[管理番号:9891]
性別:女性
年齢:40歳
病名:肉芽腫性乳腺炎
症状:胸のしこり、炎症、痛み
投稿日:2021年11月19日
「今週のコラム291回肉芽腫性乳腺炎のまとめ」を拝見しました。
情報が少なく、薬の副作用と再燃から治療方針が正しいのかわからず、相談させてください。
突然ビー玉程度のしこりが2つでき、2週間後に急に痛みを伴い大きくなりました。
足の腫れを伴い、最初に受診した内科では抗生剤(クリンダマイシン)と抗炎症薬(インドメタシン)を処方され、乳腺科を受診するよう指示されました。
抗生剤で腫れと痛みは止まり、マンモグラフィーと超音波検査の結果、肉芽腫性乳腺炎を疑われ、生検で確定しました。
しこりは8センチx8センチほどです。
膿が生じたため注射器で排膿し、感染症は否定されています。
初診時から肉芽腫性乳腺炎の場合にはステロイド治療となる、癌の可能性はとても低いと説明を受け、先生は治療経験豊富なようです。
数日後、結節性紅斑、関節痛、空咳も発症し、歩行困難となったため、抗生剤の服用が終わった段階でまずは足の腫れを治すためステロイドを処方されました
(40mg x 3日、35mg x 3日間、30mg x 3日間、20mg x 3日間、10mg x 3日間、5mg x 3日間)。
胸の症状以外は即解消されました。
別の医療機関で行った血液検査でANA抗体は陽性となっていますが、他には異常ありません。
自己免疫異常による炎症とのことで、乳腺科の先生から一緒に治療を行うリュウマチ科の先生を受診するように指示されました。
そこから問題なのですが、リュウマチ科では特に確立された自己免疫疾患の症状では無いとされ、すべての症状は肉芽腫性乳腺炎によって発症するもの。
原因は不明。
症状がとても強いので、完治まで2年はかかる。
メトトレキサートを服用し、効果がでるまでステロイドを6ヶ月ほど服用と指示されました。
ステロイドの長期利用を避けるためのようで、乳腺科ではメトトレキサートを扱えないとのことでした。
乳腺科の先生からは2年ほどで自然に治る病気ではあるけれども、薬で抑えないと炎症が両胸に広がることもあり、傷だらけになると言われたこともあり、薬の副作用の心配から薬の服用を迷っていたところ、目の充血(眼科ではアレルギー反応とのこと)肉芽腫性乳腺炎の炎症が悪化。
乳腺科の先生から免疫を落とさないとだめだと言われ、他に選択肢がなく薬を服用することとなりました。
ステロイドは40mgから1週間ごとに10㎎減量して10㎎で維持との指示。
20㎎に落とした時点で再燃、すぐに受診できずに10㎎まで落として2週間後に受診、炎症を抑えるために30mgに増やして3週間、20㎎1週間、15㎎で2週間経過しています。
以前ステロイドを服用した時も少々の吐き気、食欲不振、不眠はありましたが、今回は慢性疲労感も加わり、薬の副作用として吐き気、食欲不振、不眠の症状もひどく、6キロ体重減、体調が良くありません。
2カ月以上薬を服用していますが、しこりは小さくなっていません。
ステロイド治療を始めて1週間の間に下の部分が小さくなった代わりに、しこりの右側が肥大化したようで、肥大化した部分が炎症を起こし膿を生じています。
メトトレキサートの服用を止めたいのですが、ステロイドだけで抑えられない場合もあるのでしょうか。
コラムの「ステロイドの使い方」で書かれている以上に長期化するようであれば、副作用も心配です。
「ステロイドの使い方」で記載されている治療を受けた場合、通常いつ頃からしこりが小さくなるのを実感できるのでしょうか。
しこりは炎症がおさまったからか固くなった感じがしますが小さくはなっておらず、オレンジぐらいの塊があります。
注射器で排膿していたため、見た目は問題なかったのですが、ステロイド服用後に再燃した際に膿が3カ所ほど皮膚の下に溜まり、赤黒くなっています。
今回は注射器では排膿できず皮膚が裂ける前に小さく切開して排膿したため、見た目も痛々しい状態です。
治療方針としては症状を確認して問題なければステロイドを10㎎に減らし、出来るだけ早くステロイドを止めるとのことです。
メトトレキサートは3-6週間で効き始めると聞きますが、効いている実感は無いです。
よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
物事はシンプルに考えましょう。
皆さん(医師も含めて)ステロイドに抵抗があるようですが、30mgなどの高容量は短期間なので「全く」問題ありません。
私の治療で順調にいかなかった患者さんは「一人も」居ないので断言しますが…
初期の頃は「漸減すると再燃を繰り返すケース(質問者も同様のケースでしょう)」
ではMMTEで削ることを併用すると上手く行きますよ!
ご参考に。
質問者様から 【質問2 】
肉芽腫性乳腺炎の治療について
性別:女性
年齢:40歳
病名:肉芽腫性乳腺炎
症状:
投稿日:2021年12月10日
先月、肉芽腫性乳腺炎の治療について回答頂き、どうもありがとうございました。
その後、乳腺科の主治医に相談をしたのですが、「今はようやく薬で抑えている状態なので、ステロイドまたはメトトレキサートのどちらかを止めると症状が悪化して初期のような歩行困難な状態になる」と言われています。
どうしてもメトトレキサートを止めることには反対で、まずはステロイドを外すとのことです。
現在メトトレキサート、ステロイド10㎎を服用しており、症状に変化が無かったら来週からステロイドを5㎎に減らして良いとのことです。
ステロイドを20㎎から15㎎に減らしたころから少々足の裏の痛みが復活したりしていましたが、今は落ち着いています。
膿を取るために切開した傷口もふさがり乾燥しています。
肉芽腫性乳腺炎のためのステロイド治療を始めて、4カ月目になります。
今回の主な質問は、しこりの大きさについてです。
治療を続けていますが、一向にしこりは小さくなりません。
先生が以前、「実際には炎症が治まって、日常生活に支障がなくなるまでは3か月程度、残りの1年以上は(ほぼ無症状で)後に再燃しないためにステロイドを漸減する期間」と291回目 肉芽腫性乳腺炎のまとめに記載されています。
この、残り一年以上なのですが、しこりの大きさは同じままのケースもあるのでしょうか。
その場合、1年後、2年後に急に小さくなる時が来るのを待つイメージなのでしょうか。
リュウマチ科の先生にも薬の件で打診しましたが、薬の量を増やすことを提案されて
しまいました。
お断りしましたが、2カ月後の受診でしこりの大きさが変わっていなかったら、薬を増やすと一方的に言われています。
胸の状況は乳腺科の医師に確認してもらっていますが、薬の調整はしこりの大きさで判断しているように思われます。
海外のため先生に診てもらうことが出来ないのですが、しこりの大きさについてご意見をお願い出来ますでしょうか。
しこりが小さくならなくてもあまり心配無いのであれば、薬の増量に納得できないため、現地で別の医師を探すことも考えたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは田澤です。
「この、残り一年以上なのですが、しこりの大きさは同じままのケースもあるのでしょうか。」
⇒ありません。
ご安心を。
★何故、そんなに「言い切れるのか?」と不思議に思われるかもしれませんが…
(前回もコメントしたように)コース通りに治癒しなかった症例は「一例も無い」からです。