[管理番号:355]
性別:女性
年齢:46歳
Q&Aいつも参考にさせて頂いています。
乳がんは他のガンより再発する年数が長く、少し不安が薄れた頃のワキに違和感を感じ、また不安に押し潰されそうになっています。
転移や再発も場所により、長期間経ってから判るものと比較的早くに判るものなど、目安など有りましたら、是非参考にさせて頂きたいです。
私は、ステージ2、温存、リンパ節転移なし、術後放射線、抗がん剤、ホルモン治療(リュープリン3年、ノルバテックス5年)治療です。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「再発」についてですね。
乳癌は「決して再発し易い癌」ではありません。
再発する方は「全体からみると」僅かではありますが、乳癌の特徴として
- おとなしい:
大人しいが故に、「ゆっくり増大」し、結果として「術後20年してからの再発」のような「忘れた頃の再発」があります。 - 治療に良く反応する:
治療が奏功する(良く効く)ので、「再発後の治療期間が長く」なります。
かなりの数の術後患者さんを見てきましたので、「私の感覚」を是非参考にして欲しいと思います。
回答
「転移や再発も場所により、長期間経ってから判るものと比較的早くに判るものなど、目安など」
⇒私の感覚では(術後2年以内の)『超早期』、(2年~5年の)『早期』、(5年~10年の)『中間期』、(10年以上の)『晩期』に分けられます。
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『超早期』
ここで再発するタイプは(乳癌としては)早い部類となります。
「術後補助療法」があまり効果がなかったと考えられ、一般に「治療抵抗性」です。
肝、肺など実質臓器が多い。
- 『早期』
乳癌が再発する場合には、このあたりが「一つのピーク」となります。
骨転移が多く、肝や肺などと「複数臓器の転移」が多い。
- 『中間期』
(温存)乳房内再発も、このあたりが多くなります。
他にリンパ節(縦隔、鎖骨上、胸骨傍)、骨、などが多くなります。
- 『晩期』
骨転移や、リンパ節、胸膜など
※治療に良く反応します(治療が良く効く)
ホルモン療法だけでも「長期間の病状コントロールが可能」なことが多い
※この時期の再発には 肝や肺は少なくなります。
以上、イメージとしては (早期)肺や肝 に対して (晩期)骨、リンパ節 となります。