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ホルモン受容体の変化について

[管理番号:12070]
性別:女性
年齢:71
病名:浸潤性乳管がん
症状:右胸にしこり
投稿日:2024年09月18日

田澤先生初めまして。いつも勉強させていただいております。
母のことで相談があります。よろしくお願い致します。

5月ごろ自分でしこりを発見し、近所のクリニックへ。右胸の乳がんということで、生検を行いました。
術前の生検ではERが+のルミナルタイプだったのに、術後の手術検体ではER、PGRともにマイナス、HER2は2+(いまFISHの結果待ち)HER2の結果によってはトリプルネガティブと言われ、困惑しています。

術前の生検の結果、
??浸潤性乳管がん、充実型、非浸潤性乳管がんを伴う
(??サイズ説明してくださいましたがよくわからず。。すみません)
??ly0 ??V0 ??grade1
??ER3+3 ??PGR0+0
??HER2 2+(FISH法マイナス)
??ki67 30%
弱好酸性で泡沫状の胞体を有し、一部に小型核小体を認める類円形核の細胞境界が明瞭な異型細胞が充実性、索状での集簇を呈し大型~中型の浸潤性癌胞巣が認められます。apocrinefeatureにもみえます。脂肪織への浸潤がみられ、乳管内成分もありそうです。リンパ管侵襲はみられず、静脈侵襲もないようです。核異型2点、核分裂1点、grade1。

総合病院に転院し、クリニックの先生に来て頂いて(クリニックでは手術ができないため)
8月中旬に全摘手術を行いました。

術中のセンチネル生検にて、3つのセンチネルリンパ節のうち1つが陽性だったとのことで、腋窩リンパ節郭清をしました。

術後の病理検査(総合病院での主治医の手書き)
??浸潤性乳がん
??腫瘍浸潤径1.4センチ
??リンパ節転移あり(センチネルに1つ)
??核グレード1
??ERマイナス ??PGRマイナス
??HER2 2+(FISH法にて再検査中)
??KI67 、18.6%
??遺伝子検査マイナス
ステージ2Aとのことで、
??ホルモン受容体はマイナスなので内分泌療法なし
??放射線治療なし
??化学療法あり
(ECを3週ごとに4回、ドセタキセル3週ごとに4回)
??HER2の結果によって、HER2抗体療法
とのことです。

①ERは術前はTS6だったのに、ホルモン療法は対象外でしょうか?他の方への回答では、1%でも陽性なら陽性。ホルモン療法した方がいい、との回答がありましたが、、
主治医はおそらく術後の検体の結果のみを見て判断しているようです。

②術前の針生検ではERが+でしたが、術前の針生検の結果でオンコタイプDXはできますか?またできるとしたら保険でできますか?
主治医からは、手術検体でホルモンがマイナスだから、オンコタイプDXはできないと言われました。

③2022年度版の日本乳がん学会には、
「手術先行症例の場合、手術標本でホルモン受容体陰性と判定された時には、針生検標本での再評価を考慮してもよい」との記載がありましたが、母も当てはまりますか?

④もし再評価やオンコタイプDXができたとして、ルミナルタイプになった場合も↑の
抗がん剤の組み合わせを行って大丈夫だと思いますか?

長々と申し訳ありません。
教えていただけたら幸いです。よろしくお願い致します。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

①ERは術前はTS6だったのに、ホルモン療法は対象外でしょうか?他の方への回答で
は、1%でも陽性なら陽性。ホルモン療法した方がいい、との回答がありましたが、、
主治医はおそらく術後の検体の結果のみを見て判断しているようです。
②術前の針生検ではERが+でしたが、術前の針生検の結果でオンコタイプDXはできますか?またできるとしたら保険でできますか?
主治医からは、手術検体でホルモンがマイナスだから、オンコタイプDXはできないと言われました。
③2022年度版の日本乳がん学会には、
「手術先行症例の場合、手術標本でホルモン受容体陰性と判定された時には、針生検標本での再評価を考慮してもよい」との記載がありましたが、母も当てはまりますか?

⇒①~③まで全て一まとめにして

まずは再評価してもらいましょう。

④もし再評価やオンコタイプDXができたとして、ルミナルタイプになった場合も↑の抗がん剤の組み合わせを行って大丈夫だと思いますか?
⇒それはOncotypeDXの結果に従うべきです。

オンコタイプDX

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/3
***

  

質問者様から 【質問2】

ホルモン受容体の変化について、再度質問
性別:女性
年齢:71
病名:
症状:
投稿日:2024年10月09日

田澤先生こんにちは。
先日は忙しい中すぐにお返事をくださりありがとうございました。感謝致します。

先生からお返事を頂いた後、主治医とも話をし、再評価してもらいました。

結果、トリプルネガティブベースだが一部陽性部分もあるのこと?オンコタイプDX出してもいいが、もしRFが低い値がでても、ベースはトリプルネガティブだから?抗がん剤をしなくていいとは言えない。とのようなお話でした。

①ベースがトリプルネガティブで一部ホルモン陽性とのようなことはよくあるのでしょうか?
(関係あるかはわかりませんが、小葉がんとも言われました。)

②この場合、少しでも陽性部分があるので、ルミナルタイプということになりますか?

③ 一部だけがホルモン陽性の場合でもホルモン剤の服用は効果あるのでしょうか?

④オンコタイプに出す場合、提出する検体部位によって結果も変わるのでしょうか?
一部だけ陽性と聞くと、陽性の部分の検体を出すのと、陰性の部分の検体を出すのでは大きく結果が変わるのでは?と思い、オンコタイプ出さずにトリプルネガティブとして早めに治療を開始した方がいいのか?
オンコタイプに出してその結果に従った方がいいのか?わからずにいます。

検討違いのことを言っていましたら申し訳ありません。よろしくお願い致します。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。 田澤です。

一部陽性部分もあるのこと?オンコタイプDX出してもいい
⇒OncotypeDXに出してみましょう。

質問者の疑問を全て解決するのは、これしかありません。
(免疫染色ではなく)遺伝子の発現レベルで評価するので、その結果に(免疫染色とは異なり)100%従えばいいのです。

★つまり(免疫染色で「トリプルネガティブに近いから抗癌剤必須だ」と幾ら主治医が主張したとしても)Oncotypeでの「遺伝子発現レベルでERが陽性であればルミナールタイプ確定」だし、その結果に従えばいいのです。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/25
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