[管理番号:9007]
性別:女性
年齢:35歳
病名:乳房術後
症状:なし
投稿日:2020年11月19日
はじめまして。
いつも乳ガンプラザを拝見させていただいております。
今回は不安なことがあり田澤先生に御相談させて頂ければと思います。
2019年9月左乳癌(硬癌)にて左乳房全摘+センチネルリンパ節生検施行、術中センチネルに転移あり腋窩リンパ節郭清を行ないました。
以下病理結果です。
硬癌+DCIS 24×15㎜
n(+):センチネル(1/5)レベル1(0/9)
核グレード3
HER2 1+ ER:3b PgR:3b
Ki61:25.3%
術後オンコタイプDXにてRS17で抗がん剤は行なわず現在はタモキシフェン内服とリュープリンを行なっています。
先日術後1年のためCTを撮った所、左胸筋間リンパ節が術前より目立ち転移巣の可能性もありということでPETを行ないました。
その結果リンパ節、その他臓器共転移らしきものは見つからないということでした。
また腫瘍マーカーは基準値内です。
以下のことを先生にお聞きしたいと思います。
①私なりに勉強してRS17は若年性であっても抗がん剤による上乗せ効果はないと考え抗がん剤は行ないませんでしたが、その認識で間違いないでしょうか?
②転移以外で胸筋間リンパが腫れることはあるのでしょうか?素人考えでは場所的に転移以外では考えられないのではないかと思うのですがPETで否定されたということは安心していて良いのでしょうか?
③センチネルに転移があると通常レベルⅡまで腋窩郭清するとこのサイトで見ましたが私はレベルⅠまでしかしていないようです。
腋窩再発のリスクは高いでしょうか?
④今の病院ではエコーは術前と術後1年の時の2回のみ、術後は健側のみでした。
見落とされている転移があるのではないかと不安で仕方ありません。
子供も小さく再発は避けたいです。
遠方に住んでおりますし、コロナ禍ですが一度先生に診察して頂きたいと存じますが可能でしょうか?
以上お忙しい中とは思いますがよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
CTで解るほどのRotter腫大であれば、(PETではなく)エコーで評価すべき
そして本当に腫大していれば「細胞診」しましょう。(何故しない???)
「先日術後1年のためCTを撮った所、左胸筋間リンパ節が術前より目立ち転移巣の可能性もありということでPETを行ないました。」
⇒やるべきは…
PETではなく、「細胞診」ですよ!
「①私なりに勉強してRS17は若年性であっても抗がん剤による上乗せ効果はないと考え抗がん剤は行ないませんでしたが、その認識で間違いないでしょうか?」
⇒その通り。
「②転移以外で胸筋間リンパが腫れることはあるのでしょうか?素人考えでは場所的に転移以外では考えられないのではないかと思うのですがPETで否定されたということは安心していて良いのでしょうか?」
⇒PETは無意味!
転移を疑い細胞診するのが常識
「③センチネルに転移があると通常レベルⅡまで腋窩郭清するとこのサイトで見ましたが私はレベルⅠまでしかしていないようです。
腋窩再発のリスクは高いでしょうか?」
⇒それは考えても仕方がないことです。
「コロナ禍ですが一度先生に診察して頂きたいと存じますが可能でしょうか?」
⇒診察ならば…
市川なら電話予約できますよ。
質問者様から 【質問2 】
RxPONDER試験について
性別:女性
年齢:35歳
病名:乳癌術後
症状:
投稿日:2020年12月23日
先日は診察ありがとうございました。
ID○○の○○です。
一昨日生検の結果が届き悪性の所見がなく心からほっとしています。
先生からの一言のコメントがとても嬉しかったです。
やはりあの日勇気を出して行動を起こして良かったと思っております。
また紹介状もない飛び込みの私を快く診察して頂いて本当に感謝しております。
先生もお忙しいことと思いますが沢山の乳癌患者が先生によって救われておりますのでくれぐれもご自愛ください。
また4月か5月に市川に予約を入れさせて頂いて健側、患側ともエコーでチェックしていただければと思います。
その際はよろしくお願いいたします。
長くなりましたが今日はまた質問をお願いしたいと思います。
以下現在までの経過です。
2019年9月左乳癌(硬癌)にて左乳房全摘+センチネルリンパ節生検施行、術中センチネルに転移あり腋窩リンパ節郭清を行ないました。
病理結果
硬癌+DCIS 24×15㎜
n(+):センチネル(1/5)レベル1(0/9)
核グレード3
HER2 1+ ER:3b PgR:3b
Ki61:25.3%
術後オンコタイプDXにてRS17で抗がん剤は行なわず現在はタモキシフェン内服とリュープリンを行なっています。
先日のRxPONDER試験で「再発スコア0~25の閉経前女性では化学療法の効果が統計学的有意に認められ、5年時点の遠隔再発率の改善率は平均3%であった」とありました。
このことから今からでも抗がん剤するべきなのでしょうか?
既に術後1年3ヶ月経っています。
そして
改善率3%とはどの程度の予後の改善なのかわかりません。
100人いたら抗がん剤することで3人再発を免れるイメージで合っていますか?
しかしRxPONDER試験はタモキシフェン単独orタモキシフェン+抗がん剤なのでしょうか?だとしたら抗がん剤の卵毒性が関係しているのではないかと思うのですが、それならばリュープリンも併用していれば抗がん剤は必要ないのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは田澤です。
Rotterについては本当に良かったですね。
「抗がん剤の卵毒性が関係しているのではないかと思うのですが、それならばリュープリンも併用していれば抗がん剤は必要ないのでしょうか?」
⇒まさに「そこにこそ」興味があります。
単純に考えて「閉経後で上乗せがない」⇒「閉経前で上乗せがある」
その違いは?となると、「卵巣状態」となります。
質問者がおっしゃるように「おそらく」閉経前の場合もLH-RHagonist併用により閉経状態にすれば、「閉経後では上乗せがない」にそのまま当てはまると思います。