あっという間に年末ですね。
やり残したことも(乳プラ改変など)多々ありますが、今年は自分の推し進めるべき道が明らかになってきたように感じます。
★ 鎖骨上リンパ節郭清
これは、元来乳癌の手術としては殆ど行われることはありません。
理由の一つは術野が全く異なる(鎖骨の上と下で創の位置が異なるので)こともあるでしょう。
この部位は「術後の予防照射」や「再発後の治療照射」など、あくまでも「放射線 一択」の領域でした。
それさえもせずに、(局所は全く無視して)全身療法しかしない医師も多い(抗がん剤やホルモン療法など)
かくいう私も、仙台時代「鎖骨上リンパ節郭清」をする機会はありませんでした。
♯ ただ甲状腺癌の手術として「頸部郭清」はしていたので手技的に「全く無経験」というわけでは無かったのですが、少なくとも乳癌患者さんに「鎖骨上リンパ節郭清」をする機会も経験もありませんでした。
江戸川に来て…
♯ 放射線は同じ部位に2度はかけられないので、(例えば)術後の予防照射していると、(鎖骨上リンパ節に再発した場合には)局所療法をするとすれば「手術 一択」となるのです。
ただ、「鎖骨上リンパ節郭清」は慣習的に行っていないので、こちらから勧めることはなく、患者さん自身の強い希望があった場合にのみ行っていました。
それから数年…
「予後はいいな。」
正直な感想です。
例えば「鎖骨上リンパ節及び縦隔リンパ節再発」
鎖骨上リンパ節郭清+縦隔リンパ節再発への照射で、数年再燃する気配が無い患者さんを見ていて「これって、有りだな」
今年に入って、数件「鎖骨上リンパ節郭清」する機会がありました。(過去20数年での経験数を、この1年で「軽く」越えてしまいました)
一番の違いは「私の方から」鎖骨上リンパ節郭清の選択肢を示すようになったことです。
局所治療の重要性が(世間的には)無視される潮流かもしれませんが、私自身はその意義を「肌で」感じた一年と言えます。