[管理番号:8312]
性別:女性
年齢:45歳
病名:乳癌 硬癌
症状:
投稿日:2020年2月19日
田澤先生 こんにちは。
12月にメディカルプラザ市川で診て頂いた(ID〇〇)です。
紹介状も無しに診察していただいたのにも関わらず一つ一つ丁寧に質問に答えて頂き本当に感謝しています。
またいくつか質問させて下さい。
左乳がん ステージⅢaで化学療法 放射線も終わり現在 ホルモン療法中です。
田澤先生にエコーで右も診察していただきおそらく大丈夫だけど心配なら生検してもいいよと言って頂きそれだけでも安心して帰ることができました。
しかし 放射線科の先生に右の乳輪辺りのしこりを指摘され 最近は自分でも小豆くらいのしこりがわかります。
主治医に相談したところ エコーで診ても何もないと言われました。
たしかにしこりに触れるのですが。
田澤先生にエコーして頂いてたので安心はしていますが何があるのか心配です。
1 やはりきちんと調べたほうが良いでしょうか
2 1月に化学療法閉経中にもかからわず
出血がありました 少しだけですぐに止まりました まだ一度だけなら閉経中と考えててもいいですか
主治医は生理が再開してもしないでもどっちでもいいと言われましたが 生理が再開したらとめてしまったほうが予後はいいのではないでしょうか。
3 毎回 不安を抱えたまま病院から帰ることに少々疲れてきました 田澤先生に診て頂きたいです 遠方からの転院はやはり再発したときに通えなくなるのでしょうか。
4 去年末から腰と股関節に痛みがあり整形外科でMRIをとってもらいましたがなにも悪いものはないと言われましたが今だ痛みがとれなくて不安です。
主治医は関節の痛みは関係ないといいますが ホルモン剤による影響でも痛くなることはありますか 我慢できないほどの痛みではありません。
5 整形外科で念のためにと骨量検査もしてもらいましが40代では少し値が低いそうです これもホルモン療法と関係はありますか。
お忙しいところいつもありがとうございます。
よろしくお願いします。
前回の管理番号がわからなくなってしまいました すいません。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「1 やはりきちんと調べたほうが良いでしょうか 」
⇒「きちんと調べる」とは??
私が12月にエコーしたうえに、
「放射線科の先生に右の乳輪辺りのしこりを指摘されて「主治医に相談したところエコーで診ても何もない」
となっているのだから、これ以上疑う余地はありません。
ご安心を。
乳輪部は「乳管の拡張」や「モントゴメリ腺の腫大」など勘違いされやすい部位です。
その部位を「エコーで診てもらって」いるのだから、心配する余地がありません。
ご安心を。
「2 1月に化学療法閉経中にもかからわず出血がありました 少しだけですぐに止まりました まだ一度だけなら閉経中と考えててもいいですか 」
⇒(この文章からは)「化学療法終了後どのくらい経っているのか?」不明ですが…
(終了後半年以上経っていれば尚更)
卵巣が復活している可能性はあります。
LH-RHagonist併用したほうが無難です。(緊急性はないとしても、次の外来受診の機会には)
「主治医は生理が再開してもしないでもどっちでもいいと言われましたが 生理が再開したらとめてしまったほうが予後はいいのではないでしょうか。」
⇒質問者が正しい。(SOFT試験の解析から)
「3 毎回 不安を抱えたまま病院から帰ることに少々疲れてきました 田澤先生に
診て頂きたいです 遠方からの転院はやはり再発したときに通えなくなるのでしょうか。」
⇒皆さんが躊躇する原因のようですが…
まず重要なのは
1.「再発したら…」というnegativeな意識を排除することです。
『再発しないための最善の策はどうあるべきか?』
それを「第一に」というか、「唯一の」選択肢とするべきです。
次に指摘したいのは
2.万が一再発したら…
再発治療も(当然)当院で行っている方は沢山いらっしゃいます。
「近いから」という理由で地元で再発治療を行うべきなのか?かんがえるべきでしょう。
・地元を希望する場合には、病院の「地域連携室」で病院間で(地元の別の病院を)探す事ができます。
☆大事なことは物事には優先順位をつけることなのです。
あくまでも「再発しないベストの選択」が何であるか? 考えてください。
「4 去年末から腰と股関節に痛みがあり整形外科でMRIをとってもらいましたがなにも悪いものはない」「ホルモン剤による影響でも痛くなることはありますか」
⇒これは、(化学療法閉経に伴う)「エストロゲンの急激な欠乏症状」だと思います。
(閉経前の方に)LH-RHagonistを行うと頻発する典型的な症状と言えます。
「主治医は関節の痛みは関係ないといいます」
⇒誤り!
