[管理番号:776]
性別:女性
年齢:43歳
こんにちは。海外在住の者です。
数週間前から右胸に鈍痛のようなものを感じ、ふと乳首のすぐ上を強く押して見たら、軟骨のような米粒のようなものを見つけました。一般に言われている乳房のセルフチェックをしてみると、仰向けの状態ではその粒に触れることはできません。お風呂で石鹸をつけてくまなくチェックしても、最初見つけたところには特に何も感じません。でも、ふとした時に座った状態でチェックすると触れる時もあれば、触れない時もあります。
触れるのは指の腹でかるく押すのではなく、指先に近い部分で強く押した時です。また、押した後、胸の痛みが強くなる気がします。左胸も痛くなることもあります。
経産婦で、1年に1度、直近では7ヶ月前にマンモグラフィーを受けて、異常なしでした。エコーは受けていません。
このような場合、乳がんの可能性は高いでしょうか?すぐに帰国して、検査を受けるべきでしょうか?
どうぞよろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「触れたり触れなかったりのしこり」ですね。
このようなケースでは「実際に診察してみない」と正確なことが言えない事は了承いただくとして、「類似した診療経験」から類推して回答します。
回答
「軟骨のような米粒のようなもの」
⇒このような訴えの患者さんは、結構いらっしゃいます。
確かに「言われた部位を触診」すると「ごくごく小さな、硬いもの」を触れます。
そのようなものを「超音波検査」すると、その殆どは「乳腺の硬い部分」であり、実際に腫瘍であったケースは全くありませんでした。
「このような場合、乳がんの可能性は高いでしょうか?」
⇒可能性は低いです。
(その部位にかんしては)自己検診を継続し「大きくならない」事を確認していけば大丈夫です。
質問者様から 【質問2】
早々のご回答ありがとうございました。
先生のアドバイス通り、しこりが大きくなっていないかチェックしていこうと思っているのですが、気になって仕方なく、何度も触っています。そして、今朝からずっとしこり部分が行方不明です。
触りすぎ、押しすぎでしこりが奥に入ったままといったことはあるのでしょうか?大きくなるまで奥に姿を潜めたりするのでしょうか?
また、その部分を触ったり押したりすると、肩や二の腕の外側、腕の付け根当たり(脇の下ではありません)、外側の乳房に鈍痛を感じる時が多いです。しこりのある部分(乳首のすぐ上)が痛むというよりは、違う部分不快感を感じます。我慢出来ないほどではありません。
こういった症状は乳がんとどういった関わりがあるか教えていただければと思います。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「気になって仕方なく、何度も触っています。」
⇒このような状況であれば、「乳腺外科で超音波をしてもらう」べきですね。
回答
「触りすぎ、押しすぎでしこりが奥に入ったままといったことはあるのでしょうか?大きくなるまで奥に姿を潜めたりするのでしょうか?」
⇒そんな事はありません。
見た事も聞いた事もありません。
「こういった症状は乳がんとどういった関わりがあるか教えていただければと思います」
⇒乳癌の症状ではありません。
強いて言えば、「乳腺症:女性ホルモンによる乳腺刺激症状」症状の誘発でしょう。
質問者様から 【質問3 しこりの変化】
何度もありがとうございます。
病院に行く前に今一度質問文させて下さい。
落ち着いてしこりのチェックをしてみた所、感触に変化を感じました。最初は軟骨や米粒にようで、押すと言うよりは強く押すと指先(ほとんど爪)に引っかかると感じだったのに対し、今は最初よりは柔らかいような感じです。ただ、そのしこりからつながってる乳腺(?)のような筋も他の乳腺に比べると硬めになった気がします。
相変わらず乳房や周辺の痛みもあり、不快です。
先生が触診しないとわからないということはもちろん承知の上ですが、このような場合癌が疑われますか?
また、自己検診のやり方で”指を滑らせる”とありますが、強く押したり、指先を食い込ませる(一本の指を奥に差し込む)ようにしてはいけないのでしょうか?しこりは奥にできることもあると聞いて、その場合はどのように見つけられるかを教えていただければとおもいます。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「このような場合癌が疑われますか?」
⇒癌では無いと思います。
癌であれば、「感触は早々、変化しません」
「強く押したり、指先を食い込ませる(一本の指を奥に差し込む)ようにしてはいけないのでしょうか?」
⇒そのようにしたら、「正常乳腺であっても、しこりのように」感じてしまうからです。
「しこりは奥にできることもあると聞いて、その場合はどのように見つけられるかを教えていただければとおもいます。」
⇒奥にあっても「ある程度の大きさと硬さ」があれば解ります。
「触診に限界がある」事は、乳がん検診で「触診単独検診は推奨されない」ことからも明白です。
気になる場合は超音波をしてもらいましょう。