[管理番号:12673]
性別:女性
年齢:45
病名:右浸潤癌
症状:
投稿日:2025年04月25日
初めまして。いつも勉強させていただいております。
治療に迷いなく前向きに取り組みたいです。どうか田澤先生のお考えをお聞かせください。
先月、右の浸潤癌のため乳房を全摘しました。腫瘍は2個で、乳首の裏に2.2cmと乳首の外側に7mm、リンパ転移は5個あり、ステージ3aでした。ERとPgRは強陽性、HER2陰性、ki67=30%です。
骨シンチやPETなどの検査はしていません。
術前のエコーやMRIでリンパ転移が見られず、腫瘍も2cm以下で早期だろうと言われていたため、術後の結果がなかなか受け止められずにいます。
術前のMRIをとってから手術まで3ヶ月半ほど無治療の期間がありました。その間にリンパへどんどん転移してしまったのでしょうか。
また、腫瘍の大きさの割にリンパ転移が多いように思いますが、どのような理由が考えられますか。
術後の治療は、ドセタキセル4回→EC4回→放射線(胸壁と鎖骨)、ホルモン剤とアベマシクリブと聞いています。この治療は妥当でしょうか。
ドセタキセルとECの順序で効果に差はありますか。
症状がない場合、骨シンチやPETなどの検査はしないと聞いています。
術後の再発防止治療は、小さな遠隔転移を叩く治療と考えて良いですか。
たくさん質問があり申し訳ありません。
どうか宜しくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
術前のMRIをとってから手術まで3ヶ月半ほど無治療の期間がありました。その間にリンパへどんどん転移してしまったのでしょうか。
⇒全くの考えすぎ。(しかも考えても無意味です)
また、腫瘍の大きさの割にリンパ転移が多いように思いますが、どのような理由が考えられますか。
⇒この「腫瘍の大きさの割に、リンパ節転移が多い」という(私から見れば、まったく無意味な)ことを悩む方も多いですが…(過去のQAでも、相当数ありました)
全く無意味なことです。(理由もありません)
術後の治療は、ドセタキセル4回→EC4回→放射線(胸壁と鎖骨)、ホルモン剤とアベマシクリブと聞いています。この治療は妥当でしょうか。
⇒まさに「GOLD STANDARD」です。
上記のような「無意味なことで悩む」よりも、この治療を粛々と行うことを推奨します。
ドセタキセルとECの順序で効果に差はありますか。
⇒ありません。
症状がない場合、骨シンチやPETなどの検査はしないと聞いています。
⇒無駄な検査をされなくて、良かったですね。
術後の再発防止治療は、小さな遠隔転移を叩く治療と考えて良いですか
⇒「YES」とも「No」とも言えます。
冷静に考えてもらえば「明白」ですが、そもそも術後に抗癌剤を行う患者さんは以下の2つに分けられます。
1.そもそも「小さな遠隔転移」などない人
2.「小さな遠隔転移」を持っている人
♯ここでいう「小さな遠隔転移」とは画像診断では検出できない転移と考えます。
もしも質問者が上記1であれば(質問者にとっては、小さな遠隔転移を叩く治療ではなく)「しなくても本当は良かった治療」となりますし、もしも2なのであれば「小さな遠隔転移を叩く治療」となります。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/5/14
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