関係「大あり」ですよ。
「40代では少し値が低いそうです これもホルモン療法と関係はありますか」
⇒単純に…
(化学療法による)早期閉経が原因です。
☆ 閉経後女性が徐々に骨密度低下する原因と同じですよ。
ただ、年齢的には「骨粗しょう症の基準には程遠い筈」なので、気にする必要はありません。
質問者様から 【質問2 】
術後の経過観察中の転院
性別:女性
年齢:45歳
病名:乳癌
症状:
投稿日:2020年3月18日
田澤先生 こんにちは。
いつもお忙しいところ 沢山の質問に一つ一つ回答して頂きありがとうございます。
前回の質問に回答してもらったのを何度も読みました。
こんなにきちんと説明してもらったことがなく何度も読んでいると涙がでそうになりました。
これから先生にお世話になろうと思います。
どうぞよろしくお願いします。
市川で予約とりました。
転院するにあたっていくつか質問させて下さい。
・診療情報提供書を書いてもらうのに 今の診療所でお願いしたら 手術の情報等 どこまで用意してくれるかわかりませんが
入院した病院からも書いてもらったほうがいいでしょうか。
放射線科や皮膚科の情報も必要でしょうかTCで手足症候群になり、その後も湿疹がでたりで現在も皮膚科に通院中です。
放射線科も照射後1年ですが時々診察に行ってます。
後 先生のところに3ヶ月一度行ったときには腫瘍マーカーの検査もお願いできますか。
腫瘍マーカーの値にすごい恐怖をもってます。
化学療法中に一度 腫瘍マーカー(CEA)が基準値を超えていたのに 何も説明してもらえず腫瘍マーカーの検査をしてることも知らず 電子カルテが横から見えて 腫瘍マーカー上昇と書いてあったときの恐怖と悲しみは1年たった今も忘れられません。
前回質問させて頂いた件で、現在化学療法閉経中 一昨年の12月からです 今年になって1月に一度だけ不正出血?みたいなのがありました その後はありません 卵巣機能もどってきてるのでしょうか 注射も田澤先生のところに行ってからご検討していただけますか。
どうぞよろしくお願いします。
コロナウイルスで大変な時ですが 4月に田澤先生に会えるのが楽しみです。
これからどうぞよろしくお願いします。
先生もお忙しいでしょうが体調崩されませんように。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「・診療情報提供書を書いてもらうのに 今の診療所でお願いしたら 手術の情報等 どこまで用意してくれるかわかりませんが
入院した病院からも書いてもらったほうがいいでしょうか 」
⇒その診療所の判断でいいと思います。
「放射線科や皮膚科の情報も必要でしょうか」
⇒それは不要です。
「先生のところに3ヶ月一度行ったときには腫瘍マーカーの検査もお願いできますか。」
⇒それは希望があればそのようにします。
「現在化学療法閉経中 一昨年の12月からです 今年になって1月に一度だけ不正出血?みたいなのがありました その後はありません 卵巣機能もどってきてるのでしょうか 」
「注射も田澤先生のところに行ってからご検討していただけますか。」
⇒微妙ならば・
エストラジオールを測定(採血)するといいでしょう。
質問者様から 【質問3 】
経過観察中 疑問に思うこと
性別:女性
年齢:45歳
病名:乳がん
症状:
投稿日:2020年4月18日
田澤先生 こんにちは いつも乳がんプラザで勉強させていただいております。
診療情報提供書も用意でき、早く田澤先生に診察して頂きたいと思っていますがまだ行けておりません 先生の乳癌手術のブログの冒頭に書かれている言葉にいつも心癒されています。
またいくつか質問させてくださいよろしくお願いします。
BRASAnalysis検査の適応拡大で私も適用になりますか
43歳で乳がんの診断 術後病理の結果 腫瘍(1,5 1,6 0,8cm)の
3つ PgR95%以上 ER95%以上 HER2 FISH(-) Ki67 5%でした
1 検査適応でしょうか。
2 検査で遺伝子変異ありの場合 対側の予防切除 卵巣卵管予防
切除が保険適応になる 再発時の化学療法薬の適応できる薬が増え
る?ということでしょうか
3 私には2人の息子がいます。
遺伝子変異がある場合、男性乳がん
発症率はどれくらいあがりますか
4 私の姉と弟には娘がいますが、特に姉の子は20代です 現在の年齢で検診の必要はありますか
5 メディカルプラザ市川でも検査は可能でしょうか
あと田澤先生のコメントを見ていると先生は乳頭乳輪の温存はあまりお勧めではないのかなと思いました。
私は術前、全摘を希望しましたが、術前ステージ1だから残しておくべきだという主治医の意見のまま温存してしまい術後ステージ3となり 化学療法 放射線治療と再建を考える余裕もなく温存したことを後悔しています
1 先生にお持ちする病理の結果を見て頂き温存していることでリスクがある場合 追加切除を希望したいと思いますが、術後1年半で今更遅いでしょうか
2 再建は再発のリスクが下がる頃に考えようと思っていましたが術後年数が経つと再建は無理でしょうか
