[管理番号:405]
性別:女性
年齢:36歳の方の母親
田澤先生はじめまして。
田澤先生の数々の誠意ある質疑応答に、感動すら覚えます。
実は昨日、母親に乳癌判定が出ました。
家族一同、ひどく動揺しております。。
無知の中、申し訳ないのですが、質問させてください。
母親は、マンモ、MRI、CT、最後に細胞診で、悪性判定に至ったのですが、針生検までは必要なかったのでしょうか??
田澤先生の回答を色々拝読してますと、細胞診では細胞の性格判定までは解らないとおっしゃっていたようで。。
手術は来月10日で、(温存か全摘出か-ICはこれからです)それまでに、骨シンチとCTはするようですが。
因みに今までの検査結果から1,6㎝で、画像では、ひとつのようです。
細胞診が手術までの最後の検査で大丈夫とお考えでしょうか?
田澤先生ならばどのような段取りを経て手術となりますか?
あれよあれよと、日取りが決まっていき…不安で仕方ありません。。
どうぞよろしくお願いいたします。
(2015年5月の質問)
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「細胞診だけで乳癌の確定診断」との事ですね。
いろいろ不安があると思います。
それでは回答します。
回答
「母親は、マンモ、MRI、CT、最後に細胞診で、悪性判定に至ったのですが、針生検までは必要なかったのでしょうか??」
⇒私であれば、迷うことなく(無駄な細胞診などせず)針生検を行います。
担当医は「画像上ほぼ乳癌に間違いない」と確信があるので「細胞診だけで十分」と思っているのでしょう。
しかし、「細胞診での乳癌の確定診断」は危険です。
万が一を考えて「針生検を行う」ことが推奨されます。
「細胞診では細胞の性格判定までは解らない」
⇒その通りです。
細胞診では「癌の組織型」や「サブタイプ(ER, PR, HER2)」「核異型度」などは解りません。組織診ではこれら全てが解ります。
※サブタイプについては、トップページの「乳癌の分類」の「IHCによるサブタイプ分類」を参照してください。
そうすると「術後に、手術標本でそれらの情報を得るまでは」術後の方針が一切決まらない事になります。
「細胞診が手術までの最後の検査で大丈夫とお考えでしょうか?」
⇒(手術が来月10日と日数十分にある)ので、当然「針生検すべき」です。
そうすれば、手術前までに(術後の)治療方針も「ある程度」決まるため、安心感があります。
あえて(細胞診だけを行い)万が一の「誤診のリスクを負っている」理由が解りません。
「田澤先生ならばどのような段取りを経て手術となりますか?」
⇒私であれば
受診初日に「マンモグラフィーと超音波」で乳癌を疑えば、その日に「超音波ガイド下マンモトーム生検」を行います。(針生検よりも、もっと情報量が豊富です)
病理診断結果が出る日(2週間後)に合わせて「乳房MRIを撮影」して「手術術式」及び「(予定される)術後療法」についてお話しします。
CTは必須ではありませんが、「手術までの間に撮影」することが多いです。
質問者様から 【質問2】
田澤先生、迅速、且つ解りやすい説明、本当にありがとうございました。
先生の説明を何度も読み返すと、やはり針生検をされないままの手術が不安になってまいりました。。
キャリアもある医師を選んだつもりだったのですが。。。
手術後の治療や、検診のことを考えると通い安いところが…と選んだのですが、今更ながら?セカンドオピニオンも受けてみようと母親たちと話し合いました。
関西在住の身で、、
あぁ…田澤先生のお近くに住んでいたなら…と切に感じております。。
すごく残念で仕方ありません。
ただ、セカンドオピニオンなの向かう前に、今の担当医に針生検の必要性は?と伺ってみるつもりです。
田澤先生のおっしゃる通り、手術前に、今後の方向性がある程度解るというのは安心材料に間違いないですものね。。
今はただ、無事であることを祈るばかりです。
本当にありがとうございます。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
今の時代、「針生検をしない」で「癌の治療を開始」する施設が意外に多い事に驚いています。
「診断も確実」だし、「術後治療についての話も、ある程度」できるので、敢えて「避けている意味」が不明です。
画像診断に頼り過ぎず、きちんと「組織診断」をしてから治療にのぞみましょう。
質問者の「針生検の必要性は?と伺ってみるつもりです。」を支持します。
質問者様から 【質問3】
田澤先生、またもやの即座のお返事、本当にありがとうございます。
来週月曜日(18日)に、主治医に再度の解っている範囲の説明と、予定している手術までに針生検はしないのか?しないのなら何故か?を伺いに行くつもりです。
田澤先生の回答でしっかり聞かなくては!と確信しました。
18日はもしかしたらアポイントメントをとるだけになるかもしれませんが…(基本、紹介状ありきに受診できる病院の為、いきなり伺っても無理な予感はします)
ただ、その時の対応力(即座に日程調整等してくださるか?)にも注目してみようと思ってます。
これからの長い付き合いを考えると、担当医との相性は技 術力よりも大切かとかんがえます。
田澤先生、本当にありがとうございました。見ず知らずのイチ質問者にも、丁寧に回答下さり救われた気持ちです。
また報告、相談させていただければ幸いです…。
田澤先生も、お身体にはくれぐれもご留意ください。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「納得のいく診療」を受けることあ大事です。
疑問点を明快に回答できるような担当医であることを願います。
また疑問点があればご質問してください。