[管理番号:11812]
性別:女性
年齢:58歳
病名:トリプルネガティブ乳がん
症状:傷口周辺の硬さ
投稿日:2024年05月24日
こんにちは
いつも勉強させていただいております。
よろしくお願い致します。
左乳がんと診断され、温存手術、その後放射線治療を16回受けました。
病理診断結果
・トリプルネガティブ ステージ1・病変全体 15×7×25㎜・浸潤径11×7×9㎜・ki67 10%程度・グレード2・センチネルリンパ節生検0/1・断端陰性・Ly0,V0
・全体的にアポクリン化生傾向が見られCarcinoma with apocrine differentiation
を考えます
質問させて下さい
①アポクリン化性傾向があることと、アポクリンがんとは全く別物でしょうか。
主治医にはアポクリンがんとは違うと言われました。
やはりアポクリンがんと考えるのは間違えですか。
②抗がん剤治療をしなかったことは無謀だったでしょうか。
③手術後、徐々に傷周辺の硬さが気になり始め現在は鉄板のようにカチカチになり主治医に相談しましたが治療方法はないと言われ、
手術した病院とは違うクリニックの診察を受けところ、エコーにて石灰化していて、この後も硬さは変わらないか、もう少し硬くなる可能性があると言われました。
どうしても気になるなら部分麻酔で硬い部分を取ることはできるが、今判断するには少し早いかなと言われました。
私のような状況になるのは珍しいことでしょうか。
やはり硬くなった部分を取り除く以外に治療法はないのでしょうか。
③クリニックにてオンコタイプDXはしなかったの?と聞かれ、トリプルネガティブなので出来ないと言われましたと答えたところ、出来ない訳じゃないけどねと言われました。
本当にそんな方法があってのでしょうか。
どうぞよろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
①アポクリン化性傾向があることと、アポクリンがんとは全く別物でしょうか。
主治医にはアポクリンがんとは違うと言われました。
やはりアポクリンがんと考えるのは間違えですか。
⇒その通り、アポクリン癌とは異なります。
②抗がん剤治療をしなかったことは無謀だったでしょうか。
⇒「しなかったこと」とは「術前にしなかった」と言う意味ですか?
無論、抗癌剤は術前に行っても術後に行っても予後は同じです。
これから(術後に)抗がん剤すべきでしょう。(トリプルネガティブなのだから)
③手術後、徐々に傷周辺の硬さが気になり始め現在は鉄板のようにカチカチになり主治医に相談しましたが治療方法はないと言われ、手術した病院とは違うクリニックの診察を受けところ、エコーにて石灰化していて、この後も硬さは変わらないか、もう少し硬くなる可能性があると言われました。
どうしても気になるなら部分麻酔で硬い部分を取ることはできるが、今判断するには少し早いかなと言われました。
私のような状況になるのは珍しいことでしょうか。
やはり硬くなった部分を取り除く以外に治療法はないのでしょうか。
⇒術後どの位経過しているのか? の記載がありませんが…
一般的には(何もしなくても)徐々に柔らかくなります。
③クリニックにてオンコタイプDXはしなかったの?と聞かれ、トリプルネガティブなので出来ないと言われましたと答えたところ、出来ない訳じゃないけどねと言われました。
本当にそんな方法があってのでしょうか。
⇒ありません。
OncotyepDXの適応は「ER陽性」「HER2陰性」「リンパ節転移3個以内」です。
質問者は「ER陰性」なのだから当然適応外ですよ。
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/6/5
***
質問者様から 【質問2】
術後半年以上の抗がん剤
性別:女性
年齢:58
病名:トリプルネガティブ乳がん
症状:
投稿日:2024年06月05日
前回、アポクリンがんかどうか、また術後傷口の硬さについて質問させていただいきました。
お返事ありがとうございました。
前回、手術日を記入し忘れました。
そちらもふまえて再度ご相談させて下さい。
昨年11月に温存手術を受けました。
年明けから抗がん剤の予定でしたが、7Kgの体重減少と、うつ状態になっていたことで、その時点では抗がん剤治療に前向きになれず、主治医に相談の上、まず放射線治療から受けることになりました。
1月末で16回の放射線治療が終わり、2月の診察で主治医から「経過観察でいいと思いますよ。
ステージ2や3だったら頑張りましょうと言うけどステージ1だしね。1%でも再発の可能性を減らそうと思う人はとっくに決めてる。」と言われました。
その時点で、トリプルネガティブなのに本当に抗がん剤しなくて大丈夫なのか?を突っ込んで確認するべきだったと思うのですが、やはり出来れば抗がん剤はしたくないという気持ちがあったからだと思うのですが、理由をしっかり聞くことをせず、主治医の提案を受け入れました。
その診察の帰りにお願いしていた病理診断報告書を受け取り
Carcinoma with apocrine differentiation を考えますとの文字にアポクリン癌だからki67が10%程度なのかな?