リンパ節ですがセンチネルリンパ節で2個陽性 レベルⅠに2個でした レベルⅡはリンパ節がなかったと言われました
1 リンパ節レベルⅡがない事もあるのでしょうか
2 その場合レベルⅢの切除は必要なかったのでしょうか
3 腰痛、特に骨盤周辺の痛みが続いています。
前回整形外科で
MRI検査したのが12月です この時、骨に異常はありませんでした。
もし骨転移があった場合画像上でわかるのは半年後とかでしょうか。
沢山質問してすいませんよろしくお願いします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「1 検査適応でしょうか。」
⇒45歳以下での発症だから適応あります。
「2 検査で遺伝子変異ありの場合 対側の予防切除 卵巣卵管予防切除が保険適応になる 再発時の化学療法薬の適応できる薬が増える?ということでしょうか」
⇒その通り。
「3 私には2人の息子がいます。
遺伝子変異がある場合、男性乳がん発症率はどれくらいあがりますか」
⇒それは不明
男性乳癌はそもそも絶対数が少ないので気にしなくて大丈夫です。
「4 私の姉と弟には娘がいますが、特に姉の子は20代です 現在の年齢で検診の必要はありますか」
⇒30歳以上でいいでしょう。
「5 メディカルプラザ市川でも検査は可能でしょうか」
⇒江戸川になります。
「1 先生にお持ちする病理の結果を見て頂き温存していることでリスクがある場合 追加切除を希望したいと思いますが、術後1年半で今更遅いでしょうか」
⇒ 遅くはありません。
「2 再建は再発のリスクが下がる頃に考えようと思っていましたが
術後年数が経つと再建は無理でしょうか」
⇒全くの誤り。
そもそも、乳房再建は2次再建が普通だったのです。
術後10年経っても20年経っても問題ありません。
「1 リンパ節レベルⅡがない事もあるのでしょうか」
⇒通常はあります。
「2 その場合レベルⅢの切除は必要なかったのでしょうか」
⇒転移を疑うものが(その範囲内に)無かったのであれば、それでもいいと思います。
「3 腰痛、特に骨盤周辺の痛みが続いています。」
⇒前回、回答したとおり
(以下、抜粋)
⇒これは、(化学療法閉経に伴う)「エストロゲンの急激な欠乏症状」だと思います。
(閉経前の方に)LH-RHagonistを行うと頻発する典型的な症状と言えます。
「前回整形外科で
MRI検査したのが12月です この時、骨に異常はありませんでした もし骨転移があった場合画像上でわかるのは半年後とかでしょうか」
⇒?
「半年後」ではなく、(もしもあれば)その場で解ります。
質問者様から 【質問4 】
化学療法閉経からの卵巣復活について
性別:女性
年齢:45歳
病名:乳がん
症状:
投稿日:2020年8月3日
田澤先生こんにちは いつもありがとうございます。
市川でお世話になってますID〇〇です。
8月1日に先生が書かれていた化学療法閉経からの卵巣復活については管理番号8766をご参照下さいを拝見し読ませて頂いたところ、私と同じ症状の質問をされていたので受診前に先生にお伺いさせて頂きたいと思いました。
2018年12月以降 化学療法閉経状態でしたが今年に入り1月に1日だけ月経のような出血があり、5月に市川を受診した次の日から一週間は本格的な出血がありました。
その後は生理はとまったままです。
あと更年期障害の症状なのかストレスもあるのか 脈が乱れるときがあり心電図検査を受けたところ心室期外収縮と言われました。
循環器の先生は更年期障害の症状なら漢方薬 当帰芍薬散を試すのも良いかもあくまでもタモキシフェンのほうが重要だから受診時に先生と相談してみてはとのことでした。
①やはりこれは卵巣機能がもどってきてるのでしょうか
LH-RHagonistを受診時にお願いできますか
②タモキシフェンでエストロゲンを抑えていると思うのですが 更年期障害の薬にはエストロゲンに似た成分が使われてると聞きました 併用したらタモキシフェンの効果がなくなるのではないでしょうか
そうであれば漢方薬を飲まなくても我慢できるくらいの症状です。
先生は漢方薬を処方されることはありますか。
5月に田澤先生のところに転院させて頂いて この3ヶ月は今までとは違い 全く不安のない毎日をおくることができました。
先生のお人柄と乳がんプラザのおかげだと思います これからもどうぞよろしくお願いします。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは田澤です。
①やはりこれは卵巣機能がもどってきてるのでしょうか」
⇒年齢的にもそう思います。
「LH-RHagonistを受診時にお願いできますか」
⇒了解しました。
「②タモキシフェンでエストロゲンを抑えていると思うのですが 更年期障害の薬には
エストロゲンに似た成分が使われてると聞きました 併用したらタモキシフェンの効果がなくなるのではないでしょうか」
⇒気にしなくて構いません。
「先生は漢方薬を処方されることはありますか。」
⇒積極的には推奨していませんが(効果が不確実のため)
「試してみたい」方には処方はしています。