[管理番号:9233]
性別:女性
年齢:62歳
病名:乳がん
症状:
投稿日:2021年3月6日
町の調剤薬局で薬剤師をしています。
今回、患者さんの治療方法に関して教えていただきたく、メールいたします。
昭和33年生まれ
2018年3月(下旬)日・・かかりつけ医の検査により右乳房に異変有、専門病院を紹介される
2018年5月(下旬)日・・乳房温存手術。
術後放射線治療なく、アナストロゾール服用。
2018年6月(中旬)日・・更年期障害のような症状が有、加味逍遙散開始。
経過良好が続く。
2021年3月(上旬)日・・両手のこわばりあり。
骨密度正常。
タモキシフェンに変更。
今までの薬剤師としての経験上、タモキシフェンからアナストロゾールへの変更は目にしてきましたが、今回、逆で困惑しています。
患者さん本人に確認したところ、手のこわばりの相談の結果お薬を変更すると言われただけで、ほかの経過は順調だと言われます。
総合専門医の診断ですので、特に疑義照会もせず、お渡しをしましたが、調べても解決策が見つからず、先生に教え
ていただく手段を取りました。
今後の服薬指導の為にも教えていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
「今までの薬剤師としての経験上、タモキシフェンからアナストロゾールへの変更は
目にしてきましたが、今回、逆で困惑しています。」
⇒気持ちは解ります。
しかし、aromatase inhibitor(AI)の副作用(関節のこわばり)が酷い際には「まずは休薬」⇒ 「いくらか改善したところで」⇒ another AI(この場合にはanastrozole⇒exemestane)が一般的となります。
ただ、実際にはanather AIに変更しても「同様の副作用が継続することが多い」ので 「AIではなく、another hormoneとしてtamoxifenやtoremifenへ変更」することも稀ではありません。
★AIやtoremifenは閉経後にしか適応ありませんが、tamoxifenは「そもそも」閉経前後どちらにも適応があるのです。