとケアしてもらいましょう。
治療とは「その有害事象を患者さんへ担ってもらう」ことも含めての治療なのです。
質問が続きすみませんが、最後に、娘はリンパ節転移があったため郭清をしておりリンパ浮腫を発症する可能性があります。抗がん剤の副作用に「浮腫」や「むくみ」とあるのですが、抗がん剤をしたことが引き金でリンパ浮腫を発症し生涯影響を受ける可能性もあるのでしょうか?先生が不要な抗がん剤をしないために考える一番重要な(最もマイナス要素と考える)副作用とは何でしょうか?
⇒そんなものはありません。
治療は常に「効果と副作用(有害事象)のバランス」を考えて行うべきもの。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/5/14
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