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血性分泌乳管の病理結果について

[管理番号:12113]
性別:女性
年齢:48
病名:
症状:
投稿日:2024年10月05日

田澤先生、初めて質問させていただきます。よろしくお願いいたします。

1年前、乳頭から血性分泌物(きれいな赤や黒っぽい赤)が続いたためA病院で乳頭直下の組織生検を行いました。生検結果は乳管拡張、異型を伴う乳管上皮の増殖があり、免疫染色ではp63筋上皮陰性、CK5/6のモザイクパターン若干残り、ERはほぼすべての上皮陽性、PgRは70%陽性で非浸潤癌の鑑別ではあるが確定ではないとのことで経過観察となり、そのうち血性分泌は止まりました。
しかし今年になり再び血性分泌が出続けるようになりました。環境が変わったためB病院を受診し、細胞診を行ったところ、クラスⅢbでMRIでもはっきり白く映っておりましたので、全身麻酔で乳管腺葉区域切除術で色素に染まった範囲の乳腺を摘出していただき、術後より出血が止まりました。

手術をするまで出血量が多く痛みもあり、反対側の乳房よりサイズが小さくなり、1年前の生検と今回の術前検査結果から考えても、乳管内乳頭腫か悪性腫瘍、異型細胞等が見つかると思っていましたが、病理結果は乳管周囲の線維化、乳管拡張、乳管上皮細胞は軽度の核腫大、配列不整があるが、顕著な核異型や単調さはなく、一部が硝子化した繊維組織の乳管もあるが、腫瘍や悪性所見はないという結果でした。

このように組織生検や細胞診で悪性を疑う結果であったのに、摘出したら腫瘍も異型もないということはあるのでしょうか。
違う病理医に検体を見ていただいたら悪性の評価が出ることもあり得ますでしょうか。
もしA病院の組織生検部位が近い位置で残っていた場合、浸潤してしまわないでしょうか。
ちなみに同じ側の乳房は病変が多発しており、過去に数回良性腫瘍を摘出したことがあります。

お願いいたします。
長文で失礼いたしました。よろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

私がこのメールを読んで、最初に感じたのは「乳管腺葉区域切除が正しくなされているのか?(つまり病変が取り残されていないのか?)」という危惧です。
何故なら、「乳管腺葉区域切除術」は「正しい乳管造影」の技術がないものが行うと、「全く別の乳管を切除してしまう」ことは十分にありえるからです。
♯分泌が止まったことも「病変が摘出されたから止まった」のではなく、単に(手術の過程で)「病変部からの乳管が切断されただけ」の可能性もあるのです。

このように組織生検や細胞診で悪性を疑う結果であったのに、摘出したら腫瘍も異型もないということはあるのでしょうか。
⇒通常は、このようなケースでは(冒頭でコメントしたように)「病変が切除されているのか?」という問題となります。

違う病理医に検体を見ていただいたら悪性の評価が出ることもあり得ますでしょうか。
⇒そういう問題ではなさそうです。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/22
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