だから主治医は抗がん剤をしなくてよいと言ったのかな?と勝手に思い込んでいましたが前回、田澤先生にアポクリン癌とは違います、トリプルネガティブなのだから抗がん剤をしましょうとの返事をいただきました。
手術から半年を勝手な思い込みで無駄に過ごしてしまったことを悔やんでいます。
①今からでも抗がん剤治療をお願いするべきでしょうか。
②術後半年以上経過してしまいましたが、今からでも抗がん剤の効果はありますか。
術後すぐに受けた時と比べて、上乗せ効果はかなり落ちますか。
③組織型は何になるのでしょうか。
・臨床診断
左乳房上外側部乳癌
・病理組織診断
Left breast cacer,CD area, 15×7×25㎜(invasive area: 11×7×9㎜),Invasive
carcinoma,Carcinoma with apocrine differentiation,pT1c,f,Histological grade 2,Ly0,V0, surgicalmargin(-),p N0(sn),partial mastectomy
・所見
左乳腺部分切除標本(7×5. 3×2㎝,皮膚4×1.3㎝)です。
CD領域から採取されています。割面では標本のほぼ中央に充実性の白色調病変が見られます。内側寄りには嚢胞が見られます。
組織学的に病変部では、核小体の見られる類円形腫大と好酸性胞体を有する細胞が、
大小の胞巣状構造を示します。浸潤癌を考えます。全体的にアポクリン化生傾向が見られ、Carcinoma with apocrine differentiation を考えます。一部で脂肪織への浸潤が見られます。リンパ管浸潤は明らかではありません。静脈浸潤がうかがわれます。非浸潤成分が乳頭および末梢への乳管内進展しています。病変全体の範囲は15×7×25㎜大で、浸潤径は11×7×9㎜です。内側のCystは拡張した乳管で周辺にコレステリン肉芽腫など炎症を伴いますが、癌は見られませんでした。断端(-)です。
Histological grade 2(Tubule and gland formation 2, unclear pleomorphism 3, mitoticcounts 1)
Hormonal status: ER[TS2=PS1(<1%)+IS1],PgR[TS0=PS0(0%)+IS0],HER2 score 1+ (非浸潤の乳管内成分はHER2 score 3+) ki67 labeling index: 10%程度 センチネルリンパ節に癌は見られません。 センチネルリンパ節(0/1) 無駄に時間を過ごしてしまいましたが、効果があるなら今からでも抗がん剤治療を受けたいと思います。 どうぞよろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
①今からでも抗がん剤治療をお願いするべきでしょうか。
②術後半年以上経過してしまいましたが、今からでも抗がん剤の効果はありますか。
術後すぐに受けた時と比べて、上乗せ効果はかなり落ちますか。
⇒無関係です。
無論、標準治療は抗癌剤するかどうかは
③組織型は何になるのでしょうか。
⇒レポートにあるように「Carcinoma with apocrine differentiation」となります。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/6/13
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