[管理番号:619]
性別:女性
年齢:45歳
2012年の乳がん検診で再検査になって以来、半年に一度,定期的にエコー検査を受けています。
先日エコー検診時に二箇所の細胞診を受けて、今日結果が出たのですが、一箇所は良性、もう一箇所はクラス3との説明を受けて、少し様子を見て3ヶ月後にもう一度マンモ、エコー、細胞診をしてみましょう。と言われ帰宅しました。
過去3度ほど細胞診を受けており(別の場所)いずれも嚢胞や線維腺腫との診断を受けていて、今回初めてクラス3という結果にとても不安でおります。
検査結果の紙には、細かいことが色々書いてあったようですが、最後に「生検を勧めます」と書いてありました。
ですが主治医の先生は組織検査に回すのではなく、3ヶ月後マンモ、エコー、細胞診をしましょう。それまで様子を見ます。ということで…
なぜすぐに生検をしないと思われますか?
3ヶ月ほっといて手遅れになったりしないのか。
すぐに生検しないのは現時点では生検してもはっきり結果が出ないからなのか。(5,7㍉サイズ)とても不安で仕方ありません。
本当に3ヶ月ほっといて大丈夫でしょうか?
説明の時に、今回採った細胞の数が少なかったということを話していたのと、組織診をする場合大学病院で受けなければいけない。というのがあり余計に引っかかっています。
もし悪いものだった場合、3ヶ月後に組織検査したとしても、手遅れにはならないのでしょうか?それとも早急にやった場合とかなりの差があるのでしょうか?
教えていただけたら少しでも気持ちが楽になるかと、ご相談させていただきました。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「組織診をする場合大学病院で受けなければいけない」というのには驚きました。
○その施設では「針生検をしない(できない?)」という事のようです。
そんな事では「診断の遅れ」は必発です。
今回のケースでも「直ぐに針生検をすべき」なのに、「自分のところで針生検ができないという理由で」無駄な3カ月経過観察となっています。(自分の家族でも、そのようにするのか一度聞いてみたいものです)
回答
「主治医の先生は組織検査に回すのではなく、3ヶ月後マンモ、エコー、細胞診をしましょう。それまで様子を見ます」
⇒小さいから様子を見てもいいだろう。と言う事の様ですが全く賛成できません。
早期発見(勿論今回は良性かもしれませんが…)のチャンスをみすみす逃しているような診療です。
その医師は自分の家族でも、そのように選択するのでしょうか?
「3ヶ月ほっといて手遅れになったりしないのか」
⇒3カ月では「手遅れ」にはならないでしょう。
ただ、「診断までの無駄な3カ月」が将来的に「予後を分ける」可能性は常にあるのです。
「早期発見に勝る治療は無い」のです。
「なぜすぐに生検をしないと思われますか?」
⇒「自分のところで針生検しないから」だと思います。
きっと「あくまでも乳癌が疑わしい、もしくは細胞診でクラス4以上」でないと紹介しずらいのでしょう。
○クラス3くらいで、大学病院へ紹介しても、(大学病院の事だから、針生検もせずに)「癌を積極的に疑う所見ではないので、貴院で経過をみてください」と戻される可能性さえあります。
♯とんでもない話ですが現実にあることです)
「すぐに生検しないのは現時点では生検してもはっきり結果が出ないからなのか。(5,7㍉サイズ)」
⇒5.7mmあれば十分に針生検で確定診断できます。
この程度で「小さいから針生検できない」などと言っていたら、『本当の早期発見は無理』なのです。
「本当の早期発見」にこだわりを持つ医師が少ないのが現状ですが…
「本当に3ヶ月ほっといて大丈夫でしょうか?」
⇒無駄な時間を費やすべきではありません。
3カ月後に(無駄な)細胞診をするのであれば、「すぐに針生検」をするべきです。
細胞診で確定診断となる事は決して無いのです。
「良性なら良性」「悪性なら悪性」できるだけ早期に「確定診断」をつけるべきです。
「今回採った細胞の数が少なかったということを話していたのと、組織診をする場合大学病院で受けなければいけない。というのがあり余計に引っかかっています。」
⇒細胞診しかしない施設では「診療すべきではない」と私は思っています。
どうしても「診断が後手後手」となるのです。
「細胞診で良性」⇒半年後に「大きくなって、慌てて針生検をしたら浸潤癌でした」みたいな話が、世の中にあまりにも多いのに私は本当に驚いています。(このQandAもそうですが、セカンドオピニオンなどでも)
○最初から「針生検」をしていれば、そんな事はなかったのに。余程「針生検の敷居が高い」のでしょうか?
「もし悪いものだった場合、3ヶ月後に組織検査したとしても、手遅れにはならないのでしょうか?それとも早急にやった場合とかなりの差があるのでしょうか?」
⇒例えば、そこで「ステージが変わる程の差」は無いと思います。
ただ、たとえば「5.7mm⇒9mm」となってから診断したとして、担当医は「ステージは変わらないから大丈夫」というかもしれません。
本当に、ステージが変わらなければ差がないか?というと、そんな事はありません。「5年後、10年後、本当にその3カ月が影響がないのか?」誰にもわからないのです。
もしかすると「その3カ月がターニングポイントとなる」可能性が無いと担当医は断言できるのでしょうか?
早期発見にこだわるべきだと思います。