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オラパリブについて

[管理番号:8603]
性別:女性
年齢:52歳
病名:乳がん
症状:経過観察中
投稿日:2020年6月3日

いつもこちらで勉強させていただいております。

私は2018年8月に乳がんの手術を受け、10月からTC療法を受けました。

ステージ1でしたがトリプルネガティブだったこと、姉が卵巣がんの再発治療中(オラパリブ)でしたので去年、遺伝子検査を受けBRCA1のHBOCがわかりました。

それでいくつか田澤先生にご教授いただきたくお願いいたします。

①  以前先生が今後はHER2タイプのようにBRCAタイプなどに区別されるのでは…のように仰ってましたが、かつてハーセプチンがHER2の再発、手術不能での治療であったのが今では術後再発予防で使われるように、オラパリブなどもBRCAタイプの再発予防で使用できる薬(分子標的薬?PARP阻害薬?)となる可能性があるのでしょうか?

② 上記に書きましたように私はトリネガなのに医師の判断でTC療法を受受けており、もし再発・遠隔転移があってもまず(ドセタキセルは受けてますが)アンスラを受けなければならないことになりますか?その場合、将来的には、TC後の再発などでいきなりオラパリブ服用が治療になる可能性はありますか?

③ 適用基準が違いますが、卵巣がんの治療ではオラパリブは聞いている限りずっと使い続けるそうです。
(といっても新薬なので現在のエビデンスでは5~6年の使用期間しかないようですが)乳がん治療での使用でも使用期間はは限定していないのでしょうか?
抗がん剤とは仕組みが違いますが、耐性ができる、ようないずれは効かなくなることもあるのでしょうか?

④ そのTC療法の副作用で一年半ものあいだ毎日蕁麻疹がでて治りません。
田澤先生が通常デカドロンで治まると書かれていたので当時希望しましたが「事前投与してる」と言って出してもらえず。
最近になって「ベタメタゾンを1クールごとに事前、事後服用合わせて18.6ミリグラムの投与でTCの皮膚症状の蕁麻疹や手足症候群は抑えられる、または軽減される」との(2011~2017年)結果をネットで見つけ私の担当医はそれを知らないのか、と腹が立ちました。
私は事前投与の6.6ミリグラムだけでした。

今からデカドロン、または他のステロイドで治る可能性はありますか?
(先生のの患者さんで長引く蕁麻疹のかたはもう無治療でしょうか?というか、いない?)

私には娘がおりまだ遺伝子検査ができる・癌に罹患する年齢ではありませんが
親戚に乳がん,すい臓がん多数なので今から知っておきたいのです。
(オラパリブは人により効果・副作用の差が大きいと理解しておりますが姉は副作用もなく成功例だそうです)
田澤先生のお考えを(予想でも)①~④についてお聞かせいただきたくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「①  以前先生が今後はHER2タイプのようにBRCAタイプなどに区別されるのでは…のように仰ってましたが、かつてハーセプチンがHER2の再発、手術不能での治療であったのが今では術後再発予防で使われるように、オラパリブなどもBRCAタイプの再発予防で使用できる薬(分子標的薬?PARP阻害薬?)となるとなる可能性があるのでしょうか?」
⇒それに向けた臨床試験が OlympiA です。

以下『今週のコラム 135回目 対象者をBRCA変異のある転移再発乳癌に絞った臨床試験がOlympiADなのです。』から抜粋

上記OlympiADは進行再発乳癌が対象でしたが、Adjuvant therapy(術後補助療法)として適応をとるべくして、現在行われているのがOlympiAです。

 
 

「② 上記に書きましたように私はトリネガなのに医師の判断でTC療法を受受けており、もし再発・遠隔転移があってもまず(ドセタキセルは受けてますが)アンスラを受けなければならないことになりますか?」
⇒その通り
 当然anthracyclineとなります。
 

「その場合、将来的には、TC後の再発などでいきなりオラパリブ服用が治療になる可能性はありますか?」
⇒臨床試験の条件によって適応は決まるのです。

 OlympiAが標準治療を受けた患者さんを対象としているので、仮にこの試験結果で「補助療法への適応拡大」となった場合には
 対象者の殆どが標準治療である。anthracycline 及び taxane既治療となるので、(当然)anthracycline及びtaxane既治療症例が適応条件となる筈です。

「③ 適用基準が違いますが、卵巣がんの治療ではオラパリブは聞いている限りずっと使い続けるそうです。
(といっても新薬なので現在のエビデンスでは5~6年の使用期間しかないようですが)乳がん治療での使用でも使用期間は限定していないのでしょうか?」

⇒限定していません
 無論、将来「補助療法」となったら「限定する筈」です。

「抗がん剤とは仕組みが違いますが、耐性ができる、ようないずれは効かなくなることもあるのでしょうか?」
⇒そう思います。

「今からデカドロン、または他のステロイドで治る可能性はありますか?(先生のの患者さんで長引く蕁麻疹のかたはもう無治療でしょうか?というか、いない?)」
⇒皮膚科医と相談してみては?