[管理番号:739]
性別:女性
年齢:32歳
左胸にしこりを発見し乳腺専門医に診てもらいました。
マンモでは異常なかったものの、触診、エコーに加え、私の急に大きくなった気がす
るとの言葉が気になるということで急遽、針生検査をしました。この時点で先生は線
維腺腫と葉状腫瘍を疑っていたようで、結果もすぐ出るように便宜を計って頂いたよ
うです。
結果は[組織学的に乳腺組織内にはedematous changeを伴う線維性間質成分増生及び
管状ないしスリット状進展を示す上皮成分増生がみられます。Mixed connective tissue and epithelial tumorに相当する所見です。明らかな葉状構造に乏しく
fibroadenomaが考えやすいと思います。明らかな悪性所見はありません。]とのこと
で、半年毎の経過観察(初回だけ私の希望で2ヶ月後)でしこりが3cm(現在26
mm)を超えるようなら摘出しましょうということになりました。
そこで私の疑問としましては、本当に3cmまで経過観察でいいのかという事です。素
人なりに調べた所、線維腺腫と言われていたのに切除してみたら葉状腫瘍であったり
と、切ってみないと確定診断はできないとのことで手遅れにならないか非常に不安が
残ります。
もう一つは経過観察の場合、その間に妊娠出産しても問題ないのかという事も気にな
ります、もし妊娠中にホルモンの変化でしこりが大きくなってしまったらどうしよう
と心配でなりません。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「浮腫状の間質を伴う」線維腺腫ですね。
回答
「edematous changeを伴う線維性間質成分増生及び管状ないしスリット状進展を示す
上皮成分増生」
⇒結構良くあるタイプの「線維腺腫」です。
「しこりが3cm(現在26mm)を超えるようなら摘出しましょうということになりま
した。」
⇒(一般的には)妥当な考え方です。
針生検で確認済み(質問者のおっしゃるように、「葉状腫瘍との鑑別」は厳密には
困難ですが)なので、それ程心配する必要はありません。
ただ、年齢的には(今後大きくなる可能性が高いと考えると)26mmでも十分に手
術適応だと思います。
「本当に3cmまで経過観察でいいのかという事です」
⇒「妊娠中に大きくなる可能性」もあるので、「気になるなら」摘出した方がいいと
思います。
○考え方としては、「40代後半」のように「今後それ程大きくなる可能性が低い」場
合には経過観察でもいいですが、質問者のように32歳では「これから大きくなる可能
性は高い」ので摘出した方が良いと思います。
質問者様から 【質問2 手術する場合】
お忙しいなか早速のご回答ありがとうございます。
私自身3cmまであと数mmにも関わらず経過観察するよりも、切除して安心して子作りをしたいと思っておりましたので先生の回答を拝見し手術に踏み切ろうと考えております。来週、経過観察の為病院に行きますので担当医に相談してみます。
そこで質問なのですが、
・軽いパニック障害をもっているので、局所麻酔での手術の場合には希望すれば鎮静剤をいれてもらえるか。
・切除する際には葉状腫瘍である場合も勘案し、ある程度のマージンをとって切って頂けるものなのか。
・しこりが出来やすい体質なのか他にも1cmにも満たないしこり(これらはエコーに写り、マンモには写らず針生検もしていない)が2つ程あるようですが、これらも大きいしこりと同じ左胸にあるので同時にとってしまった方がいいか。
度重なる質問で大変恐縮ですが、宜しくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「針生検で線維腺腫と診断」された26mmのしこりですね。
回答
「軽いパニック障害をもっているので、局所麻酔での手術の場合には希望すれば鎮静剤をいれてもらえるか。」
⇒薬剤の種類によっては可能です。
ただ、鎮静剤を使う位なら「手術の正確性の為」にも全身麻酔の方がいいと思います。
「切除する際には葉状腫瘍である場合も勘案し、ある程度のマージンをとって切って頂けるものなのか」
⇒これは予め主治医に「マージンをつけてもらうように」依頼しておけば大丈夫です。
マージンまで考えるのならば「全身麻酔」が安全です。
「これらも大きいしこりと同じ左胸にあるので同時にとってしまった方がいいか」
⇒これは考え方次第ですが…
全てを摘出する事を前提として「全身麻酔」で行う方が安心です。
逆に「全身麻酔で行うのであれば」全て摘出してしまいましょう。